寝る前に食べない、そして間食をしない

それでは食事から消化力をよくする方法を、ご提案していきます。実はあなたの「食べ方」は、消化力を大きく左右しています。消化力を高いレベルで維持するために次のルールを守ってください。

1点は「睡眠前の3時間は、食べないこと」。もう1点は「食事は“空きっ腹”で食べること」、つまり「間食をしないこと!」です。これはハードルが高いかもしれませんが、理由を知れば納得できるはずです。

消化力の観点から見ると、「間食をしないこと」は理想です。昔の人も「食の上の食はしない」という言葉で、間食を戒めています。たとえば12時に昼食を食べ、3時に間食をしたとします。昼食の消化が中途半端なところに、間食により新たな食べ物が加わると、昼食で食べた食べ物が胃内に長く滞留して腐っていき、毒素を発生します。

また「消化力が高い人でも、消化力には限界がある」ということを忘れないでください。たとえて言えば、どんなに仕事の処理能力が高い人でも、休みなく業務を任されると、やがて疲れてしまうことでしょう。突然心身の病気になるかもしれません。それとまったく同じことです。ともあれ、間食に依存している人は多いもの。まずは間食の量を減らすところから始めましょう。それが、消化力を高められるかどうかの分かれ目です。

糖質を絶って消化力を上げる

ここからは「断糖」という考え方を、詳しくご紹介します。「初めて聞いた」という人にもわかりやすく説明してみましょう。

断糖とは、一切の糖質(炭水化物)をやめること。「果物はだめ」「野菜は食べなくてもよい」という考え方です。断糖に加えて運動も行えば、消化力は高いレベルで維持されます。なぜなら「断糖メニュー」では消化力を維持するのに必要な栄養素が得られやすいから。糖質ばかりを摂取していては、そうはいきません。私自身、断糖歴5年目ですが、スタートした最初の3カ月で17㎏も痩せました。それ以降、風邪一つひかず健康を維持し、精力的に仕事に取り組めています。

断糖で摂るべき食材とは、平たく言うと、血糖値を上げない食材です。肉類(赤身肉がおすすめ)、魚介類、卵(1日3~4個でもOK)、豆腐など。副原料なしのビールはOKです。

「糖を絶つなんて!?」と驚く人がいるかもしれません。しかし、人間が糖を摂らなくても生きていけることは、イヌイットたちによって証明されています。彼らは氷雪地帯に暮らしているため、穀類や野菜や果物を食べていません。主食はクマやアザラシの肉だけ。しかしイヌイットたちは、虫歯はおろか、心筋梗塞や糖尿病、がんなどの大病をほとんど発症しなかったのです。

消化力を上げるためには、断糖から始めましょう。断糖を3日も続ければ、体重の低下や心身の小さな不調の改善など、明らかな変化を実感できるはずです。