これまでの『道』を振り返り、これからの『未知』へと踏み出した日-『ON AIR』後編-

アメフラっシのライブはもう見逃すことはできない

ただ楽曲を披露するだけでなく、こうやって導入部にプラスアルファを置くことで、楽曲の世界観へと没入しやすくなる。これもまたコール&レスポンスが難しいコロナ禍でのライブにおいて「魅せる」「聴かせる」ことを主眼においての演出なのだろう。
さらに『フロムレター』の冒頭では愛来が。『メタモルフォーズ』の冒頭では鈴木萌花が、それぞれモノローグを読んだ。2020年に舞台や朗読劇に出演してきた2人だからできる役回り。そういう意味でも、まさに「2020年の集大成」だった。
もちろん、そういった演出がどんなに素晴らしくても、肝心のパフォーマンスの仕上がりがいまひとつだったら本末転倒になってしまう。そのあたりは第1部でなんら心配ないことは実証済みなのだが、驚いたことに、第1部で過去のパフォーマンスを完全に上書きしてみせた、と思っていた楽曲の数々が、ほんの数時間後、この第2部のステージでさらに上質なものとして上書きされていたのだ。
特に印象的だったのは『雑踏の中で』。この楽曲は4人体制がスタートした2019年12月15日、神田明神ホールで初披露されたもの。これはもう個人的な主観になってしまうが、正直、最初のころはあまりピンときていなかった。
いい曲だし、これまでのアメフラっシの楽曲とは色合いが違うので、たしかにセットリストにメリハリがつく。4人にとって「必要なもの」であることはわかっていたのだが、なんかしっくりこないできたのだ。
それがこの日『メタモルフォーズ』のMVで着用した白い衣装をまとい(ステージではこれが初披露となる)、『Interlude-街角の楽団-』ではふたたび傘を持ってのパフォーマンスを演じ、その流れで歌い出した瞬間、もうピン!ときてしまったのである。
きっと、今までは「うまく歌おう」「音程を外さないようにしよう」という部分に気持ちがいってしまっていたのだろうが、もう歌い出す前から曲の世界観がステージ上で構築され、その中にメンバーも入り込んでいるから、曲が、歌詞が、どんどんこちらにも入ってくる。
第1部で聴いたときにも「あぁ、すごく良くなったなぁ〜」と思っていたが、もはやまったくの別次元だ! 数時間でここまで楽曲が化けるとは……こうなってくると「もうアメフラっシのライブはひとつも見逃したくないな」という気持ちになってしまう。
7月の単独配信ライブが終わったあと、愛来は「これが私たちの軸になる、というものがやっと見つかった」と話してくれた。あの日のライブは、MCナシでひたすらカッコよく歌い踊ることに振り切ったもの。それをアメフラっシの基本軸としたことで、これまでもキャッチフレーズとして掲げてきた“変幻自在”の意味がより明確になってきた。
言ってしまえば、この日の第2部は“変幻自在”のオンパレードだった。過去の自分たちの楽曲までも、ここまで新鮮に見せることができるのだから、ブレない軸が定まったことは本当に大きい。
無観客から有観客へ――伝説の幕開けとなる7・18ライブ緊急レポート | WANI BOOKS Newsクランチ!(ニュースクランチ!)
7月18日――アメフラっシ配信ライブの速報を『特別編』として緊急レポートする。のちに語り継がれるであろう伝説の幕開けを、是非ともに体感してほしい!
- 文 :
- 小島 和宏













