「テッペンが獲れる」から松竹芸能へ
高校を出てから数年はギャンブルにハマっていました。
週に6日は朝から晩までパチンコ。
どこの店が出るかとか、イベントばかり気にしていた結果、借金が200万円くらいになって「このままだとあかん!」と一念発起して、借金を返すためバイトを掛け持ちしました。
根が真面目なので、1年間バイトに没頭して借金を見事に返済しました。手元には余った20万円、その時、ふと「昔から芸人になりたかったよな」って思ったんです。
吉本ではなく松竹芸能に入ったのは「ここならテッペン獲れる!」と勘違いしたからです(笑)。もちろん、みんな面白い先輩ばかりで、アットホームな雰囲気が居心地よくてね。結局7年くらい在籍していました。
賞レースで評価されるようになってくると、どんどん自信がついて天狗になるんですよ。周囲の芸人からもすごい評価をもらっているのに、たいした給料ももらえない。不満に思っていたんですね。事務所を飛び出して、東京に向かったのが2012年のことでした。
東京に出てきても、そんなに仕事はなかったけれど、楽しかったですね。毎日合コンに飲み会三味。キャンパスライフもなかったから「ようやく俺の青春が始まった!」ってね(笑)。
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五反田にある『ばん』は、上京した頃からずっと通っている焼きとん屋さんです。とにかく安いしうまい。財布に余裕があるわけじゃなかったけど、会計のたびに「安っ!」って言ってしまうほど、お手頃価格なんです。
じつは、僕は下戸で酒が飲めないんですけど、誰よりも酒の席を楽しんでしまう。寂しがり屋だから、みんなが楽しそうにしている光景が大好き。この店で、芸人仲間と他愛もない話をするのが楽しかったんです。
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目標は “気がついたらテレビに出ている人”になりたいですね。賞レースで優勝したわけでもなく、すごい特技があるわけでもないのに、いつも番組に呼ばれる人っていますよね。
「あいつは面白いやつ」。目立たなくても、潜在的に多くの人からそう思われる芸人になりたいですね。
※本記事は『週刊実話2020年5月21日号』(©日本ジャーナル出版)に掲載された内容を転載編集したものです。
『芸人下積みメシ』は、次回7/9(金)更新予定です。お楽しみに!!
■もつ焼きばん 五反田
住所:東京都品川区東五反田1-12-9イルヴァーレ五反田ビル1F
電話:03-3473-808
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。
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