お笑い芸人になるための第一歩。初舞台の漫才を完全再現!

夢に向かって走り出す…はずが大きな壁にぶつかる
反応はまずまずだった。久しぶりに感じた笑いの感覚。なにより楽しかった。やっぱり自分には向いてるんだ。プロになりたい。だが水谷さんは芸人ではない。かといって、他にコンビを組めそうな相方も見つからなかった。こうなったら、1人でやるしかない。
ネットで調べたら、岐阜でやっているライブが見つかった。出演希望の旨をメールすると、承諾の返信が返ってきた。ネタは前回の忘年会でやった漫才を、1人用に再編。2人でやった時にウケたんだから、1人でやっても問題はない。そんな軽い気持ちで舞台に立ったが、結果は最悪だった。
このライブは、月に1回のペースで開催されていた。2回目も3回目も同じネタで挑戦をしたが、クスリとも笑いは起きなかった。何がダメなのかわからない。4度目に出演したとき、先輩芸人さんに相談をした。
「僕のネタって何がダメなんでしょうか?」
「あれって舞台でやるの初めて?」
「いえ2回目です」
「やっぱりね。1回目はウケたでしょ?」
「はい」
「あのネタってさ、森を守りたいっていうメッセージが入ってるじゃん? そういう気持ちを持った人たちの前だったらウケると思うけど、他の人たちの前でやると、真面目な印象しか持たれないと思うんだよね」
真面目さが、笑いには邪魔になる。野口徹朗も言っていた。江頭さんから学んだと思っていたが、理解できていなかった。大切なことを伝えたいという気持ちに、人を笑わせたいという気持ちが負けていたのだ。世の中のために何かをするのは、自分が有名になってからでいい。今は笑いを優先させるべきだ。思いの丈を水谷さんに伝えた。
「ボランティア関連の取材は、断らせていただこうかと思ってます」
「わかった。健ちゃんがそうしたいなら、そうしよ」
せっかく紹介してくれたのに申し訳ないことをした。水谷さんは、知り合いのメディア関係の人たちに断りを入れてくれた。
翌月のライブでは、試しにドラゴンボールのネタをやってみた。結果は、癒やしの空間にいるのかと思うくらい、静まり返った。舞台終わりに、先輩がアドバイスをしてくれた。
「ターゲットは狭いだろうけど、ネタは悪くないと思うよ。ただ、漫才は2人でやるもんだから、1人用に作り変えても難しいんじゃないかな?」
ネタは悪くない? ちょっとした褒め言葉を聞き逃しはしない。つまり、僕には漫才が向いているということだ。やっぱり相方を見つけないといけない。前回も探したが、見つからなかった。なんとかして見つけたい。そう思っていた時に、1本の電話がかかってきた。電話の相手は、高崎だった。
「45」は、次回3/18(金)に更新予定です。お楽しみに!!
「引いてはいけない」福田健悟が不良グループに入って覚悟したこと | 「45」 | WANI BOOKS Newsクランチ!(ニュースクランチ!)
お笑い芸人・福田健悟が綴る、自伝的ファンタジー小説。地元で最大の不良グループ「ギャングイーグル」に加入した福田。待ち受けていたのは厳しいルールとしきたりだった。








