「連絡先を交換しない?」スリムクラブ内間さんの口から飛び出した衝撃のひとこと!

ついに迎えたプレゼンの日に待ち構えていた運命とは!?
そして来たるプレゼン大会当日。順番通り座った席は、再び内間さんの隣だった。しかも反対の隣には、同期のすぐる画伯が座った。これ以上ないくらいに、安心感のあるポジションだ。始まるまでのあいだは、2人と話しながら待っていた。すぐるは、養成所の頃から絵を書くのが得意だった。今回は絵本をプレゼンするとのこと。
そうこうしているうちに、前のホワイトボードに、順番が発表された。すぐるはトップバッター。僕は10番目だった。参加人数は33人。持ち時間は10分。最初の3分で出版社の人たちが資料を読んで、次の3分でプレゼンをする。資料にはプロフィールと、書きたい本の序盤が書いてある。最後の4分は質問タイム。
すぐるのプレゼンが始まった。堂々としている。内容もわかりやすい。最後の質問タイムでは、数人から手が挙がって、見事なプレゼンを終えた。このあとも次から次に参加者がプレゼンをして、5番目の人が終わったあとで、休憩が与えられた。僕とすぐるは外に出て、コンビニに行った。
「手挙がるといいな」
「そうだね!2 人とも出版したら、飲みに行こ! で、机の上に本置いて写真撮ろう」
今まで何かに熱くなったことはなかった。学生時代も、部活には入っていたが、サボって行っていなかった。遅れてきた青春を、取り戻しているような感覚だった。休憩から戻って席に着こうとしたら、養成所の頃に、全体を取り仕切っていたスタッフの方とバッタリ会った。
「お久しぶりです! たぶんわからないと思いますけど、22期の福田です」
「え! 本当!? ごめん。ちょっとわかんないけと、頑張って! 吉本のスタッフに言っておくから」
うれしかった。すぐるも卒業後、お世話になっていたらしい。当時は何も結果は残せなかったが、今日は勇姿を見せられる。休憩が終わって、プレゼン大会が再開した。出番が近づくにつれて、心臓の鼓動が早くなる。1人1人終わっていくなか、他人のプレゼンが輝いて見えて仕方がなかった。
自分はあんなに上手く話せるだろうか。イメージトレーニングをしたほうがいいのか。ぶっつけ本番でやったほうがいいのか。そんなことを考えていたら、答えが出る前に自分の番が回ってきた。出版社の人たちが、資料に目を通している時間は、地獄の3分だった。胃液と共に、心臓が飛び出る寸前だ。
「それでは福田さん。プレゼンをお願いします」
ここからは、何を喋ったかすら覚えていない。というよりも、話しながら自分でも何を言っているかわからなかった。ただ伝えたいことは、全て伝えるように努力をした。人生を賭けた3分間が終わった。ここからは、4分間の質問タイム。このときは、手が挙がるだけで満足だった。質問にはできるだけ簡潔に、ストレートに答えることを心がけた。
「福田さん、ありがとうございました」
全身の力が抜けた。布団を敷いて寝ても不合格にならないなら、そうしたかったくらいだ。33人×10分のプレゼン大会が終了。そのあとに待ち受けていたのは、審査タイム。約20社の出版社が、1位から5位までを発表する。それに加えて『気になる人』という特別枠も設けられていた。
審査員の人たちが熟考しているなか、僕たちは食事休憩に入った。この世界で活動してきて、食事を支給されたのは初めてだ。気分は芸能人。この状態を当たり前にしなければならない。そうこうしていると、休憩時間は終了。運命の時がやってきた。
「福田健悟さん」
トップバッターの出版社から、いちばん最初に名前を呼ばれたのは僕だった。
「45」は、次回7/15(金)に更新予定です。お楽しみに!!
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