風野 又二朗風の時代に舞い降りました。風の時代の風雲児、風野又二朗です。
「ねえ。なんで、うちの事務所の俳優は、芸名じゃない人が多いんだろう」
もう10年以上前の話です。その当時のマネージャーと汐留の駅に向かって歩いていた時に、いきなりこう言われました。その時は、『芸名』という事については度々、立ち止まって考えて生きていたので、即答ができました。
そもそも、期待されて始めてない。誰にも期待されてないから、芸名では無く本名で始める。そして、期待はされてないけど、やる気とか才能だったり、あと、情熱と運とタイミングと皆さんのおかげが重なって、仕事を頂くようになって。一度、クレジットされた名前を変えるのも何か面倒だし、現場でも、世間にも、それで覚えてもらっていたりするので、もう変えるタイミングがなく現在に至る。そんな俳優は多いと思います。
もちろん、もともと本名がまるで芸名かのような人もいるし、親からつけてもらった名前で勝負するぜ！と意気込んでいる人もいるし、たまに、もう売れてその名前が世間に浸透しているのに変更する人もいる。
まあ、それでも、最初から誰かにつけてもらった芸名で俳優業を始める人は、相当誰かに期待されているのは間違いないと思います。
【名前をつけるという行為】
これはプロジェクトにしても、ドラマや映画のタイトルにしても、あるいは会社名にしても、テキトーな気持ちでつける事はないですよね。少なくともその瞬間だけは、すごいものになると未来に希望を持って、確信してつけるのではないかと思います。
子どもに名前をつけるという事もまた、これに近いのかもしれません。
とにかく、名前をつけるという事は、その周辺の人たちに、当事者意識が芽生えるのは間違いなく、それは親という立場かもしれないし、まさに自分の事かもしれないけれど。
だから、本名で始めた俳優たちは、そもそものスタートの初速が遅い気がする。別にこれは悪い事でもなんでもなくて、だからこそ頑張ってる人もいるし、名前なんて関係なくない？と気にしてない人もいる。
あ！ちなみに、本名で始めたとしても、スカウトされたとか、何かのコンテストやオーディションで選ばれた人は初速がすごいので、少し今言っている事と離れています。
つまり、誰かの”期待”や”関心”はとても大きいよなって事ですね。
いや、なんで今回こんな事を言うのか、書いているのかというと、多分、カゼノ〜の皆さん、元旦あたりで今年の目標を立てたんじゃないかと思うんですよね。
それを、紙に書いたり、スマホのメモ機能に書いたり、あるいは、心の中で決めた事だったり。人それぞれだと思うんですけど。
例えば、ダイエット、英語の勉強、習い事etc あったと思うんですけど、それ、その目標
続いてますか？
ええ、続いているならいいんです！１月ももう終わろうかというところ、まだまだ元旦に立てた今年の目標、実行継続中であるという、そこの鋼のような意思の持ち主のあなた！
すごいです(拍手) もうね、そんなあなたに風野が何か言えるような事は、ありません。今年も宜しくお願い致します。
でもね、元旦にダイエットを誓ったはずなのに、余るのももったいねえ、ていうか餅うめえ！って言いながら『餅 アレンジ』で検索してるそこのあなた。
僕はね、あなたみたいな人にこのコラムを書いている。すごく気持ちが分かるから。今、泣きながら握手できるよ。せめて、もちの賞味期限がこんなに長くなければさ、こんな月末まで餅食って太ってねえわ！ってね。もはや餅のせいにしてるあなた、こっちきてよ、親友だよ！！！
餅を薄くスライスしてさ、重ねて、ベーコンとチーズも一緒にフライパンで両面焼いてさ、最後にケチャップかけてよ。餅ピザの完成なんだわ。美味えよ。参ったよな。日本に生まれてよう、こんなに安くて美味しいものがよう、家でできちゃうんだからさ、ありがとう！
もうなんか、ダイエットとかいいわぁ、ありがとう！って感じだよね。
って、本当は肩組んで、キャンプファイヤーでもしたい気分(さらにその火で餅を焼きたい気分)ではあるけれど、ちょっと待って、今回このコラムを書いたのはさ、餅が悪いって事でも、あなたの意思が弱いって事でもないんだ。そんな事じゃない。
たぶん、全ては、当事者意識の問題なんじゃないかと思うんですよ。
ダイエットにしても、英会話にしても、別にできなくても困らない目標だから、それなんだと思うんですね！人に見られる訳じゃないし、発表する日が決まってる訳でもない。
目標に危機感や切迫感が伴ってないと、そりゃあ持続不可能ですわ。だって、やめても誰にも怒られないんだもの。
でもさあ、悔しいジャン。なんか、今年も負けたなって感じがしちゃうじゃないですか。そうこうしている間にバレンタインがきてさ、このチョコ、男にあげるのもったいねえ、自分で食べたいわ！ってな季節がくるし。
ホワイトデーの頃には、それどころじゃねえ、花粉がキツイんです！ってなるんでね。だからつまり、持続可能な目標にしていく為に、ダイエットとか英会話とか、そんなぼんやりとしたネーミングで心に決めるのではなく、何かプロジェクト名を決めた方がいいです！！！
【タケノウチ作戦】
ダイエットの事を、例えばこういう作戦名にします。これは、風野が今まで会ってきた芸能人の中でやべえ、人類史上もっともイケメンだわって思った人が竹野内豊さんなんですけどね。
もう、震えるほどイケメン。うまく正面に立っていられないぐらいのイケメンなんですけど。もう、ずっと、若い頃からイケメンじゃないですか。相当の努力をされている事は間違いない訳で、今から始めたところでね、竹野内さんもこれからずっと努力されていくんで追いつけないんですけど。
でも頑張っていれば、諦めなければ、かつて、竹野内さんが歩いた道は歩けるんじゃないかと、その道にたどり着いてみたいし、そこからの景色が見たい！という事で、この作戦名にしました。
目標は、大きく出して、笑われるぐらいがちょうどいいんで！こういう感じでね、作戦名にすると良いんじゃないかと思ってます！
女子の場合は、そうだな
【ヘップバーン作戦】
ごめん、私、今、ヘップバーン作戦中でさ、食べられないの。って言ったら周りのお友達も、おお、そうか、それは仕方ないね！ってなるんでね。
食べられるとしたら、ティファニーの朝食ぐらいかしら。なんて言ったら、一躍人気者に躍り出ることになります。痩せるし人気でるし自己肯定感も上がるし、いいことばかりですね！
という事でね、何にするにしても名前をつけて、日常に目標と彩りを。風野又二朗でした。
それでは、又、風の吹く日に。