新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない昨今ですが、観光・飲食業界の方々は、涙ぐましいまでの感染対策を徹底しています。そんな頑張っている皆さんを少しでも応援できれば……との思いから、各地の絶品グルメを紹介していこうと思います。一人一人が「三密」を避けるなど対策を講じながら、素晴らしい旅の時間を満喫しましょう!

店頭に掲げられた大きな「のどぐろ」が食欲をそそる

はじめまして。私は、1GAMEてつさんのオンラインサロン『遊び人ギルド』のメンバーでmocci(もっち)と申します。私の趣味は旅行と食事ですが、本年のコロナ禍においては、旅行を心の底から楽しめない状況が続いており、私を今まで楽しませてくれた、観光・飲食の業界の方の苦しみは測りかねないものがあります。

Withコロナの時代に、観光・飲食業界が少しずつでも元気になれるようにという思いで、記事を書かせていただきます。

今回の旅は家内と一緒に、神在月(10月)の出雲大社へ。ANAを利用しため、空港は米子空港となりました。出雲大社からは少し離れているもの、のんびりとバスや電車で宍道湖を見ながら移動するのも楽しみ。そこでホテルは松江に取ることにしました。空港と出雲大社のちょうど中間にあり、現存12天守の一つ国宝・松江城も魅力的だったからです。

そんな松江で、温かい雰囲気の居酒屋に出会えたので、今回紹介させていただきたいと思います。“諸国お勝手料理”と自称する、そのお店の名は『根っこ』さん。地元で取れる食材を中心に提供してくれる居酒屋です。

お店のウリは何と言っても「のどぐろ」! 店先に掲げられた、のぼりを見ただけでお腹がすいてきてしまう破壊力。松江駅南口から徒歩1分と抜群のロケーションも観光客にとっては魅力です。

“おでん大好き静岡県民”をも唸らせた「やさしいおでん」

予約の名前を伝えると「よくいらっしゃいました」と温かく出迎えていただきました。入店の際に検温してくれたのですが、うまく私の体温が測れず、悪戦苦闘する間も「あれ、奥様はうまく測れたのに……」など優しく声をかけてくださり、まるで親戚の家に来たかのような雰囲気に包まれました。

「お二階の方へどうぞ」と案内された席は、掘りごたつがあるテーブル。隣では女性3名がすでに舌鼓を打っていました。1Fはカウンターが数席とテーブルが2席、2Fにはテーブルが6席。調度品からも落ち着きのある雰囲気を感じます。2Fにはドリンクカウンターもあるので、飲み物を早く提供していただけるのも嬉しい。

▲店内2Fにはテーブル席と掘りごたつ席、調度品も和風で居心地いい

席に着くと、目に着いたのはマスク入れと箸置きの煮干し。時節柄、食事中のマスクの置き場にとても困るので、この心遣いは非常にありがたい。箸置きの煮干しは食べていいのか迷いましたが、そのままにしておきました(笑)。

ハードカバーのメニューを開くと、のどぐろだけで1ページあり(!)、あれこれ目移りしてしまう。お楽しみののどぐろは取っておき、まず初めにビールとおでんを注文することにしました。

▲メニューの上にマスクケース。松江城を模したオリジナルキャラクターでお出迎え
▲付き出しは大山どりの柚子味噌和え。今後の料理への期待が高まる美味しさ

初めて知ったのですが、松江は「おでん」が有名らしい。静岡出身の私は、おでんは大好物で目がない。なので、松江のおでんとはどういったものなのか、とても興味がありました。

提供されたお皿には、練り物2つに豆腐・大根・餅巾着・白滝とが入っていました。出汁(だし)は魚介系であっさり上品としたもので非常に食べやすい。秋の夜長、少し冷えた体を温めてもらえる、優しい味がする。

話を聞いたところ、お店の発祥は駅前のおでん屋さんとのこと。鍛錬を重ねた自信の味が、優しさを醸し出しているのだと思いました。

▲“おでん好き静岡人”も大満足の「松江おでん」