アンコールがなかった理由とは・・・？

第２部の１曲目は『グロウアップ・マイ・ハート』だった。さすがに、この時点で微妙な違和感に包まれた謎に気づいている人はいなかっただろうが、じつは今回の２回公演のセットリストは「ループ」していたのだ。

気がつきにくいのにはわけがある。もしも『グロウアップ・マイ・ハート』が第１部のラストで歌われていたら、両方見ている人であれば「なるほど！」となる。だが、実際には第１部のラストから２曲目で歌われているから、そこまでループしているようには感じない。

第１部のラストは『Over the rainbow』。じつはこの楽曲、第２部が始まる直前にインスト版が流されていた。それが流れているあいだに会場が暗転し、曲が終わった瞬間に本編がスタートする、という演出。これと同様に第１部開始前に流れていた『Staring at You』が第２部のラストナンバーとなっている。そこまでこだわっての「ループ」だった。

何曲か別の曲に差し替わっているので、まるっきり同じではないのだが、第１部のセットリストを第２部では逆から歌っている。つまり、第２部のラストでふたたび第１部のオープニングに戻る、という仕組み。そこはしっかりとこだわっていて、エンディングの挨拶のときに流れているBGM(どちらも各部の１曲目のインスト)も含めて、ちゃんとループしている。ちなみに各部とも全16曲。真ん中の８曲目はどちらも『STATEMENT』を歌っており、この曲を軸に２つのセットリストは「∞」を描いていたのだ。

今回の公演に、アンコールがなかった理由のひとつはそこにある。ループが成立しなくなってしまうので、あえて、すべてを本編にギュッと詰めこんだ。

前回も書いたように、第１部のセットリストは、今までのアメフラっシのライブと比べると「この曲が来たら、次はコレ！」というお約束の流れを排除していたので、ライブにたくさん通っているファンほど「？」となるタイミングが多かった。

それを第２部では逆に展開していくわけで、これまた、いつもとはちょっと違う流れになるし、ほぼ同じ楽曲をパフォーマンスしているのに、まったく違うライブを見ているような感覚になる……こういった構成、メンバーにとっては初めての経験だ。