”アイアンクロー=鉄の爪”を得意技とした実在のプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックと、その息子たちの実話を映画化した『アイアンクロー』。4月5日に公開される同作品の特別先行上映会が都内で開催された。上映前のトークイベントには、新日本プロレスリング代表取締役社長兼プロレスラーの棚橋弘至と、大のプロレス好きとして知られるくりぃむしちゅーの有田哲平が登壇した。

▲棚橋弘至、有田哲平(くりぃむしちゅー)

有田「ザック・エフロンが鍛えすぎ!」

この映画は『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ザ・ホエール』などを話題作を手掛けてきた映画会社A24による新作。“アイアンクロー=鉄の爪”で知られ、日本でも活躍したプロレスラー、フリッツ・フォン・エリック一家の実話をベースにした作品で、映画ファンのみならず、プロレスファンの注目も集めている。

イベントの司会を務めた実況アナウンサー・清野茂樹に呼び込まれ登壇した二人。まず、昨年12月に新日本プロレスリング代表取締役社長に就任したばかりの棚橋が「100年に一人の逸材……そして新日本プロレスリング代表取締役社長の棚橋弘至です」とお決まりの自己紹介のあと、自身の役職を付け加えると「ちゃんと言えた……練習しておいてよかった」と胸をなでおろす。

有田は会場を見渡し「僕と棚橋さんが出るから若い女の子のお客さんが多いかと思ったんですが……見たところ男性のプロレスファンが多いですね」と笑いながらコメント。

観客はトークイベント後に作品を鑑賞するが、棚橋・有田の両名はすでに鑑賞済み。「おもしろかった!」とコメントしつつ「ネタバレに注意して話す、と言っても、プロレスファンであれば知っているところが多いと思う。でも逆に、随所にプロレスファンだったら唸ってしまうようなシーンがあって、“この選手って……あの選手のことじゃない?”みたいなのがあってニヤニヤしてしまう」と有田がプロレスファンならではの視点で感想を語った。

一方、棚橋は「映画で役者の方がプロレスラー役をやると、僕が見ると“若干細いかな……”と思ってしまうことが多いのですが、この映画の役者さんの筋肉量は十分でした。この作品のためにトレーニングを積まれたんだと思います」と現役レスラーの視点で太鼓判を押すと、有田は「主演のザック・エフロンは、ケビン・フォン・エリック役をやってるんですけど、なんなら本人よりデカくなってる気がする。やり過ぎなくらい!」と明かした。

さらに棚橋は「レスラーの精神的な負担とか、ストレスで追い詰められていく心理も細かく描かれている。観客の皆さんにもプロレスラーの気持ちを体感していただける映画だと思います」とプロレスラーの目線から見ても納得の仕上がりになっていることを強調した。

この日の控室でも棚橋が出席した会見を動画で見ていたという有田。「プロレスを見なきゃいけないから、仕事なんかしてる暇ないんですよ!」とボケつつも、この映画の細部のこだわりには驚いたようで「作り手のこだわりも感じますし、なにより愛を感じます」と絶賛。

▲プロレス好きとして知られる有田哲平はファンならではの視点で映画をPR

実際に試合部分は名レスラー、チャボ・ゲレロ・ジュニアが監修を務めているが、棚橋は「僕は試合中の足運びを見ていたんですが、ヘッドロックをかけたときの足の開き方や腕の取り方も含め、不自然なところがなかった。受け身もしっかり取れていたし」と語ると、有田は「さすがですね」と感嘆。棚橋は「ザック・エフロンを新日本プロレスに引き抜きたいです」と社長目線で話し、会場を沸かせた。

新日本はこれからニュースターが出てくる

実際にアイアンクローを受けたことがあるかを聞かれると、棚橋は「あります、中西学選手に……」と語ると、さすがプロレス通の有田が「やってた! 中西さん」と反応。「中西さんは手が大きいんで痛いんですよ。アレンジして、アイアンクローをしながら大外刈りをしてんですが……飽きっぽいんですぐやめちゃったんです」と裏話を告白。有田も「アイアンクロー、一番マネしやすい技ですもんね、でもすごく痛い! 僕も兄にやられたりしましたもん」と明かした。

「棚橋さんが社長になったけど、いきなり大変じゃないですか」と、有田から看板レスラーのオカダ・カズチカやウィル・オスプレイが離脱したことを振られると、棚橋は「ここ2~3か月の数字は落ちるかもしれない。ただ、新日の歴史でいうと、大量に選手が抜けたら三銃士が出てきて、三銃士が抜けたら第三世代。そして棚橋、中邑が来て、内藤、オカダと来て、と、上が抜けたら新しい世代が出てくる。今はオカダとオスプレイのポジションが空いているので、ここに誰が入ってくるかを楽しみに見てほしい」と胸を張った。

「今、社長業は絶賛勉強中で……」と話す棚橋。「社長って、なってから勉強するんですか?」と有田にツッコまれつつも、「試合がない日は毎日出社して、各部署との会議や、親会社であるブシロードさんとの役員会議をしています。外部の渉外とかにも自分から行こうと考えていて、日本一動ける社長を目指そうと思ってます」と強い決意を話した。

▲「日本一動ける社長を目指します」と棚橋弘至

最後に映画の見所について、有田は「プロレスファンなら絶対に見てほしいと思うし、そうでない方も、こんなことが実際にあるんだな、という見方でもいいと思う。なんとなく話を知っている自分が見ても多くの発見があったし、細部を“ここってこうだったんだ”とか“ここは違うんじゃないか”みたいな楽しみ方もできる、とにかく最後のクレジットが終わるまで見逃さないようにしてください!」とコメント。

棚橋は「映画の宣伝ではエリック一家が悲劇の一家と書かれてますけど、悲劇かどうかは皆さんの目で判断してください」と語った。ザック・エフロン主演の映画『アイアンクロー』は、4月5日から全国公開される。


 『アイアンクロー』
監督・脚本:ショーン・ダーキン
出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズほか
2023年 / アメリカ / 英語 / 130分 / カラー・モノクロ / ビスタ / 原題:THE IRON CLAW / 字幕翻訳:稲田嵯裕里
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提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ