テクニカルライター・田中拓也の『人生変えちゃうアプリ!』。今回ご紹介するのは、タイマーアプリ「Forest」。スマホを触らない時間が増えると、アプリ内の木の苗が成長し、やがて森に育っていきます。スマホの触り過ぎを防ぎ、効率よく時間を使うのに役立つアプリです。
まとまった時間を確保して集中力をアップ
「Forest」は、スマホへの依存を解消するためのタイマーアプリです。スマホの触り過ぎを解消し、ほかの必要なことに集中するための時間を作るために開発されています。
ネットのニュースにSNS、動画とスマホを見る時間がつい増えてしまいがちです。四六時中スマホを手元に置いているという自覚があるなら、それは中毒になりかけているのかもしれません。
iOSにはスクリーンタイムと呼ばれる機能があり、これを見ることで、1日にどれくらいスマホを持ち上げた(使用した)かがわかります。私の場合、先週の平均回数は78回で、最高は金曜日の112回でした。16時間起きていたとして、1時間に7回もスマホを使用していたことになります。明らかに多すぎです。
Forestは基本的にタイマーアプリです。設定した時間になるまで、スマホに触れないでいると、画面上に立派な木を植えることができます。スマホを手放す時間を設けることで、勉強をしたり本を読んだりする時間を取り戻してみてはいかがでしょう。
タイマーをセットするには、画面中央にあるリングをスライドさせます。10分から120分まで5分刻みでセットでき、木のイラストをタップすれば、木や時間、タグ(何に集中したかの記録)などをまとめてセット可能です。
タイマーが作動すると、木の苗が画面に植えられます。あとはスマホから離れるだけです。画面にはスマホを操作しないようにメッセージが表示されます。集中したい人向けに環境音の再生機能を用意しているほか、アプリから離れたときにメッセージを表示することも可能です。
セットした時間になるまでスマホを操作しなければ、大きく成長した木が表示されます。反対に、SNSをチェックするなど途中でスマホを操作してしまうと、苗が枯れてしまい育つことができません。
1本だけでは森はできませんが、繰り返していくことで「マイフォレスト」には木が植えられていきます。統計も表示され、1日・1週間・1年間の成果などを振り返ることが可能です。
本物の木を植えて環境保護に貢献できる
「スマホの中で森を育てて楽しいの?」と思うかもしれません。この機能を除けば、ほかのポモドーロタイマーや集中アプリと同じに見えます。Forestがユニークなのは、スマホを手放す時間を増やすことで、本物の木を植えることができるという点です。
タイマーをセットして木を植えるたび、セットした時間に応じてコインがもらえます。コインが2500まで貯まると、本物の木を地球のどこかへ植えることができるのです。実際の植樹は「Trees for the future」という植樹団体が担っており、すでに93万本以上の木が実際に植えられているそうです(2020年12月現在)。
スマホの操作を手放すだけで、木を植えて環境保護に貢献できるというのは、ほかのアプリではあまり見かけません。予算の制約により、ユーザーが植えられる木は1人につき5本までとなっていますが、スマホ中毒を解消すると同時に地球の緑化につながるというのは、モチベーションを高めるうえでよくできた仕組みです。
スマホは便利な道具ですが、それによって貴重な時間を失ってしまうのはもったいないです。スマホとの関わり方を見直したい人におすすめです。