昨年末に連載100回目で大団円を迎えた『毎週アメフラっシ!』。連載は終わってしまったけれど、NewsCrunchはしっかりとAMEFURASSHIの動向を追い続けています(近々、重大発表アリ……?!)。

というわけで、今回はAMEFURASSHIも参加している浪江女子発組合のライブレポートをお届け。ライブ3日前に「なんか、このライブだけは見逃してはいけない気がする。アイドルヲタの勘でしかないけれど……」と急きょ、仙台行きを決めた小島和宏記者の勘は当たっていたのか? 雪の仙台から激熱のレポートを速報します!

浪江女子発組合にとって記念の一日

ももいろクロ―バーZの佐々木彩夏がPPP(ピンク・プレイング・プロデューサー=つまりプロデュースもすれば、メンバーの一員としてステージにも上がる、ということ)を務めている浪江女子発組合が、2月20日(日)仙台PITでワンマンライブを開催した。

▲東北最大の都市・仙台でのライブ、浪江女子発組合にとってはある意味『凱旋』。昼夜二回公演にたくさんのファンが詰めかけた! Photo by RYOHEI TSUKADA

浪江女子発組合とは、福島県の浪江町を拠点とするアイドルユニットで、基本的には毎月、浪江町で開催される定期大会が活動の基盤となっているのだが、コロナ禍によりしばらく定期大会は行われていない。

浪江町は東日本大震災で大きなダメージを受けており、彼女たちが毎月ライブを開催することで全国から浪江町にファンが集まり、それが町の活性化につながってくれれば……という強い想いもあったのだが、この2年間は世の中の情勢的にもそれは難しかった。

だが、活動はできる。昨年は首都圏でのコンサートにも力を入れた。お客さんが集まり、グループの評判が広まれば、必然的に「浪江」という言葉が日本中を飛び交うことになる。浪江町に行けなくても、浪江町の名前をアピールする方法。ライブの力はけっして「不要不急」ではないことを、彼女たちはその活動の中で実証していった。

しかも、ただライブを開催するのではなく、その内容もかなり充実したものだったことはここに特筆しておきたい。

昨年夏に明治座でおこなったライブでは、メンバーによるお芝居と歌が絶妙にリンクしていく、という明治座ならではの構成(佐々木彩夏は明治座での“座長”経験アリ!)。

そして、年末に開催されたLINE CUBE SHIBUYAでのコンサートでは、古今東西のクリスマスソングを散りばめたセットリストで「アイドルによる王道クリスマスコンサート」を見事にやりきってみせた。

LINE CUBE SHIBUYAとは『渋谷公会堂』のこと。昭和から平成にかけて、幾多のアイドルのクリスマスコンサートをこの会場で見てきたおじさんとしては、令和の聖夜に最高のクリスマスプレゼントをいただいた気分になった。

これらは佐々木彩夏の優れたプロデュース能力あってのものだが、正直な話、その能力に頼らなくてはならない切実な裏事情があった。

それは、思うように活動を進めることができなかったため、オリジナルの楽曲が不足してしまっている、という問題。自分たちの持ち歌だけではセットリストを組めないので、どうしてもカバー曲や企画コーナーを導入しなくてはならなかった。

結果として、そういった構成でコンサートを敢行してきたことがメンバーのスキルアップに直結していったし、なによりも公演が素晴らしい内容だったので、この周り道はけっして悪いことではない。

そう断言できるのは、2月20日に仙台PITでの公演を目撃したから、である!

2月23日に待望のファーストアルバム『花咲む(はなえむ)』がリリースされたことで、オリジナル曲がグーンと増えた。リリース直前に開催された仙台でのライブは、このアルバムに収録されている新曲のお披露目の場でもあったのだが、ついに浪江女子発組合が、自分たちの楽曲だけで1時間半以上にも渡るライブを構成した、記念すべき一日にもなった。

▲しっとりと『二十歳』を聴かせた佐々木彩夏&鈴木萌花。あーりんが「私と萌花は似ている」と発言したことで、他のメンバーは騒然! Photo by RYOHEI TSUKADA

グループ全員での歌唱はもちろんのこと、注目すべきはユニット曲。浪江女子発組合は清楚なアイドルのイメージが強く、楽曲もその方向に寄せたものが多かったのだが、ユニット曲に関しては振り幅無限大! コンサートの序盤でユニット曲だけを立て続けに4曲披露するブロックがあったのだが、それはまるでアイドルフェスで、いろんなアイドルが続々と登場する光景を見ているかのようだった。それほどまでに色合いが違ったのだ。

▲すでに浪江女子のライブではおなじみのあーりん&るんぱんによる元祖ユニット曲『ほれ、あいべ!』 Photo by RYOHEI TSUKADA