ニュースクランチ編集部で一番の若手Nが、取材交渉から写真撮影そして執筆までをこなす突撃企画。「本当にうまいグルメ記事は読むんじゃなくて、自分で食って自分で書きたいんです!」と意気込む20代若者のめしドキュメント。
深夜の編集部で見つけた予約が取れない店
1月某日、僕は石垣島に降り立っていた。日本屈指の観光地。空は青い。冬とはいえ、サッカーのプロチームがキャンプをするくらいだから暖かい。人生の楽園と言われるのも納得だ。
そう、僕は某サッカーチームのキャンプ取材のためにここにいる。でも、仕事はそれだけではない。「せっかくだから、グルメレポートの練習をしてこい。しかも突撃でな!」。取材の合い間に編集者としての腕を磨いてこいという、あまりにありがたい編集長ミッションである。
期待を裏切るわけにはいかない。深夜の編集部で検索してみると、「一番予約が取れない」という飲食店情報が。相手にとって不足はない。
さっそく電話してみるが、電話は鳴れど、予約以前に電話がつながらない……。ここで四の五の言っていてもしかたがない。編集者は当たって砕ければいい。ホテルから歩いていける距離だし、とりあえず行ってみると――。
奇跡的に1席空いていた!
やはり動くことが大事なんですね、編集長! 店長さんに取材の旨を伝えたところ、「いい記事書いてよ!」とまさかの一発OKもいただきました! ありがとうございます!
店内は楽しそうに食事をしているお客さんで活気が溢れている。みんないい笑顔。自然と料理に期待が高まります。
沖縄ならではのオリオン生ビールで乾杯!
全国どこに行こうとも、最初は「とりあえず生ビール!」。人生初めてのオリオンビールは、飲みやすさ半端なし。軽い口当たりでクセが無い。夏に喉に流し込んだら、さらにたまらないんでしょうね。さて、枝豆をおつまみにメニューを開いて、冒険の旅に出るとしよう。
メニューを開くと、まず種類の豊富さに驚いた。海鮮から肉、天婦羅にピザと和洋折衷を問わずさまざまなメニューが並んでいる。おすすめメニューだけでも頼みたいものだらけ。見てください。おすすめメニュー10個のうち8割がまぐろを占めている。
そう、ここ「ひとし」はまぐろ専門居酒屋をうたう人気店。はやる気持ちを抑えて最初のオーダーをした。
いきなり看板メニューをいただく
まぐろには強いこだわりを持っていると聞いていたので……。まずは、お店で一番人気の「まぐろ寿司セット」を注文することに。そして数分後に目の前に置かれたお寿司がこちらです。
見てください、大トロのツヤと分厚さを!
恐る恐る、人生3度目の大トロを口に運ぶ僕(「いきなり大トロを食うバカはいねぇぞ!」と、後に編集長からツッコミをもらいました)。
2秒で消えた!
えっ、人生で食べてきた「まぐろ」とすべてが違う……。なるほど、これが口の中で溶けるということか。食欲を大いに刺激された僕は、中トロ→鉄火巻と、一心不乱に頬張った。
お寿司はあっさりしたものからこってりしたものの順に食べるのが常識だそうだが、人は本当にウマいものを前にすると、常識的には動けないのです。少なくとも僕は。
中トロはしっかりとコクがあり、細巻きはしそとの相性が抜群でした。東京の寿司屋だと、安いお店でも大トロ一貫で500円くらいしてしまうもの。それが、ひとしだと写真のセットで980円。安すぎる! そしてウマすぎる!!
さすが「まぐろ居酒屋」。一品目から衝撃のお味でした。
疲れを吹き飛ばすスタミナ海鮮祭り
続いては「最強」という名前の響きに誘惑され、頼んだ山かけ。ご覧ください! ウニ、海ぶどう、まぐろ、タコ、これでもかという種類の海鮮物や納豆、山芋などが器にズラリ。石垣島の海のような美しい盛り付けを数秒楽しんだところで醤油を一回し。
グルグルと勢いよくかき混ぜてお口にインすると、山芋や納豆のネバネバも気持ちよく、海ブドウのプチプチ感やタコの弾力が良いアクセントに。
「石垣島のサンゴショウや!」
なんて子供の頃にテレビで見た彦麻呂さんのレポートを脳内でパクリつつ、あっという間に完食です。なんだか元気も出てきたぞ!