「読めば痩せる!?」笑えるダイエットストーリー第10話。
ついに…最小値更新!?の巻。
《第10話》「“ある予感”がした女の末路」
その日、目覚めてすぐ、
ある予感がした。
これは、間違いない。
私は、そんな“ある予感”を抱えつつ
「あー、会社行きたくない。あー、会社行きたくない。あー、会社行きたくない」
と、いつも通り唱えつつ、起き上がる。
ここ最近、なんだかんだと上司からの頼まれ仕事が多く、疲れている。
仕事の疲れと比例するように、部屋が汚くなるこの現象に名前をつけたい。
日に日にフローリングに転がる靴下の数が増えていく。
そんな靴下にため息をつきつつ、決して片付けることはなく、いつも通り洗面所に向かう。
洗面所で顔を洗い、一息つく。と、そこには体重計がある。最近は毎朝体重計に乗ることを習慣付けている。
私の体重計は、乗ると“ピッ” と音が鳴るデジタルの体重計。
デジタルの体重計は、床が傾いていたり不安定なところで測ると正しく表示されないから、体重計をフローリングの床に移動させて体重を測る。
“ピッ”
「ッシャァ!」
痩せたっ。
予感的中。
体重最小値更新。
もう間違いない。
私は調子がいい。
最近、すこぶるダイエットの調子がいい。
どれくらい調子がいいかというと、160キロの豪速球を投げる大谷翔平くんが
「今日なんか180キロ出ちゃったわ。てへっ」って時くらい調子がいい。
そんな時はない。でもそんなあり得ないことが起こるくらい調子がいい。
今日は昨日より0.5キロも落ちて、ここ3週間ほどで体重マイナス1.5キロ。うぇーーい。
「あ、今日体重の最小値出るんじゃないかな?」って予感的中。うぇーーい(この予感は、外れることの方が多い。けど今日は当たる気がしてた。だって調子いいから)。
私は、嬉しさのあまりサザエさんのオープニングのタマくらい腰を振って踊った。
うぇーーい(あり得ないほどの調子の乗り方)。
これで10キロ痩せるって言い出してから、3.5キロも痩せた!
…………
いやね、わかってますよ。まだ半分にも到達してないってことくらい。
調子に乗ってる割にまだ半分も落ちてないってことくらいね。
でもですよ!
でも、これは完全に掴んだ。確実に痩せてるんだもの。
もはや痩せのコツを掴んだとしか言いようがないんだもの。
あー、もうあと6.5キロとか楽勝だわ、これ。
てかもうダイエットとか楽勝だわ。楽勝は嘘だわ。
でも、行ける気しかしないわ。うぇーーい。
完全に調子に乗っている私。
まあ、あんまり調子に乗ってると、いつものパターンでしっぺ返しを喰らうからあんまり調子に乗らない方がいいことはわかってる。でも痩せてるから調子に乗っちゃう。
うぇーーい。
さあ、あと6.5キロ!
G・A・N・B・A!
ガンバ!! ワタシ!!

H・A・R・A!
出せる、腹じゃ、ナイだろぉぉ!!