ネオンがまぶしく輝く新宿・歌舞伎町。そんな歌舞伎町にあるホストクラブ『Blue Rose』で代表を務める天使ニア。彼女は年間売り上げ3億円を誇る売れっ子ジェンダーレスホストだ。そんな彼女がホストになるまでの道のりや9月に発売された1st&ラスト写真集についてNewsクランチがインタビューした。
元気のよさで学級委員に選ばれました(笑)
――現在、ホストとして売れっ子の天使さんですが、幼少期はどんなお子さんでしたか?
天使ニア(以下、天使):小学生らしく元気に真面目に学校に通っていました。休み時間は教室にいるより校庭に出て遊んでいましたし、小学校4年生からはバスケットボール部に入りました。
――天使さんは現在ホストクラブ『Blue Rose』の代表を務めていますが、学生時代から人を束ねるポジションだったのでしょうか?
天使:学級委員はやったことはありますね。ただ、小学生とか中学生の時って、人を束ねるのが上手いとかじゃなく、元気があったり、友達が多い人が選ばれる感じってあるじゃないですか? なので、元気で選ばれた学級委員でした(笑)。
――人望があったからこそ選ばれていたんだと思います! 現在お仕事されている「ホスト」についても聞かせてください。そもそもホストに興味を持ったきっかけってなんでしたか?
天使:大学卒業後、TV番組制作会社に就職しました。退職後はコンカフェや男装アイドルとして働いていました。コンカフェって上限というか限界点みたいなものがあって。それはお給料であったり、売り上げであったり。僕はお店の中で一番売り上げを立てていたのですが、そういう世界の中でもっと上の人たちと戦いたいと思った時に、頭に浮かんだのがホストというお仕事でした。
自分の常識が壊される感覚だった新人時代
――ホストは如実に売り上げなどが数字として表れる世界ですよね。そうしてホスト業界へ足を踏み入れたわけですが、働き始めた頃に印象に残っている出来事はありますか?
天使:今はホストもクリーンな世界になってきていますが、僕が働き始めた4年前くらいは少しダーティーな部分も残っている時代で……本当に異世界でした。最初にヘルプについた先輩の卓で、先輩が姫にひどいことをしている光景を目にしてしまったんです。でも、ヘルプという立場はそれを止めることが許されないんです。その時は「こんな仕事、やっていられない」と本気で辞めようと思いました。
その後、ひどいことをされた姫がまた普通に来店するんです。話を聞いたら「好きだから、あのくらいじゃ嫌いにならないよ」と言っていて。これまでの自分の常識が壊される感覚でした。
――少し世間の常識とは違う世界なのですね。ホストはほとんど男性ということもあり、男性社会に飛び込んだわけですが、苦労した点はありますか?
天使:正直、まったくなくて。最初に入ったお店の先輩たちがみんなすごく優しかったんです。性別関係なく仲間として接してくれたのもあって、スッと溶け込んでいけたかなと思います。
――現在は業界初の女性代表としてお店の管理をされています。代表になって感じることは?
天使:僕は誰かの上に立つのが向いていないので、お店の代表という部分だけで言えば、楽しいよりしんどい部分が多いです。でも「代表がいるからこのお店で働いている」と言ってくれる子がいるので、それに関してはすごく嬉しいですね。
――代表として考える「理想のホストクラブ」はどんなお店でしょうか?
天使:さっき少しお話しましたが、クリーンな世界になってきたとはいえ、まだまだ夜の世界ならではの黒い部分ってあるんです。でも、僕はそういう部分は一切ないきれいな店にしたいと思っています。そして、女の子が安心して楽しめる店が理想です。
――天使さんへの密着動画なども拝見して、女の子たちへの心遣いを感じたのですが、接客で心掛けていることは?
天使:女の子たちの反応や表情を見て、本音を汲み取ることは意識しています。言葉と気持ちが違う子って結構多いので、表情や仕草を見ながら「本当はこう思っているんだろうな」と感じ取るようにしています。