1位は一見地味? だけど深い優しさに満ちたあの曲!
――そしていよいよベスト3!!!
向井地:3位は『Dear my teacher』!!!
――キターーーッ!!! 感が! AKB48のファンだったら100%知ってる初期からの代表曲ですね!
向井地:みんな大好きですよね。私も好き(笑)。最初の立ち上げのときの『PARTYが始まるよ』公演の曲。歌詞が私の好きな“○○縛り”の詞で、“教科書通りに”とか“特別な補習”とか学校関係の言葉が次々に出てくる。この曲は今でもめっちゃやりますね。この前のゆぅちゃんの卒コンでもやってたし。盛り上がるんですよね〜!
――シングルでもないのに、定番化してるのがすごいですよね。
向井地:そんなにアップテンポってわけでもないんですけどね。なんかこの曲には、AKB48が始まったときの空気感が詰まってる気がするんですよ。まだ世間の人にはそんなに知られてなくて、アングラだったときの空気感が(笑)。本当に昔から大好きな曲!
――では2位をお願いします!
向井地:『なんか、ちょっと、急に…』!!!
――これは〜(困)。すいません、カップリングですかね?
向井地:『唇にBe My Baby』のカップリングですね。高橋朱里チーム4が歌ってます。
――まさか2位にこんなマニアックな曲が(驚)!!!
向井地:まず曲調がAKB48で聴いたことないようなオシャレな曲調ですごくいいし。そして歌詞もオシャレなんですよ! 出だしが“なんか 君のこと ちょっと 好きかもって/急に 思っちゃったりして変だな”って、歌詞の文章の頭がタイトルから取ってる感になってて、秋元先生のこういう“仕掛け”みたいなのがすごく好きなんですよね〜。本当にオシャレだと思う。詞の内容もめちゃくちゃ可愛くて。
すごく仲のいい友達の女の子に対して恋愛感情を感じちゃって戸惑ってる気持ちを描いてて、“もちろん僕は告白しないよ/恥ずかしいし ただの錯覚”とか言ってるんですけど、最後のサビで“ホントは僕もわかっているんだ/戸惑っているふりしてるけど/気持ち 押し殺して すぐそばにいたこと/突然 芽生えたわけじゃないこと”って! ちょっと! ぜんぜん“なんか、ちょっと、急に”じゃないじゃん! っていう!!!
――タイトル否定級のドンデン返しが(笑)!
向井地:も〜、ドンデン返し大好き(笑)。でもそうやって一生懸命自分に言い聞かせてる感じが、リアリティーもあるしすごい可愛いなって思います。
――ちなみにこの曲って実際にパフォーマンスしたことってあるんですか? カップリング曲が一番日の目を見なくて不遇な印象があって。
向井地:今まで数回だけですかね〜。私がパッと思い出せるのが、岡田奈々ちゃんと2人公演やったときと、あとゆきりんさん(柏木由紀)プロデュースのセトリでチームAでやらせてくれて、めちゃくちゃ嬉しかったです!!
――柏木さんがこの曲選曲するのも流石ですね。
向井地:ね〜本当に! 掘り出してくれて(笑)。
――そしてついに来ました第1位!!!! どの曲でしょうか!?!? ドドドドドドとティンパニーが鳴ってる体で!!

向井地:『引っ越しました』!!!!
――うわ〜!!!! 渋いぃぃ〜!!!!!!
向井地:この曲が1番好きっていうのは、結構昔から言ってますね。昔名古屋の総選挙のときに、メンバーが好きな曲を投票して、人気の曲じゃなくて逆に1票しか入らなかった曲をやるって企画があったんですけど、見事に『引っ越しました』は私の1票だけで(笑)!! みんなでできました! でもちょっと複雑な気持ち(笑)!
――良い曲ですけど、フォーク調のしみじみ系で派手な曲ではないですよね。
向井地:10位が『RESET』でしたけど、そのRESET公演の最後の曲なんですよ。組閣でそれまでのチームがシャッフルされた直後の公演だから、1曲目の『RESET』を始めとして、新しい一歩を踏み出せ! 後ろを振り向くな! って鼓舞するようなメッセージが打ち出されてて。その公演の最後にこの『引っ越しました』が来るんですけど・・・。
長年同棲していたカップルが別れて、彼氏の方が新しい部屋で生活を始めて、元カノに対して“たまには遊びにおいでよ”って呼びかけるような内容で、それぞれのサビの終わりがいいんですよ。“ちっとも広くないのに/愛の余白は埋められないんだ”“荷物が半分ないだけで/愛が大きく見えてしまうんだ”・・・。そして最後! “僕のハートは引っ越しできない”!!! 切なすぎる!! 公演のそれまでの曲でさんざん“新しい風を入れろ!”とか煽ってたのに、最後の最後でポロッと本音が出ちゃうっていう!! これをあのときのチームKに渡した秋元先生は、本当に凄いと思います。
――確かに・・・。当時ファンも含めてチームKが一番チーム感というか、チームであることへの思い入れが強かったですよね。
向井地:そうなんですよ!! あの頃総選挙とかも始まって、AKB48は目まぐるしく変化していた時期だと思うんですけど、メンバーもファンの方々も、きっとついていけない部分がどこかにあったと思うんですね。そういう弱い部分にも寄り添ってくれる歌詞で・・・。本当に優しい、素敵な曲だと思います。そして今も! ちょうど去年の12月に劇場がリニューアルされて始めたのがこのRESET公演なので、重なるものがあってやってて刺さりますね。こみはる(込山榛香)の卒業前最後のRESET公演とか、やっぱメンバーの卒業を意識して歌うと特に来るものがあります。ゆうちゃんももうすぐ卒業だから、一緒にこの曲を歌ってると泣きそうになっちゃう!
――曲調がバラードではなく、軽快で明るい感じなのもいいですね。
向井地:そうなんですよ! こんなに明るい! だからこそ切ない!!!
――さて出揃いました10曲!!! さすが予想通りマニアック! そして単なるランキングではない、AKB48の歴史の重みと向井地さんのAKB48愛が詰まった内容になったと思います。RESETで始まりRESET公演曲で締める流れも素晴らしい。
向井地:今自分がやってるのも大きいですね。でも本当に10曲に絞れない!! いい曲が無限にあるので!!! この記事がキッカケで、シングル曲しか知らなかった方が、公演曲やカップリング曲やアルバム曲に興味を持って頂けると嬉しいです。あ! あとで順番を入れ替えるかもしれないのでよろしくお願いします(笑)。
次回はAKB48の最新書き下ろし公演『ここからだ』について語ってもらう特別編! 6月24日公開予定です!
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