舘ひろしさんに会うために銀座のクラブでバイト

山中は、2020年に100作品目『エンドロール』をリリースし、芸能活動の幕を閉じた。引退直後は、どのようなことをしていたのかを振り返ってもらった。

「引退後、まだ憧れの舘ひろしさんに会えていないことが、私の心残りの一つだったんですよ。なので、大好きなお酒を飲めるだけでなく、舘ひろしさんに会えるかもしれないと、銀座のクラブで働いていた時期がありました。結局、会えなかったのですが、今は自分で会社を立ち上げて、また舘ひろしさんのいる芸能界へ戻ってきました。2024年の6月以降に、101作品目のDVDを出す予定です」

4年ぶりとなる101作品目は、どのような作品に仕上がっているのだろうか。

「私には、ただエロいだけのグラビアから、健全なエロを感じられるグラビア時代に戻したいという夢があります。具体的には、衣装が小さくて当たり前、疑似的な行為があって当たり前ではなく、表現する“人”をしっかりと見てもらえるようにしたいんです。“THE・グラビア”といいますか、小池栄子さんがビキニで砂浜を走るようなイメージ。101作品目は、夢の第一歩となるような作品に仕上がっていると思います」

グラビアアイドルとして新たな歴史を刻もうとする彼女に、DVD作品を出すときのモットーについても聞いてみた。

「徹底して“布は外さない”のが私のモットーです。そもそも、長く応援してくれているファンの9.5割は、私が脱ぐことを望んでいないと思うんですよ。実際に、過去に出したDVDのイベントで、“今回は少し過激すぎる”とファンから怒られたこともありました(笑)。これからも、ファンの方には“脱がないエロさ”を体感してほしいと思ってます」

グラビアアイドルとして長く活躍をしてきた彼女ならではの目線で、最近のグラビア事情について思うところについて語ってもらった。

「大前提として、グラビア作品は若いうちから出し続けていたほうがお得だと思ってます。自分の体が一番キレイに見える衣装を、そのタイミングで着れるので、作品にドラマ性も出せるんですよ。

また、最近の名刺代わりにDVDを1本出して、グラビアアイドルを名乗るような風潮には“それは違う!”と叫びたくなってしまいます。もちろん、すべての人がなんとなくDVDを出しているわけではないと思いますが、清水あいりさんや森咲智美さんのように、もっとグラビアに本気で向き合う人が増えてくれるとうれしいです」

ポーカーは世界大会に出場できる腕前

大の阪神タイガースファンとしても知られている山中。好きになったきっかけを聞くと、幼少期からの環境が関係していることがわかった。

「母親が生粋の阪神ファンで、食事中に野球中継が流れている家庭で育ったのが大きいですね。あと、勝った日は母親の機嫌が良かったんですよ(笑)。ただ、私が本当の意味で阪神ファンになったのは、東京ドームで初めて観戦をしたときですね。これまで味わったことのない臨場感に包まれて「楽しい!」となり、今では一人でお酒を飲みながら見に行くのが生きがいになりました」

阪神タイガースが勝利すると「#勝利のグラビア」として、自らのグラビア写真をアップし、ファンを盛り上げている。そんな彼女に、最近の推し選手はいるかと尋ねると、悩みながらこう答えてくれた。

「うーん……推しの選手を選ぶのは難しい! 森下翔太選手は、将来の生え抜き4番候補として応援しています。ほかには、“恐怖の8番打者”木浪聖也選手にも注目ですね。去年は、木浪選手のユニフォームを着て球場へ行ってました。ヒーローインタビューが面白いのは、岩崎優選手。クールなポーカーフェイスなのに、サラッと刺激的なことを言ってくれるのがたまりません」

――好きなことはとことん突き詰めてしまう性格で、2022年にはポーカーの世界大会に出場したこともある。

「2022年に『ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー(以下、WSOP)』という、ラスベガスで毎年開かれている世界大会へ出場しました。WSOPは、8,000人以上が参加することも珍しくなく、優勝者には1千万ドル(約14億円)規模の賞金が与えられるビッグイベントです。

本来だと、参加費用として1万ドル(約140万円)を支払う必要があるのですが、私はサブイベントであるサテライト予選を勝ち抜いたため、参加費用なしでも大会への参加ができました」

彼女がポーカーを始めたのは最近、新型コロナが流行していた頃だ。

「ポーカーを始めたのは、新型コロナウイルスの影響でやることがなくなったタイミングで、友達から勧められたのがきっかけです。最初はルールもしっかり理解できなかったうえ、どの手を持っているのか顔にすぐ出てしまうので、“正直ポーカー”なんて呼ばれてました。

でも、初めてから3年以上たった今では、ブラフをバンバンかませるようになっています。もしかしたら、芸能界でも10本の指に入る実力まで成長しているかもしれません」

彼女がラスベガスでポーカーに興じる様子は、彼女のYouTubeチャンネルで8パートにわたり公開されている。しかし、ポーカーへ向ける情熱と実力については、まだまだ世間に伝わりきっていない。続けて、ラスベガス滞在中にどのくらい稼いだかについても聞いてみた。

「大会以外でもポーカーをしていたので、300万ぐらいは稼いだと思います。アジアの女性だからなのか、舐められることが多いんですよ。でも、こっちが帽子を深く被りながら黙々と強い手を出していると、だんだん相手の見る目が変わってくるんです。その瞬間がたまらなくて(笑)。ラスベガス滞在中は“映え”を一切気にせず、ポーカーに夢中になっていました」

芸能界を引退したにも関わらず、多くの挑戦で周囲を驚かせ続けている山中に、これからの目標について教えてもらった。

「約1,000人を超える人数が集まる規模の世界大会「WSOPレディースチャンピオンシップ」で優勝を勝ち取るのが目標です。2023年に日本人出場者で2位を獲得した方がいるので、あとを追えたらうれしいですね。

もちろん、WSOPメインイベントの参加券も勝ち取って、ポーカーを全力で楽しんでいきたいと思っています。また、2024年はイメージDVDも出す予定なので、プロモーションをしっかりしていくつもりです」

▲ポーカーの実力は芸能界で10本の指に入るかも

最後に、結婚に対しての意識はないのかと聞くと、面白い答えが返ってきた。

「いつかは、家に帰ると家族が待っているような生活になってもいいかな、とは思っています。でも、今のところ結婚をする予定はまったくありません。そもそも、ファンの人は、私に結婚してほしいと思っているんですかね? それとも、結婚してから出すDVDのほうが、もしかしたら燃えますか?」

(取材:川上 良樹)


プロフィール
 
山中 知恵(やまなか・ともえ)
平成7年1月16日生まれ。10歳からグラビアアイドルを始めて、100作品のイメージDVD出してます♪ イメージDVDリリース本数ギネス級。特技:手羽先を綺麗に食べること・おしゃべり。趣味:妄想・野球観戦(テレビ・球場両方)・晩酌。X(旧Twitter):@Tomoe_07_0116、Instagram:@tomoe.yamanaka_070116
〇山中知恵 世界と戦う![YouTube]