おはようございますこんにちはこんばんは、番組プロデューサーのTPこと高橋です。「TPコーポレーション東京X」という変な名前の会社の社長をやらせてもらっています。TPは「高橋プロデューサー」の略です。

今回は引き続きYouTube「ろこまこあこチャンネル」のスタッフ「ないP」さんとの対談の様子をお届けします。前編ではないPさんのパーソナルに迫ったのですが、今回はチャンネル登録者100万人を超える「ろこまこあこチャンネル」の人気の秘訣に迫っていきたいと思います。

▲TP社長日記その24  「Pの話を聞こう!! 後編」(ワニブックス Newsクランチ!)

「ろこまこあこ」がどう見えているか

TP:僕の娘たちが大ファンで、ろこまこあこのシャーペン、ブロマイド、ステッカー、ハンカチを持ってるんです。

ないP:ありがとうございます。僕も普通にステッカーとかつけてますね。スマホの裏とか、会社のカードキーの裏とかに入れたりしてます。

TP:デザインもちゃんとかわいいですよね。

ないP:ろこちゃんが全部考えてくれてます。僕はこのステッカーとかはノータッチなんです。

TP:しっかりしてるなぁ……! ないPさんのチャンネルでのポリシーとか、特に気をつけてることってありますか?

ないP:大事にしてることが2つあって、1つ目は「3人がどう見えるか」、2つ目は「視聴者がどう受け取るか」ということです。1つ目で言うと、悪いところを含めて、全て見せるようにしてます。ただ逆に印象が悪くなりすぎてるなっていうときには、次の動画でちょっといいシーンを入れたりして、視聴者に見えている3人が、現状の3人とギャップがないように気をつけています。

いいところも悪いところもあるんで、そこがそのまま受け取られるようにしよう、と気をつけています。視聴者側の期待値を上げすぎると、本人たちが生きづらくなってしまうので。普通に喧嘩して暴言吐いたりとかもあるんですけど、それはそれで出しつつ、内面のいいところも映す、というバランスですね。

TP:なるほど、そこには愛がありますね。

ないP:関わってる年数が自分の子供より長いので、娘に近いんです。「視聴者がどう受け取るか」の話をすると、視聴者の信頼を損なうようなことはしないようにしてます。視聴者と長く付き合っていきたい、という前提があるので、基本的に3人に害がなければ全てオープンにして、嘘がないような動画にしています。

TP:内容と数字のせめぎ合いって絶対あるじゃないですか?そのあたりはどういうバランスでやられてますか?

ないP:今は正直ないです。なぜかというと、「どの動画でも見てもらえる状態を作ろう」という想いで3年間ぐらいやってきたんです。なので今は、どの動画でも見られる信頼関係が視聴者と作れていると思っています。以前はせめぎ合いがあったんですけど、とりあえず企画の数をめちゃくちゃ出してたんで。

TP:全然吟味できるぐらいいっぱい企画を出していたから、数字がいい企画の中から選べてる状態っていうことか。

ないP:そうですね。

TP:それはすごい!

ないP:あとはもう仕組みで解決しました。例えば今は日常を映してるんですけど、前は企画系をけっこうやってたんです。

TP:そうですよね。

ないP:企画のときは「大食い」とか「24時間」とかフォーマットを全部がっちり決めていたんですが、そうすると、多少コケてもジャンルの外からはみ出さない限りはYouTubeの仕組み的に関連動画として浮上するんです。なので、最初は伸びなくても、あとから伸びるとかあって、そういう仕組み的にも大コケする動画はあまりなかったです。

視聴者と一緒に歳を重ねていこう

TP:今100万人以上チャンネル登録者がいますけど、運と実力の要素だとどっちが多いですか?全て実力、計算って感じですかね?

ないP:うーん、これが難しいんですけど、引きで見てて95%ぐらいは運だと思ってます。

TP:そうなんですか?

ないP:ただ、できるだけ再現度高く、残りの5%の中でどうやっていくかっていうのは、自分たちのチームなりに試行錯誤はしてきたと思います。

TP:なるほど、ベストは尽くしてきたってことですね。

ないP:運の要素は大きいけど、大事な部分はしっかりやってきたと思います。

TP:「ろこまこあこ」の3人は、小学4年生(ろこ)と2年生(まこあこ)からスタートして、どんどん学年を重ねていって、それでもファンが減らないのがすごいなと思ってるんです。本人たちも視聴者も同じように歳を重ねていってますよね。

▲チャンネル開設当初のろこまこあこ

ないP:とにかく3人にファンをつけるっていうのと、視聴者と一緒に歳を重ねていこう、というのは、当初からずっと意識していることです。視聴者の子が体験していることと、3人が体験してることがずっとリンクしていくので。この先、例えば高校を卒業して大学に行くのか、社会人になるのかは分からないですけど、そのときになっても、等身大の発信をずっと続けていきたいなって思ってます。

TP:わー、それは楽しみ!

ないP:例えば、ここ1年ぐらい、毎月のお小遣いの企画をやっています。お小遣いをどう使ったかを全部公開してもらってるんです。

TP: かなりリアルですね!

ないP:あとはエンゲージメントをどう高めるかの工夫はしています。チャンネルがスタートしてから今日まで、全てのコメントにハート押してるんです。対面イベントも人数をできるだけ少なくして、1対1でコミュニケーションが取れる時間を作る。ここに関しては正直、収益度外視です。好きで居続けてもらえるにはどうすべきかっていうことを考えています。

※YouTubeにおけるエンゲージメントは、「動画に対してどれだけの視聴者が反応したか」という意味で使われることが多い。

TP:はあ〜、結構泥臭くやってるんですね。すげえ。本人たちもコメント見てるんですか?

ないP:コメント見てますし、TikTokに切り抜かれてる動画とかは全部いいね押したりとか再投稿したりとか全部やってますね。

TP:はぁーすげー。それは弊社のコンテンツでも今後やるようにします。

ないP:僕が見るより先に、まこちゃんがいいねしたりとか全然あります。

TP:ファンもリアクション来た方が嬉しいっすもんね。

ないP:スタート当初ってコメント来ないじゃないですか?

TP:うん、こない。

ないP:コメント来たのがまず嬉しすぎたっていうのがあるんですよ、純粋に。そこに対して自分たちが何ができるかなって考えたときにリアクションを返すっていうのはできるなと思って、見たよっていう印に。できることはやろうと思ってます。

TP:ろこまこあこチャンネルってコメントの数多いなって確かに思ったんですよね。

ないP:僕個人のインスタでも、嬉しかったコメントを取り上げたりとかしてます。

TP:なるほど。

ないP:「こういうのやめて」って言うよりも、ポジティブな返答を取り上げた方がいいなと思ってて。こういうコメントはこうだから嬉しかったとかっていうのを取り上げたりとか。

TP:視聴者も子供がメインだから、多少教育してるみたいな感じもあるんでしょうね。

ないP:「有名になっていくのが寂しい」ってコメントも来るんですけど。

TP:それ、どのコンテンツにもくるコメントですね

ないP:寂しい気持ちもありつつも「夢に向かって頑張ってる姿を応援したい」っていう前向きなコメントをくれる子もいるんですね。例えば、そういうコメントを取り上げたりすると、ろこまこあこはこう思ってくれるのが嬉しいんだ、ってファンの子が思ってくれるんで、コメント欄が全然変わるんですよね。

TP:うわー、めっちゃ参考になります、それ。アンチと喧嘩するんじゃなくて、いいコメントを褒める。