向井地美音は、歴代最長期間に渡ってAKB48総監督を務め上げ、また2018年に行われたAKB48に関する知識を競う『AKB48センター試験』で全メンバー中1位という驚くべき記録を持つ。弊社『アップトゥボーイ』でも歌詞解釈の連載を担当。今年はAKB48の20周年イヤーということで、その連載「魁!!!48歌詞塾」の番外編という感じで、多くの名曲に満ちたAKB48 SONGSの中から、今の彼女にとってのベスト10を決めてもらいます。今回は5位から1位まで!
ダークでリアルな曲もあるのがAKB48
――ついにベスト5です!
向井地:5位は『クサイモノだらけ』です!
――また渋い選曲!! まさかの5位にクサイモノ(笑)!!
向井地:アルバム曲なんですけど、まず曲がカッコよくって、ダンスもカッコよくって衣装もカッコよくって、私の好みにドンピシャ! こういうダークな曲すごい好きなんですよね。今劇場でやってるゆうちゃん(村山彩希)プロデュースの“今日は誰に恋をする?”公演に入ってるんですけど、どうしても『クサイモノだらけ』を公演でやりたくて、新ポジを覚えて・・・。つい先週なんですけど、出れました(笑)! それくらい好き!
歌い出しの“冷蔵庫に入れてたラムレーズンがないわ/半分だけ残して 食べるつもりだった”って歌詞がすごい印象的なんですけど、同棲してる彼氏に対する不満を歌った曲で、このラムレーズンはたぶん比喩なんですよね。自分にとって大切なものを相手が分かってくれないことの。それが日々重なって、ずっと見て見ぬふりを・・・クサイモノにフタをしてきたけど、もうイヤになった! みたいな。そして最後に“あんたこそ一番の/クサイモノだった”! もぉ〜・・・。すごい好き(笑)!!!!
――最近のアイドルはひたすらカワイイ系がトレンドですけど、AKB48はこういうグッと大人の曲もあるのがすごいですよね。
向井地:幅広いですよね。こんなダークでリアルな! そういう表現を考えるのも好きなので、劇場でやったときも本当に楽しかったです!
――では4位をお願いします!
向井地:『伝説の魚』。『LOVE TRIP』のカップリングで、総選挙のアンダーガールズ(選抜に入れなかった17位〜32位のメンバー)の曲です。
――非常に文学的なタイトルですよね。
向井地:泳ぐことしかできない魚が空を見上げて、自分は羽もないし飛ぶことができない。そのままここで人生を終えてしまうのか? と嘆きながらも、鳥は海を見下ろしても水の中を泳ぐことはできない。自分は自分の道を見つけて、伝説の魚になろう・・・って詞なんですけど、このときのアンダーガールズのセンターがみぃちゃん(峯岸みなみ)なんですよ!!
――説得力がすごい(笑)!
向井地:重みがあるし、刺さりますよね。みぃちゃんも言ってたのが、自分はセンターになるタイプじゃないと気づいたけど、それでも自分の居場所というか、生き方はちゃんとあったって・・・。私も選抜に入れなかったことがありますけど、そこだけが全てじゃなくて、ちゃんと自分のいる場所で頑張ったら自分の伝説が作れるんだって。これはもうAKB48の全メンバーに聴いて欲しい! 教訓の曲だなって思います!!!
