田中先生がこだわる女性のつなぎ目!?

――魅力的な女性キャラが多いですが、田中先生のこだわりなどありますでしょうか?

田中 こだわりはやっぱり、触ったらプクプクと柔らかそうな感じや、節々の膨らみとかですかね。

――節々の膨らみとは、どんな感じのことですか?

田中 股下の太ももと……(指で宙に股下の絵を描いている)、付け根とかあるじゃないですか。

――ん? ここら辺の…(画面にインゴシマ7巻の茜ちゃんの股下を指さす)感じですかね?

▲『インゴシマ』7巻

(謎の股下確認が画面越しに続く…)

田中 そうですね、そこです(笑)。そこら辺のつなぎ目が、すっごく難しくて、そこを極めるのに、めちゃくちゃ時間がかかりました(笑)。

――なるほど~。田中先生の強いこだわりを感じます。

田中 それと……お尻ですかね。女性のお尻は、とても芸術的な曲線美なんですよ。これを描くのが本当に難しいですね。なので常に追求・探求している感じです。あとは、おっぱいと乳首の膨らみも、すごい芸術的なんですよ。肉と肉のつなぎ目が、本当に神、すっげぇなって思ってます(笑)。

――あ、アツい…。おっぱいと乳首のつなぎ目って初めて聞きました。

田中 いやホント、そこのつなぎ目はすごく難しいんですよ(笑)。膨らみと膨らみを描かなければ、いけないんですけど。へこませちゃいけないって部分が、めちゃくちゃ大変で。

――膨らみと膨らみですか…。ふ、深いですね。野上さんは担当編集として、そこは熟知している感じですよね?

MB野上 そこは完全に田中先生にお任せですね(笑)。むしろ僕が最初の読者として一番楽しませてもらっているところかもしれません(笑)。女の子の描き方で、僕からアドバイスをしたことは一回もないですが、インゴシマの女性キャラは体形のバリエーションも多くて、瘦せ型だったり、ふくよかだったりと、いろいろなタイプのキャラを出していただいているので、それだけで担当編集としてありがとうございます! という感じです。

田中 乳首の形にも個性を持たせている感じです(笑)。

――たしかに、クイズとして出題したいぐらいにそれぞれ個性がありますね。

田中 たま~に間違えたりもしますけど(笑)。

――一番描いていて楽しい女性キャラなどいますか?

田中 アキラやジウベエとかかなぁ~。

――色っぽいけど、アクションがすごい、動ける女性キャラですよね。意外と筋肉もすごそう。

田中 筋肉好きだからかな~(笑)。

――筋肉といえば、インゴシマ男性キャラに妙な色気を感じるのですが、男性キャラへのこだわりはありますか?

田中 もちろんあります。男性キャラは後ろ姿が一番こだわってますね、特にお尻なんですよ。

――お尻!?

田中 男性キャラって、背中もカッコよく描くんですけど、一番気をつけて描くのは、お尻の筋肉なんです。お尻の膨らみから……ガッっとエクボができる部分とか、背骨あたりにあるY字のラインを入れたりとか。筋肉の流れなど、そのあたりをこだわって描いていると、めちゃくちゃエロい。一部の人が喜んでもらえる感じになるんですよね、たぶん。期待に答えたいところですよ(笑)。

▲『インゴシマ』第44話より ©田中克樹・天下雌子/マンガボックス/ワニブックス

――同じ筋肉でも、アレックスと若林先生でも違いますよね?

田中 そうですね、やってきたスポーツとかでも筋肉の付き方が違うと思うし、アレックスは軍人として鍛え上げられた筋肉、若林先生は柔道をやっている筋肉なんだろうなと思いながら描いていますね。

――2人の筋肉の違いを見直したくなります。ちなみに、インゴシマはどういった流れで制作されているんでしょうか?

MB野上 おおもとのベースになっているのは天下雌子先生の原案ですが、それをもとに田中さんにアイディアを膨らませていただいて、大まかな物語の流れとして、田中さんと僕の間で共有できているものがあります。そこから各話ごとに、田中さんにシナリオ&ネームを起こしてもらっています。あまりネームや作画段階で直してもらうということはないですね。マンガの担当編集者としては、とても楽をさせてもらっている作品だと思います(笑)。

田中 野上さんからは、シナリオについて、もっと会話シーンを入れてはどうか、という要望をもらったりすることはあるんです。例えば、アレックスとジウベエの会話とか。ただ、会話だけではマンガは楽しめませんから、魅力的なラブシーンを入れたり、バトルの演出を入れたりしています。

――なるほど。ちなみに9巻までで、物語としてどのぐらい進んでいる感じでしょうか?

田中 最初に想定していた「第1部」まででいうと、現時点で半分いっているかどうか? ぐらいですかね。

――めちゃくちゃ大河なドラマになりそうな予感ですね。

田中 まだストーリー的には1週間経っているかどうかですからね(笑)。

――まだまだインゴシマを楽しめる感じですね(笑)。スピンオフの『カムゴロシ』もマンガボックスさんで連載が始まったので、さらにインゴシマワールドが深まりますね。

田中 僕のイメージ的には『インゴシマ』シリーズとして、あと5本ぐらいあっても良いかと思ってます(笑)。

――おーー! パワフルですね。累計100万部記念ということで、担当編集である野上さんから田中先生への“お願い”はありますか?

MB野上 作品に関しては全くないですが、あるとしたらスケジュール管理ですかね……。締め切りの日時としては、なるべく現実的なものを設定していただきたいという感じです(笑)。どうしても間に合わないときは、事前に言っていただければ調整できますので。

田中 間に合わなくても、なんとかなるんだ……とわかってから、ちゃんと言うようになりました(笑)。

――田中先生から野上さんへ言いたいことなどはありますか?

田中 言いたいこと……たぶん、そのうち原稿料が上がることを信じてますから(笑)。

MB野上 …………(画面の奥で意味深な笑み)

▲優し気な眼差しで微笑む、担当の野上氏