反省第21回「前歯4本失ったら、歯医者まで夜逃げした話」
お布団で反省文
ぱーてぃーちゃん・すがちゃん最高No.1、はじめてのエッセイ連載。日常の小さなクヨクヨを綴った、布団の中で書いた反省文。

「なんだこれ?夢?」
大男頭突き事件から1週間後。
残業が長引いて、終電で最寄駅に着く。
すると駅前のロータリーでなにやら、人が揉めてる声が聞こえる。
60代くらいのおじさん同士がワンカップ片手に胸ぐらを掴み合っていたのだ。
今思うとすぐ警察に通報すれば良かったのだけど、直近で警察に嫌な態度を取られた経験と、揉め事から2人と、そして2人の歯を救ってやらねばという熱い正義感が発動してしまった。
「ちょっと何してるんですか!やめましょう!」
2人を引き離そうと間に入ったのだけど、おじさん2人はベロベロで足元がおぼつかない。
3人でフラフラと掴み合っていると、
「ちょっと!大丈夫ですか!」
それを見かけた30代くらいのサラリーマンが、若者とおじさん3人が掴み合いの喧嘩をしてると思い、さらに1人止めに入ってきた。
しかし、そのサラリーマンもお酒が入っていてフラフラの男が1人追加されただけで、4人で掴み合いながら満員電車に揺られているような状態になった。
てんやわんやしていると最後に助けに入ったサラリーマンの肘がオレの顔に当たった。
オレが痛みで体勢を崩すとそのまま全員で地面に雪崩れ込むように転んだ。
「痛ぇー、ちょっと大丈夫ですか?」
それぞれ起き上がり顔を見合わせると、なぜかオレ以外の3人で爆笑していた。
前歯を確認すると、差し歯が取れて更に3本目の前歯も折れていたのだ。
「なんだよ兄ちゃん男前が台無しじゃないガハハハハ」
と笑いながらそれぞれ散り散りにいなくなっていく。
「なんだこれ?夢?」
何がなんだか分からず、とりあえず無事3本目の前歯を失った。
ただ、これで終わりではない。
それから約1ヶ月後。
もう流石に割愛させてもらいますが、また3本目に近いシュチュエーションで、居酒屋さんのキャッチをしていた女の子が酔っ払いのおじさんに絡まれていたので、仲裁に入った所で4本目の前歯が失われる事件が起きた。
こうしてとんでもないスピードで前歯を4本を失う事になった。
おいおいすがちゃん。
流石にこれはちょっと盛ってるんじゃないかい?と思うかもしれません。
わかりますよ。
そんなハリーポッターみたいなスピードでシリーズが展開される訳ないじゃないかと。
だからあまりにも嘘みたいな出来事なので、あまりエピソードとして語ってこなかった。
これ本当なの。本当に。
本当だって!
むしろちょっと弱めるくらい。
ただね。
まだオレの前歯の悲劇はまだ終わってない。
一旦歯がどんな状態だったのかと説明すると、失った歯が隣接した前歯4本だったので、4本が連結した入れ歯のような差し歯をはめている状態でした。
とんでもないスピード感で歯が無くなるので、行きつけの歯医者さんにも
「格闘技でもやってるの?」
と聞かれました。
なんとなくそっちの方が説明も早いしカッコいいので、
「まあそんな感じですね」
とボクシングやってますみたいな雰囲気だけにしておきました。
そして、1番の問題は前歯を治すにはとてもお金がかかります。
前歯4本の歯を作るとなると、安い物にしても何十万とかかる。
歯を作るのにも時間もかかるので、まず最初に頭金で20万ほど払い、後は歯が出来てからローンで支払う事になりました。
それから1ヶ月後。
検診のために予約した時間通りに歯医者さんに到着して、扉を開けようとしても鍵がかかっていて開かない。
変だなと思い扉をよく見ると、貼り紙がある。
手書きで書かれている文を読んで見る。
「院長が夜逃げしてしまい、経営が難しくなってしまいました。」
え?
マジかよ?
ん?
オレの前歯返せよ。
頭金払ってるんだぞ。
てかなんだよ歯の頭金て。
歯なのか頭なのかどっちだよ。
起きたことが受け止められず
全く思考がまとまらず、しばらく立ち尽くす。
なにこれ?
は?
続く。
次回、反省第22回は11月20日(金)更新予定です。お楽しみに!!





