母親から怒られたことをやるのが基本
『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』は1989年10月から始まりましたが、当時は火曜日の深夜1時40分から2時10分までという深夜枠での放送でした。
番組開始から2年間はその枠ということもあり、何をやっても怒られないので、その時はもうメチャメチャでしたね(笑)。
その後、1991年10月から現在の日曜日夜10時56分から11時26分の枠に移ってきたのですが、そのことを特に意識せず深夜枠と同じ感覚で番組を作ったら、「えっ、これってダメなんだ!?」ということで怒られて、カルチャーショックを受けました。
まず「食べ物を粗末にするな」から始まって。いや、それはたしかにそうなんですが、いろいろと不自由だなと感じましたね。
今の世の中は全体的にお行儀が良くなってきて、ちょっとはみ出すだけですごく叩かれるようになりました。テレビ番組でも、ちょっと食べ物を粗末に扱うだけで苦情がすごいですから。
そもそもバラエティ番組やお笑い番組というのは、子どもの頃、母親に「そんなことをやったらダメでしょ!」と怒られたことをやるというのが基本です。
逆に、例えば「子どものための番組」と言われたら、子どもは絶対観たくないですよね、そんなの。「子どものためになりますから観てくださいね」というような番組や、親父とかおふくろに「この番組を観なさい、勉強になるから」って言われる番組、子どもは嫌に決まってるじゃないですか(笑)。
「こんな番組観ちゃダメだよ」って親が言うから観たいわけです。『ガキの使い』も実際そういう番組でしたから。
まあボクらが番組をやって褒められることなんてありません。逆に褒められたら、ボクらの存在価値がゼロになってしまいます。ましてやPTAだの文部科学省だのに「推奨の番組にしたい」などと言われたら、絶対にお断りします(笑)。