風野 又二朗こんにちは!!
東京とL.A.を行ったり来たりしながら、ディレクション、プロデュースの仕事をしています。風野又二朗です。
10月になりました。すっかり、秋めいてきましたね。
さて、先月からリニューアルした、この連載コラムどうでしたか？今、まさにこのコロナ禍の中にあって、エンタメの最前線で働く裏方の人たちにフォーカスするという事で、ドラマ、映画をプロデュースする高石明彦氏に来て頂きました。
リニューアルの１発目、まだ何も型が決まっていない中、連載のゲストを快く引き受けてくださり、貴重なお話を喋って頂いて、高石さんには本当に感謝です。年末にお歳暮を送るのはもちろんの事、もしお子さんの授業参観に高石さんが仕事で行けない日がきたら、風野が代わりに行きますし、キャッチボールだってします、三者面談も行きます。とても感謝しています。本当にありがとうございました。
『普段知ることができない、裏のお話が聞けて嬉しいです』『視聴者に目線が向いていて嬉しい』など反響も頂きました、ありがとうございます。改めて、９月の前後編を読み返してみました。
前編は、若干緊張していまして、風野の悪いクセ【不安や心配な局面にぶつかると、真面目な方に舵を切りがち】が出てしまい、完全にインタビュアーになってしまっていましたが、後編は、風野の良いところ【ユーモアとは、相手を信用するところから始まる】を武器にして、アン・ハサウェイで着地しました。なかなかの対応力と修正力でした。素晴らしい。
しっかりと自己分析をする。一度反省して、最後は自分を肯定する事で、無理にでも未来に希望を持つ。明るい気持ちになる。これは、又二朗メソッドとして、今後いろんな方が取り入れていく事になり「又二朗さん、そのメソッドについて本を出版してください！」というシュプレヒコールが起こると思うので、その時にまた詳しく書きたいと思いますが、今日は是非、“無理にでも未来に希望を持つ”のところだけ、マーカーでチェックしておいてください。
と、ふざけた文章を震えながら書きました(ブルブル)。今日も読んでくれて、ありがとうございます。
引き続き、たくさん反芻しながら、楽しい連載になるように書いていきたいと思います。
先月、黒沢清監督の『スパイの妻』がベネチア国際映画祭で銀獅子を受賞されました。本当にすごい事で、同じ日本人として誇らしいのと、早く観たいな！という気持ちでいっぱいになりました。おめでとうございます。そして、金獅子賞を受賞したのは、クロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』でした。
クロエ・ジャオ監督は、中国出身の映画監督で、その後アメリカに渡り映画監督になりました。2015年に長編監督デビューをしたのですが、２作目『ザ・ライダー』は本当に傑作で、いつかこの映画について書こうと思っていました。
ロデオで大怪我を負い、後遺症に苦しむカウボーイが、医者に止められながらも、もう一度復活するのか。現実と夢と自分のアイデンティティに向き合いながら、葛藤を描いている映画です。
とにかく、カウボーイ役の主人公の馬の捌き、佇まい、息遣い、そこに立っている全ての説得力にすごく圧倒されるんですが、それもそのはず、実際に経験した本人が本人を演じているんです。
というより、ここに出てくる人たちのほとんどが、実在の本人として出演し、芝居をしています。途中から、これはフィクションなのか、ドキュメンタリーなのか訳が分からなくなって、ただただ作品の世界に引きずりこまれていきました。
イーストウッド監督の『15時17分。パリ行き』もまた、実在する本人たちが出演していましたが、本当にすごいですね。どうやって経験がない人たちを、カメラの前で自然に存在させているのか、ドキュメンタリーならまだ分かるんですが、そこで芝居をしている事に本当に驚きました。
『ザ・ライダー』では、大自然の中に馬がいて、空気が美味しくて、旅行で行ったら、こんなところに住んだら悩みなんて吹っ飛びそう！なんて、安易に言ってしまいそうになる素敵な場所で撮影されてます。
でも、そこで起きている事を、あるいは都会よりも残酷かもしれない出来事の数々を、この映画では丁寧に描いていました。ただ、この映画の登場人物たちは、苦しい状況の中で、みんな希望になんとか向かっていっていて、それがずしんと心に残りました。
ぜひ、観てみてください。そして、このあとのクロエ・ジャオ監督の新作は、MARVELシリーズです。え？アメコミのヒーローを？この世界観から？もうびっくりだし期待しかありません。きっと映画はまだまだ自由だし、もっともっと可能性があるのかと思うとワクワクします。
きっと、明日は今日よりも、いい事が起きます。
それでは、又、風の吹く日に。