おはようございますこんにちはこんばんは、コンテンツ制作会社「TPコーポレーション東京X」代表取締役のTPこと高橋です。8月1日、弊社も4年目に突入しました。これもひとえに「TP社長日記」読者のみなさまをはじめ、いつも支えてくださっている方たちのおかげでございます。一人ひとりにお中元を配りたいですね。

今回は、夏にちなんだ3つのコラムを書きました。だいたい1つあたり1000文字くらいなので、3回にわけて読んでもらっても構いません。何卒。

「地球最後の日にやること」

「7月5日に地球が終わる?」みたいな噂が独り歩きして、ブームになってしまっていた。不安を煽るだけの、こういった話が本当に嫌いだ。タイムラインは戦慄と好奇の渦。まるでノストラダムスの再来。令和の世に降って湧いた「1999年7の月」のリバイバル版。1999年、僕は小学6年生だった。テレビっ子だったため、いろんな番組で特集されていた「ノストラダムスの大予言」を信じまくって、全然楽しくない夏を過ごした。ノーモア1999。

僕がより7月5日の話を嫌だと思った理由は、その日に「人間ドック」を予約していたからだ。地球が滅びると言われているその日に、明日を生きるための体の点検をするという謎の行動。沈む船で、船底のビスを締め直すようなもの。仮に予言が正しければ、こんなにも愚かな過ごし方はない。

そして迎えた7月5日当日、僕は胃カメラと大腸カメラの検査を受けるべく、体の中を空っぽにしなければならず、人生初の「浣腸」をすることになった。浣腸すること自体も最悪だが、地球最後の日と言われている日に浣腸をするのが最悪だった。仮に予言が正しければ、僕は「最後に自分の好きな浣腸をして逝った男」として、地球が滅んだ後に誕生するネオ地球人たちの笑いものにされていたかもしれない。

そんな本当に無駄なことを思いながら耐え抜き、浣腸地獄もクリアして人間ドックも無事に終わり、地球も滅亡しなかった。後日医師からは「特に問題なし」とのお墨付きをいただいた。苦行の果てに手に入れた健康体。明日を生きる者の中で、一歩リードした気分。

…といった感じで、結局そのデマに翻弄されてしまったので、無責任な予言とか本当にやめて!信じるべきは己の肉体。内臓は正直だ。人間ドックは未来への投資、特に35歳以上の皆様はちゃんと受けましょう。

「夏に思い出す、日傘理論」

男が日傘をさす…灼熱の日本列島2025夏では当たり前だが、ほんの数年前までは“変な行為”とされていた。これは実体験。

僕が日傘をさし始めたのは2016年。これは完全に古参アピール、流行る前から使っている。まだ「日傘男子」なんて言葉すら浸透していない時代である。世の中の男性たちが、炎天下で頭皮を焼かれても「これが大人の男! いや、漢!」と謎の根性論を唱えていたかいなかったか、という頃、僕はすでに日傘で日陰を持ち歩いていた。

なぜそんなに早く日傘を使っていたかというと、理由はシンプル。僕には「ホクロ問題」があった。小学校の頃、僕の顔にはホクロが多く、「ホクロ星人」と呼ばれてからかわれるほどだった。僕は「仮に本当に僕がホクロ星人なら“宇宙人”なんだから、まず宇宙人なことをいじれよ」と幼心に思っていた。

しかし大人になってから、レーザー治療でホクロがかなり消せると知った僕は、意を決してクリニックへ。

施術後、先生が、「紫外線、ダメ、ゼッタイ。日焼け止めと日傘はマストです」と、僕に「日傘命令」を下した。こうして、僕は日傘生活を始めることになった。

▲元祖日傘男子といえるTP

それが2016年。今でこそ、街中で“日傘男子”を見かけるようになったが、当時は完全なる異端者。すれ違う人々にギョッとされ、知り合いからも「気持ち悪いから一緒に歩きたくない」と罵られる始末。「多様性」という言葉が市民権を得るちょっと前の話。

だが、2019年に転機が訪れる。環境省が「熱中症対策として、日傘を推奨します」と発表したのだ。この“お墨付き”によって、世間の風向きが変わった。それまで肩身の狭い思いをしていた日傘男子たちは、突如「最先端の人類」に格上げされたのである。

1.「マイノリティだから」とバカにされるフェーズ
2.「理にかなってるじゃん」と少数精鋭で評価されるフェーズ
3.「みんなやってるし」と大衆が飛びつくフェーズ

この流れ、まるで社会実験のよう。さながら“ガリレオ日傘説”の確立だ、実に面白い。

ビジネスの世界でも、この“日傘曲線”は応用がきく。まだ誰も目をつけていないアイデアに飛びついたとき、きっと最初は笑われる。だけど、「バカにされる」から「推奨される」へと世の中が移行する、そのギリギリのタイミングこそが、チャンスなのだ。

僕は芸人さんともたくさん仕事をしているが、売れていく芸人さんのほとんどが、この1→2→3のような段階を経ていくので、1で気づいて2で仕事をして3の段階ではすでに仲良し、という状態が理想だなと思っている。そんな打算的にやってないけど。とにかく僕はこれを“日傘理論”と勝手に命名している。あともちろん、僕はかつて僕の日傘を嘲笑った知り合いの名前を覚えている。お天道様が許しても僕は許さない。