都営バスのマスコットキャラクター『みんくる』はご存じだろうか。
都営バスのフロントをデフォルメし、そこに東京都の頭文字「T」をデザインした緑色の形相は、とても愛らしい。今年、キャラクター就任から25周年を迎える『みんくる』が空前の大人気だ。
実際のところ、公式サイトのグッズはほとんどが完売状態。X(旧Twitter)などのSNSでは、多くのユーザーが『みんくる』のグッズの写真を載せたり、自前で制作したイラストやぬいぐるみを共有している様子が多くうかがえる。
『みんくる』がここまで愛されている理由に迫るべく、東京都交通局の『みんくる』広報担当にインタビューをした。
100周年の特別感やファンの投稿からブーム
2024年は『みんくる』就任25周年だけでなく、都営バス開業100周年でもあり、都営バスにとって特別なアニバーサリーイヤーだ。それだけ大きな節目だからこそ、反響も大きいようだ。
「我々、都営バスはコミケ(コミックマーケット)にも毎年出展しているんです。そこでは、都営バスや『みんくる』のグッズも販売していて、必ず買いに来てくださるファンの方もいらっしゃいます。
日本全国に多くのゆるキャラがいるなかで、交通関係のキャラクターとしては知名度が高いほうだとは思いますが、やはり「都営」のバスなので、どちらかというと東京近辺にお住まいの方や、昔から応援してくださっている方がファンのイメージでした。
都営バス100周年のタイミングで、以前からのファンの方がSNSで『みんくる』について発信してくださるようになって、その影響で今まで知らなかった方が興味を持ってくださったようです」
アニバーサリーイヤーということで、東京都交通局は都営バスや『みんくる』の特別なグッズを制作。こちらも今までにない売れ行きだという。
「今年は令和6年1月18日の都営バス開業100周年というメモリアルな年なので、それを記念して大きなサイズのぬいぐるみを制作したんです。
これまでに制作したぬいぐるみは、手のひらサイズの小さなものでしたが、サイズを大きくして、さらに足の裏に“都営バス100周年”のタグを入れて特別感を滲ませたデザインにしました。
2024年1月20日に東京タワーで開催した、都営バス100周年のイベントでアニバーサリーのぬいぐるみを販売したところ、朝からたくさんのお客さまに並んでいただけました。そこで手に入らなかった方、あとから知った方が“ぜひ手に入れたい”とお求めになってくださり、現在、グッズが完売している状態です」
グッズの完売という、うれしくもありつつ、多くの人に商品が行き届かない厳しい状況が、新たなムーブメントを起こしたようだ。
「グッズを手に入れづらい状況で、『みんくる』に興味を持ってくださった新規ファンの方々が、手作りのぬいぐるみや羊毛フェルト、イラストなどの自作ファンアートをたくさん発信してくださるようになったんです。
お出かけすることを呼びかけづらかったコロナ禍に、YouTubeに投稿した『みんくる』の羊毛フェルトの動画を見て作ってくださった方も多いようで、うれしいかぎりです。
最近では、SNSで調べると何分に1ポストという頻度で、『みんくる』について投稿してくださっていてビックリしています。我々も追いかけきれないほどになっています」