7月18日――アメフラっシは、ついにこの日を迎えた。自粛期間中、彼女たちの苦悩や努力を伝えてきた『毎週アメフラっシ!』では、初めての試みとして配信ライブの速報を『特別編』で緊急レポートすることにした。それは応援してくださるファンの皆さんへの、ひとつの恩返しである。のちに語り継がれるであろう伝説の幕開けを、是非ともに体感してほしい。
それぞれが衣装で「2020年夏のアメフラっシ」をアピール
アメフラっシの配信ライブ『Dancing in Ur Roooom!!!!』が7月18日に開催された。6月25日に、ももいろクローバーZの無観客ライブの幕間にゲリラライブを敢行し、かなりの数のお客さんに「見つかった」4人。その後、7月12日に開催された佐々木彩夏の無観客ソロライブ『A-CHANNEL』(あーちゃんねる)にもバックダンサーとして出演するなど、無観客でのステージにおける経験値は着々と積み重ねてきた。
ただ、単独ライブとなると話はまた別である。開演前から会場には緊張感が漂っていたが、その間、生配信の画面ではオープニングとして、小島はながUberEatsの配達員に扮しての、ちょっとシュールな寸劇が映し出される。このギャップもアメフラっシの魅力である。
そして、いよいよ無観客ライブの幕が開いた。
ここで初披露されたのが新衣装だ。赤と黒で構成されているのだが、全員、そのデザインは異なる。詳しくは巻頭に掲載されている写真一覧で確認していただきたいが、グループとしての統一感を出しつつ、それぞれの個性も反映された「2020年夏のアメフラっシ」を体現するようなコスチュームだ。そんな新衣装に身を包み、なんと新曲『メタモルフォ―ズ』でスタートしたライブは、いきなり攻めて、攻めて、攻めまくる怒涛の構成である。
最初のブロックでは、MCなしで「アゲ曲」ばかりを5曲連続でお届けするという、いきなりのハイスパートぶり。「全曲をヘッドセットで歌う」(つまり踊りまくれる)という、彼女たちにとって初の試みを予告していた意味がここにあった。見ている人たちも土曜日のゆったりした夕方から「これはどえらいことが起きているぞ!」という本気モードにひきずりこまれたはずだ。
その後にようやくMCコーナーが挿入されたが、基本的には自己紹介だけで、いつものように脱線することなく次のブロックへ……本編に関しては、このような感じで“いつもと違う私たち”が前面に押し出されたステージとなった。
全体の構成を振り返ると、最初のブロックが「アゲ曲」なら、次のブロックは「魅せる曲」、そして最後は「じっくりと聴かせる曲」と、じつにわかりやすい流れ。フェスや他のアーティストのライブへのゲスト出演では、それらのジャンルから1曲ずつ歌ったら、それにてお役御免になってしまうが、単独ライブなら、それぞれのブロックを徹底的に作り込める。
それがライブ全体のメリハリになるだけでなく「この世界観、どこまで深く掘り下げるのか?」と見ている者の興味を引き続けることもできる。もちろん地力(じりき)がなければグダグダになってしまうのが関の山だが、彼女たちは表に出ることができなかったこの数か月間のあいだに、過去の自分たちを塗りつぶしてしまえるほどの驚異的な力を蓄えていた。
そして「個」にもスポットが当たる。たとえば『ハイ・カラー・ラッシュ』では、市川優月がステージからフロアに降りていき、広い空間で激しいダンスを展開。カメラを独占してデスボイスを響かせまくった。これは無観客だからこそできる演出だ。
ちなみに、ステージの前にはカメラの移動用のレールが敷かれていて、カメラマンしか立ち入ることができなかったので「無人感」はとてつもないものがあった。6月以降の経験値がなかったら、この異様な空気に飲まれて力を出し切れなかったかも……と思うと、6月25日からの流れは本当に神がかっている。
また『雑踏の中で』の導入部では、当サイトに連載中の『毎週アメフラっシ!』内でも予告されていた「小島はなのソロダンス」がたっぷりと披露された。
いままでに見たことのない衣装、歌とダンス、魅力。さらに配信用ライブであることを意識して、ステージ上の照明もかなり凝ったものになっていた。そしてステージ奥のモニターには、曲のイメージに合わせて、さまざまなエフェクトが表示され(たとえば『ミクロコスモス・マクロコスモス』では広大な宇宙空間のような画面)、メンバーの顔がアップになると、その背景と相まって、かなり幻想的な映像に……配信ライブのなんたるかを体感してきた彼女たちだからこそ、この演出も最大限に活きた。
ほぼ歌とダンスだけで完走してしまった本編は、いまのアメフラっシがもはや限界突破寸前であることを見せつけるような、きわめて濃厚な1時間だった(ちなみにこの日の模様を収録したBlu-rayがリリースされることが急きょ、決定! 詳細はあらためてお伝えする)。
一転して、ふたたび寸劇ムービーがスタート。アンコールを煽るフリから「手をアルコールで消毒する」という脱力感満載の映像へと、本編とはガラリと空気を変えた『グロウアップ・マイ・ハート体操』(おうちじかんでの運動不足を解消するため、STAY HOME期間中に配信されたスペシャルエクササイズ)、そして「ここからはいつもの私たちでいいんですよね?」という市川優月のひとことから、ふにゃっとしたトークへと突入(衣装も、この日から発売となったアメフラっシTシャツの黒バージョンにチェンジ)。ある意味で“らしさ”も出してくれた。
そして『明後日の方向へ走れ』で大団円……かと思いつつ、ここから先はメンバーにも伝えられていなかったサプライズが仕込まれていた。
UberEatsの配達員に扮した振り付けのAnna先生が運んできてくれたのは「次回ライブのおしらせ」だった。すでに「8月15日にも配信ライブがある」とメンバーには伝えられていたのだが、なんと、それが「有観客ライブ」となり、しかも場所はアメフラっシの単独ライブ史上最大の会場となる『日テレらんらんホール』(よみうりランド)だ。
詳細は現段階では未定だが、会場の特性から換気にも適しており、客席内でのソーシャルディスタンスも確実に保てるので、現状ではベストチョイスとしかいいようがない。
最高のサプライズ発表にメンバーの涙腺も崩壊。このご時勢に嬉し涙が流せるなんて、どんなに幸せなことか!
無観客から有観客へ。
8月15日、アメフラっシの大きすぎる「次なる一歩」が踏み出される。
初めての試みとなったライブ速報では、主に衣装や構成について詳しくお伝えしたが、毎週火曜日更新の通常連載では、この日の舞台裏話を2週(7月21日と28日)にわたってレポートする。本連載でしか見られない内容なので、そちらもお見逃しなくチェックしてほしい。
『毎週アメフラっシ!』は次回7/21(火)更新予定です、お楽しみに。
※今後のコロナの感染拡大状況次第で、8月15日のライブは内容が変更となる場合があります。
作詞・作曲・編曲:藤田卓也
■バカップルになりたい!
作詞:桑原永江/作曲・編曲:松浦雄太
<配信サイト一覧>
https://ssm.lnk.to/AMEFURASSHISpecialEditionVol7
■「メタモルフォーズ」
作詞:MEG.ME/作曲・編曲:R・O・N
https://ssm.lnk.to/amefurasshi