アーティストでもあり俳優でもある高野洸が、対談を通してアートの世界に触れ、表現を学ぶ連載「お訪ねアトリエ」。

第7回のゲストは三ツ目重工のSRIMIN(すりみん)さんです。

 

アクリルカット+3Dプリントで可愛く、かつオリジナリティあふれる雑貨やアクセサリーなど、なんでも作れてしまう不思議なマルチクリエイター、三ツ目重工のSRIMINさん。

そんな三ツ目重工のSRIMINさんに、具体的な作品の作り方から今後のヴィジョンまでたっぷりお話しを聞かせていただきました。

現在のスタイルの原点

高野:僕が最初に三ツ目重工さんの作品のことを知ったのはXで情報が回ってきて。興味を持ってインスタに飛んだら、もう本当に作られている作品が全部可愛くて。すごいなと思いながら、いつか個展とかお邪魔したいなと思っていたんで。今回対談できることになって本当にうれしいです。

SRIMIN:ありがとうございます。

高野:いつごろから、今のスタイルというか、その物作りの形になったんですか。

SRIMIN:今のスタイルになったのは、僕が就職してから会社員をして、今も兼業でやっているんですけど。デザイン業をやっている中で、やっぱり1年目とか2年目とか、好きなことをできないじゃないですか。なので自分の好きなことをやってみたいなって思って始めたのがきっかけですね。もう15年前くらいとかになりますかね。

高野:就職された仕事内容もデザイン関係だったんですか?

SRIMIN:当時はデザイン業でした。今はちょっと違って事務っぽいことをしながら、リモートでやりつつ、物作りもしている状態です。

高野:15年前は自宅で3Dプリンターとかは使われてないですよね。

SRIMIN:そうですね。この頃は外部委託で3Dプリント出力をしていただき作品制作をしていました。今日はその辺が分かるような資料を持ってきましたので一緒に見て頂けたら嬉しいです。

高野:ありがとうございます。(写真を見て)すごくかわいいいですね。

 

SRIMIN:『家猫』っていうシリーズを作って。家が頭になっている猫みたいな。

高野:これが昔の作品なんですか?

SRIMIN:ちょうどそのころは3Dプリンターのまだ黎明期で。今ほどきれいなものは作れないんですけど、ちょっと風合いのあるものというか。で、こんな感じで。風景と一緒に写真を撮ったりとか、当時あまりやっている人がいないような見せ方、デザイン的なアプローチをして。フィギュアを売っていた時代がありました。

高野:ここから今のような作品に至る過程はどんな感じで進んで行かれたんですか?

SRIMIN:この当時はまだ三ツ目重工って名前ではなくて別の団体名だった時のやつなんですけど。これをやっているうちに、外注していた3Dプリンターのところが「もうやらないよ」っていう話になって……。3Dプリンター使えないじゃん! ってなった時に自分ができる立体って言ったらペーパークラフトかな、っていう時代がありまして。これ紙でできているんですけど、うさぎの車みたいなやつとか、可愛い戦車みたいなやつとか。こういうのを作っていた時代があるんですよ。

 

で、これを緻密に作りたくて。緻密に作るためにはレーザー加工機が必要で、紙でも1ミリ以下とかで切れるんで。なので、それでレーザー加工機を導入したら、アクリルが切れるってことに気付いて、アクリルを切ってバッジみたいな雑貨や今で言うアクリルスタンドフィギュアのようなものを作っていったりしていました。

高野:これってデータを事前に入力するんですか? ピクセル風に?

SRIMINほとんどAdobe Illustratorでできています。

高野:それを指示通りにやってくれるんですね。すごい!

SRIMIN:こんな感じでやっていて。それをデザインフェスタとかで売ったりしているうちに。今度はアクリルを積層して階層を作ったらいいんじゃないか、となって。

 

高野:さらにすごいです! それが最近の作品のスタイルになっているってことなんですね。今使用されているのは3Dプリンターだけですか?

SRIMIN:アクリルも使っています。3Dプリントの部品とアクリルの部品が両立してるって感じですね。

高野:可愛い。どの作品も全部可愛いですね! 繊細だし3Dプリンター感とかないですよね。

SRIMIN:今のプリンターはやっぱり性能が良くなってきて積層の感じとかもナチュラルに見せられるようになりましたね。

高野:これがもう全てご自宅で作れるってことですよね?

SRIMIN:今はそうです。

高野:魔法使いですね、本当に! 触ってもいいですか。

 

SURIMIN:どうぞ、どうぞ。

高野:あ、でも軽いですね。見た目は重そうに感じたんですけど。

 

でもこことか付属のパーツは別で使われていて。アクリルなんだけどフィギュアっぽいというか、チャームっぽいというか。いやー、可愛いですね。さらにはどれも高級感ありますね。おしゃれ! 制作時間は結構かかるんですか?

SRIMIN:制作時間はそんなにかからないかもしれないですね。データ作るのは多分1週間もあれば出来ちゃうと思います。あとは3Dプリンターとレーザー加工機に任せて。最後に組み立てをするっていう感じです。

高野:それも他にもお仕事されながらってことですもんね。すごいですね。

SRIMIN:アクリルも切れるし3Dプリンターで立体も作れるので。他の人がなかなか作らないような雑貨を作りたいなと思ってやっている状況ですかね。

高野:アクリルと3Dプリンターの素材ってどんな感じなんですか? 

SRIMIN:アクリル加工の場合はアクリル板を買ってきて、それを加工機にのせてレーザーで切るって感じですね。3Dプリントの場合は専用のプラスチックを溶かして形にしているって感じです。

なんかこう歯磨き粉をチューブから出す感じってあるじゃないですか。あれの超細い版だと思ってもらえれば。それをずっとニュルニュル、ニュルニュル。

高野:面白いですね。そうやって形ができていくんですね。3Dプリンターで作れない形とかっていうものもあるんですか?

SRIMIN:やっぱり苦手なことっていうのも結構あって。半円状で逆さプリンみたいになっている状態って苦手なんですよね。下の接地面が少なくて半球状に立っているデザインとか。いろんな理由で素材が垂れてきちゃったりとかあるんですよね。なるべくそういう形状を使わずにおしゃれに見せるやり方とか3Dプリンターで設計する上でのデザインを考えたりとかしていますね。1つのパーツで作るんじゃなくて、前後で分かれていたりとかします。それを組み合わせる感じで。

高野:すごい! これが自宅で作れるっていうのはちょっと想像つかないです。どっかの巨大な工場に行かないと作れないんじゃないかと思いますね。

SRIMIN:作れる時代になりましたね。

高野:なんか想像つきません。これなんかはアクリル切るだけじゃなくて、白も入れているじゃないですか。

SRIMIN:これは後から手加工で入れられるんです。レーザーでアクリルを掘るっていうこともできるんで、そこに色を入れています。

高野:どの作品も部屋に並べとくだけでもかわいいですね。お気に入りのバッグにつけたりとかも。

SRIMIN:僕自身、結構ミニチュアが好きで。なので、ちょっと現実にあるものとか概念とかをミニチュア化したりとかしていますね

高野:すごいですよね。それに目をつけるというか。そういうアイディアとかはどこから?

SRIMIN:いつかやりたいなみたいな、一応そのネタ帳みたいなのがあって。それを組み合わせてみたいな感じでやっていますね。