息の合ったしゃべくり漫才で「M-1グランプリ」では2018・19・20年と3年連続ファイナリストとなった見取り図(盛山晋太郎[写真左]・リリー[写真右])。ツッコミの盛山晋太郎とボケのリリーの小気味いい会話のやりとりは、バラエティー番組などでも存分に発揮されている。
この連載では、歯に衣着せぬ発言を恐れない2人に、“男がかっこいいと思う男とは?”というお題のもと、自由気ままに語ってもらう。更に、イラストも描いてかるたを作る!
――今回は「え」で、お願いします。
リリー 笑顔の奴。やっぱり、ポジティブな人といるほうがポジティブになるし、ネガティブな人といるとネガティブになるし。
――笑顔、いいですね。意外と笑顔って、忘れることもありますしね。
盛 山 エピソードトーク! エピソードトークめっちゃ強い奴、多く持ってる奴。
――芸人さん的には、そういう人に憧れますか。
盛 山 めっちゃかっこいいですね。(リリーに)エピソードしかいらんもんな? テレビって。ギャグもモノボケもすることがないんで、そう考えたらエピソードトークしかいらないですね。売れてる人は、そういうトーク力を持ってます。
リリー (千原)ジュニアさんの話、知っとる?
盛 山 何?
リリー エピソードトークを話してない回が面白いっていう。他(の話)で盛り上がってるから、エピソードトークをする必要がない。
――なるほど!
リリー いろんな考え方があるな。だから有吉(弘行)さんは、凄い人よな。
盛 山 エピソードなし?
リリー エピソードトークをすることもあるけど、ほとんどすることなく盛り上げるから。
盛 山 天才やな。
――難しいですね!
リリー めっちゃ難しいと思う。
盛 山 でも、有吉さんも、ジュニアさんも、エピソードトークができるうえで、そう言ってる。
リリー うん。
盛 山 エピソードトークなんて、いつでもなんぼでもやったるでって、思ってやってはると思う。あの域にいくと。
リリー 得意技を出さずに勝つっていう。
盛 山 最近、エピソードトークが悩みですね。
――テレビ番組の出演回数が増えると、そんな悩みも出てくるんですね。
盛 山 話ししてて、嫌になることがあります。
――ホントですか(笑)。
盛 山 でも、(マヂカルラブリー)野田(クリスタル)さんが言ってたんですけど、野田さんも今、出演多いじゃないですか。番組でエピソードトーク話して、2ヶ月前に話をして、また2ヶ月後に同じ話をしてるんですけど、(話が)180度変わってるらしいです(笑)。仕上がっていく(笑)。だからファンは気づく。「あれ、登場人物増えてない?」とか。
――もはや、事実を言うというよりも、面白く伝えるために話を磨いていくっていう感じなんですね。
盛 山 でも、事実から“種”がないと生まれないんで。0から1は無理なんで。1を、3とか4にしますけど。
――なるほど。
リリー 「え」って、意外にむずいな。
盛 山 エネルギー、エネルギッシュな奴。ドラゴンボールのエネルギー弾もかっこいいですし、エネルギッシュな人は、強いですね。
リリー M-1も「え」や。M-1戦士かっこいいですね。漫才に命かけて。何かに必死な人はかっこいいですね。
盛 山 エレキギター弾ける人。
――ギター弾ける人は、かっこいいですね。
盛 山 昔も今も変わらずね。ギター弾く人って、色気あるっていいますもんね。音もかっこいいし。
――おふたりは、ギターは弾かれますか?
盛 山・リリー 弾けないです。
――その道は通って来なかったんですね。
盛 山 F以外のコードは、押さえれますけど。僕、軽音(楽)部やったんで。
――え、そうなんですか!
盛 山 Fでもう断念したんです。
――Fって、指が難しいやつですね。
リリー 遠投出来る奴。
――遠投(笑)。肩が強い…。
リリー 肩が強い奴(笑)。
盛 山 小学校の時とかな、ヒーローよな。
リリー な。ソフトボール投げとか強い奴。
盛 山 足の速さと、肩の強さは、ほんま男がほしい。遠投凄いやつは、フォームからわかるんで。
リリー 野球部のヒーロー。
盛 山 江戸っ子は?
リリー あー、気前がいいってことやな。
盛 山 気前がいいとか、人情味があふれるとか。(アンタッチャブル)柴田(英嗣)さんとか、江戸っ子の喋り方って感じがする。
リリー あー。
盛 山 ツッコミ方が。なんか、(ナイツ)塙(宣之)さんが言ってたっけ? 柴田さんのツッコミ最強説。「関西弁のあのテンポとツッコミに勝てるのは柴田さんしかいない」って。
――確かに、標準語でテンポよくツッコめる人って、なかなかいないですよね。
盛 山 キレよくスパーンっていけるんで。
――そうですね。