調子に乗っていると思われないようにしてます

――こうしてお話しをしていると、お二人とも若くして結果を出されているのに、尖りがないですよね。とても素直でフラット。

ホリコシ:人間的に尖りみたいなものはないですね。二人とも人の悪口とかめったに言ったりしないですし。

オノハラ:いや、でも悪口は面白いですよ。

――あはははは!(笑)

オノハラ:今はそんなこと言うと“あいつら調子に乗ってる”とか思われちゃうので、しないですけど。

ホリコシ:最初の頃は「あいつは面白くないだろ」とか言ってましたけど、周りに認められちゃうと、悪口を言う相手も近くにいないというか。だから、僕らが後輩とか同期に言われている立場だと思います。

オノハラ:本当に! 相方には気をつけてほしいです。僕らなんて、早めにある程度、結果を出したから、ただでさえ悪く見られやすいので、調子に乗っていると思われないように気をつけていかないと。

この前、LUDOの定期ライブで、ホリコシが「あれ、今のLUDOってこんな感じなんだ~」とか言って、先輩風を吹かせていて……(笑)。あれ恥ずかしかったな。

ホリコシ:何も考えてなかった(笑)。

オノハラ:そうそう、何も考えていないからこそだと思うんですけど、調子に乗っているように思われる言動は損なので、気をつけてほしいです。

▲オノハラ「目立つからこそ見られ方には気をつけたい」

――たしかに、大学在学中にテレビやラジオなどのメディアに出て、これだけ知られるというのは特殊な環境ではありますよね。

ホリコシ:僕らを知って、LUDOに入ってきてくれる子もいるらしくて、ただのサークルの4年生なのに異常なことですよ、ありがたいですけど。だから、きちんとしなきゃというか、ナユタらしく、ということをどっかで意識しているのはありますね。

――ナユタらしくというお話がありましたが、セルフブランディングで何か意識されていることはありますか?

ホリコシ:好きで着ているんですけど、衣装にしているクッキーモンスターのTシャツは意図的です。『M-1』の予選はスーツの方が多いので、Tシャツってだけで異質感があって、アマチュア感も出るんで、“ちょっと見てみようか”となるかもと思って着たんです。僕らの雰囲気にも合っていますし、衣装はこれでよかったかなと思います。

――ナユタというコンビ名も、お二人にすごく合っている印象です。

ホリコシ:僕の中で「ナユタ」というカタカナの字面がカッコイイなと思っていて、他にもいくつか考えたんですけど、一度ナユタで行こうとなったのが、今でも続いている感じです。

自分たちのネタはあまり練習しないほうがいい

――ナユタといえば言葉遊びが軸となるネタが特徴だと思います。今の形になるまでに、どのような変遷があったのでしょうか?

ホリコシ:“言葉遊びでネタを作ろう”というより、ただ二人でふざけていて、それがたまたま言葉遊びだったんです。ふざけていたところから、面白いやつだけを選んでいったら、言葉遊びになったという感じですかね。

▲ふざけて遊んでいたところから自然と今のスタイルになっていった

――自分たちとしては誰の影響を受けていると感じますか?

オノハラ:真空さん、金魚番長さん。あとは風藤松原さんですね。僕らが好きなので、それが出ちゃうというか。

ホリコシ:無意識のうちにね。

――ふざけの延長線上にネタがあるということですが、ネタ作りも二人で話しながら?

ホリコシ:そうですね。どちらかが一人で、というのはほとんどないですね。オノハラが設定を持ってきて、僕がボケを出していくこともあるし、逆もあります。自分だけでは思いつかないボケが何個も足されていくので、そのぶんネタの成長が早くなると感じます。

――成長が早いと、ネタが100%のパフォーマンスに達するのも早くなりますよね。

ホリコシ:ただ、僕らあまり練習はしないんですよ。オノハラが覚えられれば、僕はそれにツッコむだけなので。あとはオノハラが順番通りに言えるかどうかなんです。

オノハラ:あんまり練習したくないですね、わざとらしくなっちゃうというか。

――たしかに、ナユタのネタはあまり“練習感”が出ないほうがいい気がします。

ホリコシ:僕もそう思っています。やり慣れていないときのほうが、僕らも面白いと思っているし、お客さんにも“面白い”を共有できる気がしますね。