グループ名は「あなたは私を埋葬する」という意味のアラビア語。数々の名グループを手掛けてきた鬼才・O-ant氏のプロデュースで、超ハイブロウな楽曲と深遠な詩世界を誇りつつ・・・。デフォルトで血まみれ! ライブのことをTRIPと呼ぶ。本番終了後は全員ぶっ倒れて「死」で終幕!! 等々・・・。過激かつ特殊な構成要素しかない中、東京を中心としたライブハウスシーンで着実に支持を拡げつつあるYA'ABURNEE(ヤーアブルニー)! メンバー初の本格的ロングインタビューをここに!!

「舞台を見てるみたい」って言われるんですよ!

――YA'ABURNEEさんは、今のアイドル界において非常に特殊なグループだと思うんですが、最初入るときにどういう説明を受けて、どういう印象だったのか・・・? 例えばざらめさんは前も同じプロデューサーさんのグループで活動されてたわけですが、そのへんどうだったでしょうか?

ざらめ:結構ガラッとコンセプト変わるって話は聞いてたんですけど、やっぱり血が・・・! 最初アー写だけだと思ってたんですよ。そしたらTRIPでも? しかも毎回!? もう慣れちゃったんですけど、最初はちょっと抵抗? しました・・・(笑)。

ぽめあ:私もまさかこんな感じだとは思ってなくて。途中で血糊っていうのが出てきて、ビックリしたんですけど・・・。まあ言われたからやってみるか・・・と!

棗(なつめ):私の場合は、もともとそういうものが好きで、やりたかったことができて嬉しい!

ぬゐ:最初“グロかわいい”って聞いて、“衣装に目がいっぱい付いてたりするかも”って言われて、“きゃりーぱみゅぱみゅさんみたいな感じかな?”と思って・・・。

――あ〜! 起こりうる解釈の不一致ですね!!

ぬゐ:もっとポップなものを想像してて。良いじゃないですか〜! って思ってたんですけど・・・。血糊!? OH――ッ!!!

――棗さん以外は普通に戸惑った感じだったんですね。それはそう。あとTRIP終わりが基本「ありがとうございました〜」とかなしにブッ倒れて死んで終わるのも凄くて。

ぬゐ:だいたい死にますね。死なない時は珍しい。

ざらめ:あれも最初“倒れよっか〜”で始まって、毎回やるようになっていった感じなんですよね。

棗:他にやってるグループいないから印象に残るし、自己紹介のMCとかなしでナレーションで終わるから効率もよくて、多めに曲がやれたりするんですよ(笑)。

――死ぬのはタイパ的に良かった!? そして楽曲の面でも・・・。詞もサウンドも結構強烈なものが多いですが、メンバーの皆さんが今までで特にインパクトを感じたものとかありますか?

ぬゐ:ちょうど先日発売のファーストミニアルバムに、非常にインパクトのある曲がありまして・・・。

ぽめあ:『乳獣』(にゅうじゅう)という曲が・・・。乳の獣と書いて『乳獣』・・・。

――初めて聞く熟語ですね!! どういう曲なんでしょう!?

ぬい:え〜・・・。

ぽめあ:う〜ん・・・・・・(困)。

――もしかして曲の内容を説明させるのがハラスメントになる!? このグループの取材、難しいぞ!!!

ぽめあ:何ていうか・・・。夜鷹がモチーフらしいんですが、聞こえるのは○ッパイ!!! ○ッパイ!!! みたいな!

――若干理解しました・・・。日々出来てくる楽曲の強烈さには、メンバーの皆さんは戸惑ってるのか楽しんでるのか、そのバランスはどうなんでしょうか?

ぽめあ:じゃあ戸惑い派の人〜?

(ぽめあ、ぬゐ挙手)

ぽめあ:本当に!? (ざらめに)一番戸惑いそうじゃない?

ざらめ:ずっとやってるからね〜。“あ〜また変なのが来た〜”みたいな(笑)。

ぬゐ:歌詞が凄いんですよ! 曲は超カッコいいんですけど。

ぽめあ:だいたいいつも曲を先にもらうから“お〜カッコイイ!”ってなったあとに、歌詞をもらって“えええ〜っ!?”っていう!

ぬゐ:それまでは『SUKIZOID』って曲が個人的に一番インパクトがあったんですけど、『乳獣』がそれを超えてきちゃった! ファンの方々的には“YA'ABURNEEすごい曲が多い!”と思ってくれてるかもですけど、まだまだ更新していくと思います!

棗:私は自分で作詞もするので、プロデューサーが書く歌詞を見て、自分にはない語彙だったり、思いつかない組み合わせや言葉遊びだったり・・・。あと耳で聞いたらこの単語なのに書くとこの文字なんだ! とか毎回楽しいですね。

――棗さんコメントがアカデミックや・・・。そういう感じで、他のアイドルとはだいぶ違う雰囲気でTRIPをやられてますけど、“やっててここが楽しい!”というのはどういう部分でしょうか?

ぬゐ:お客さんから「舞台を見てるみたいだ」って言われることがすごく多いんですよ。30分のセトリだったら30分間の1つの物語を皆様にお届けしてるみたいな気持ちでやってます。それは他のアイドルの人たちとはちょっと違うのかなって。

ぽめあ:みんな本当に全力で。表現することに対して真剣に考えて、ちゃんとTRIPを作ってるメンバーしかいないって思うんですよ。演劇のように見えるのも、そのことが関係してると思います。

――確かに。曲の力と同時に、TRIP中の皆さんの表情とかも凄くて、めちゃめちゃ惹き込まれますよね。

ぽめあ:『INORI』って曲と『ikiu』って曲があって、どっちも落ちサビを歌わせてもらってるんですけど、その曲を歌うと、ぶわ〜って高まっちゃって泣いちゃったりするんで・・・。終わってからメンバーに“大丈夫だった?”とか“頑張ったね!”とか心配されます(笑)。

――すごい! でもぽめあさんとぬゐさんは、歌詞もらって戸惑う派だったじゃないですか。それなのになぜそこまで感情移入できるのか?

ぽめあ:曲も詞も振り幅がすごいので、ストレートに刺さる曲もあるし、難しい内容のときも、プロデューサーさんがこの曲はこういうイメージですとか、こういう人をモデルにしてますとか、解説をつけてくれるので、自分なりに汲み取ってやってますね。

帝々ぽめあ(X:@Pomea_YAABUR)

ぬゐ:私は振り付けが入ったら結構入り込めるんですよ。もちろん歌詞とのリンクもあるんですけど、振り付けが入るとそれによって表情も決まってきたり、感情を乗せやすくなります!