3人でのステージでも攻めの姿勢を崩さないアメフラっシ

9月からスタートするリリースイベント、そして11月に開催される初の東名阪ツアーに向けて、8月のアメフラっシはアイドルフェスやイベントへの出演がたくさん決まっていた。

そのタイミングで、小島はなが新型コロナウイルスに感染していたことが判明。8月下旬は小島はなを除いた3人で活動することになった。

もはや、誰がいつ感染してもおかしくない状況だ(この原稿を書いている最中に鈴木萌花の感染も発覚……)。これまでもアメフラっシは、ソロ活動との兼ね合いなどで3人だけでステージに立つ、という経験を何度もしてきた。

しかし、振り返ってみると小島はなが長期離脱する、というケースは今までになかった。ある意味、かなりレアなフォーメーションが2021年8月のアメフラっシで実現していた、ということになる。

幸いにも小島はなは無症状だったそうで、活動はできないけれども、SNSで積極的に発信。一方の3人も、ライブの報告をSNSにアップするときには、3人の集合写真に小島はなの顔写真を丸抜きで合成(卒業式や修学旅行をお休みしてしまった人のアレ、である)。その扱いについて、小島はながSNSでツッコむ、という展開もあったりして、ずっと「4人」で動いている感覚はファンに伝わっていたと思う。

そんな状況下で開催されたのが8月29日、横浜アリーナで最終日を迎えたアイドルフェスの『@JAM EXPO 2020-2021』。この日、アメフラっシのメンバーはちょっと変則的なパターンで、3つのステージに登場することになっていた。

まずはアメフラっシとして、キャパ100人のパイナップルステージに登場。そのパフォーマンスを見ていて、ちょっとした違和感をおぼえた。

それは3人でのパフォーマンスだったから、というわけではない。この日、アメフラっシは自己紹介などをまったくせず、ただただ歌って、踊って、盛りあげて、そのままサッとステージを降りていたのだ。ほかのステージを見ていると、どのアイドルも持ち時間のラストで自己紹介と告知をしている。いや、これがアイドルのステージでは当たり前のフォーマットである。

マネージャー氏に確認すると「そうなんですよ。アイドルの世界にどっぷり浸かってしまうと、それが当たり前のことだと思いこんでしまうんですけど、一般的なフェスを考えたら、どのアーティストも最後の曲でクライマックスに持っていって、その余韻を残したままステージを降りるじゃないですか? だから、今回はこういう形にしてみました。お客さんへの感謝の気持ちも挨拶じゃなくて、すべて曲の中で表現してみよう、と。

まぁ、本当のところを言えば、少しでもたくさんの曲を聴いてもらおうと思ってセットリストを組んだら、その時点で持ち時間があと20秒しか残っていなかったので、自己紹介をする時間もなかったんですけど(笑)」

▲3人構成での出演でも攻めのパフォーマンスを披露した

さすがに名乗りもせずに去っていってしまうことに、客席がざわつく一幕もあるにはあった。それこそCDリリースや、それに伴うイベントなど告知することも山ほどあったのだが、それよりも1曲でも多く披露し、少しでもインパクトを与えるという部分にこだわったステージ構成。3人構成での出演になったからといって守りの姿勢になるのではなく、むしろ攻めていくあたりはなんともアメフラっシらしいではないか。