オードリー若林からの激励LINE

収録前のスタッフとの打ち合わせ。スタッフたちは芸人への愛に満ちあふれていた。

ディレクターや作家との打ち合わせでは「この話はとても面白いです。サラッと話すともったいない」「バイト経験を生かしてスタジオのセットを褒めたらどうですか?」とアドバイスをくれた。

「どんな話をしていただいても面白くしますので大丈夫です」とも言ってくれた。それがどれだけ心強かったか。収録に来た芸人たちに売れてほしいという、スタッフたちの強い気持ちが伝わってきた。

一緒に出演する芸人たちの名前を見たときには、思わず泣きそうになってしまった。お互い気持ちがわかるメンバーだった。5GAPさんは同じ時期にレッドカーペットに出ていて、お互い売れそうになったけど、そこから10年以上苦労してきた。まさに戦友だ。

それ以外のメンバーも、普段から付き合いがあるわけではなかったが、この場で再会できたのがうれしかった。「お互い話さずとも気持ちがわかりますね~」なんて会話をして、みんなで笑った。この歳まで売れてない芸人を続けてきた俺たち。あちこちで惨めな思い悔しい思いをして、泥水をすすって生きてきたんだろう。

本番前に大道具バイトの社長にも電話した。

「『アメトーーク!』のスタジオの舞台裏、どこを褒めたらいいですかね?」

本番で自分の持っている全ての武器を出しきる準備は怠らなかった。

オードリー若林から送られてきたLINEを読み返す。

「売れてる人はみんな真面目で優しいからTAIGAさんは絶対売れますよ。くれぐれもスベるのを怖がってうまくやろうとしないでください。TAIGAさんはうまくないから」

その通りだと思った。

うまくやろうとしないこと。

40歳過ぎてバイトやめられないんだから、今より落ちることなんてない。

家族のために、生まれてきてくれた子どものためにも、このチャンスは逃したくない。

▲家族を思うと力が湧く

ゲストのケンドーコバヤシさん、よゐこの濱口さんは、どちらも初対面だけど、嫌われてもいいくらいの覚悟で飛び込んでいこうと誓った――。

(構成:キンマサタカ)

『TAIGA晩成 ~史上初! 売れてない芸人自伝~』は、次回10/29(金)更新予定です。お楽しみに!!


プロフィール
TAIGA(たいが)
1975年生まれ。神奈川県出身。2005年『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』(フジテレビ)、2009年『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)、2009年の『あらびき団』(TBS)、2014年の『R-1』決勝進出でプチブレイク。下積み時代が続く中、2020年の『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(中京テレビ)、2021年の『アメトーーク!』(テレビ朝日)出演で再ブレイクの予感がする45歳。