女子プロレスに熱い視線が集中している今、もっとも注目を集めているのが昨年、衝撃的な旗揚げをはたした新団体・マリーゴールドだ。ニュースターが続々と誕生し、マット界に『黄金の花園』を着々と拡大中だ。 

そんな彼女たちのすべてがわかる『マリーゴールド公式ファンブック』(宝島社刊)が現在、絶賛発売中。この本の企画・取材・執筆を担当したのは元・週刊プロレス記者の小島和宏氏。いまではアイドル取材のイメージが強い小島記者だが『アイドル本の製作で培ったノウハウを、この一冊に叩き込みました』とのこと。そんな話題作の制作舞台裏とマリーゴールドの魅力について、小島記者が熱筆する。撮り下ろしの水着ショットも特別に大量公開!

マリーゴールド旋風が巻き起こった2024年

2024年5月20日。女子プロレス新団体・マリーゴールドの旗揚げ戦はもはや伝説となった。

ぼくも長くプロレスを見てきたが、あそこまで期待感で膨らみ、試合開始前から完全に客席ができあがってしまっている状態の後楽園ホールは、ひさびさに体感した。それこそ前田日明率いる新生UWFの旗揚げ戦以来なのでは? 平成のイメージが強いUWFだが、旗揚げ戦は昭和63年のこと。平成をすっとばし、昭和以来の衝撃が聖地・後楽園ホールを襲ったのだからインパクトは絶大すぎた。

事実、いままでに味わったことのない状況にぼくも叩きこまれた。旗揚げ戦からの1週間、4つの出版社とお仕事をさせていただいたのだが、すべての社の編集から「マリーゴールドの旗揚げ戦、見ました?」と聞かれ、会場に行ったと答えると「なにか記事を載せることはできませんかね?」と追撃。そのうちのひとつがこのニュースクランチで、すぐさま林下詩美と天麗皇希のスタジオ特写&インタビューを掲載したのだが、他社とも話が進み、いろいろな媒体にマリーゴールドの記事が躍ることとなった。

そのときに動きはじめたのが、公式ファンブック構想だった。1月17日に無事、リリースされたが、当初は旗揚げ戦の異常すぎる熱気を一日も早く全国に届けたい、と2024年9月に発売する予定で進めていた。旗揚げ戦から初のビッグマッチとなる7.13両国国技館大会までの2カ月間をパッケージし、全選手へのインタビューも収録。海外進出が決まっていた主要選手・ジュリアがまだ日本にいるうちに発売しよう、という狙いだった。

ところがジュリアの離日が思ったより早く決まり、どうやらこのスケジュールだと間に合わない、ということになった。そうなると、そこまで急ぐ必要はなくなる。よくよく考えたら、両国国技館までのドキュメントブックとなったら、本の主役はすでにマリーゴールドにはいないジュリアと、外敵のSareeeになってしまう。

過去にスポットを当てた一冊を今、作る意味があるのだろうか? 団体サイドと話し合った結果、9月に決勝が行われる初のシングルリーグ戦を最後まで追いかけて、その結果を受けて選手のインタビューを収録しましょう、となった。すでにインタビューを終えている選手もいたが、その選手については改めてインタビューを録りなおすことに。いいものを作るためなら、と全面的に取材協力してくれたマリーゴールドには感謝しかない。

試合ドキュメントと全選手インタビューなど読み物を充実させる一方で(令和の時代でも『活字プロレス』は成立する、と思っています!)、もうひとつの柱として絶対に欠かせなかったのが主力選手たちの撮りおろし水着グラビアだった。本当は全選手の撮影をしたかったのだが、やっぱりひとりあたりのページ数をしっかりと確保したい。そのあたりの兼ね合いから悩みに悩んで9選手を厳選した。