朝食はマクドナルドと吉野家、食べるならどっち?

さて昨日まで、食事の基本的な理論を押さえたところで、具体的にどのような食事がいいのか、説明していきましょう。

まずは朝食。選択としては、マクドナルドのハンバーガーもあるし、吉野家の牛丼もあるし、自宅でパンをかじって会社に向かう人もいることでしょう。

私のおすすめは「焼き魚定食」です。焼き魚定食がどういう点で優れているのか、成分を比較してみましょう。

対象商品は吉野家の『焼魚定食』と、マクドナルドの『ソーセージエッグマフィン』です。

焼魚定食:544(総カロリー)/21.7(タンパク質)/9.8(脂質)/88.4(炭水化物)
ソーセージエッグマフィン:475(総カロリー)/21.5(タンパク質)/30.6(脂質)/27.3(炭水化物)

総カロリーを見ると、2つにそれほど大きな違いはありません。しかし、脂質を見てみると、吉野家のほうが少ないことがよくわかります。

脂質は、人間が生きていく上で欠かせない三大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)のひとつで、身体を動かすエネルギー源として使われるほか、神経組織や細胞膜、ホルモンなどの原料となります。

しかし、三大栄養素の中では最もエネルギーの大きい栄養素であるため、過剰に摂取すると生活習慣病や肥満などの原因になってしまいます。いわゆるアブラ――“油”“脂”です。

「焼魚定食」は「ソーセージエッグマフィン」に比べて、脂質は半分以下です。しかも、魚の脂はDHA・EPAといって、動脈硬化を防ぐ効果が確認されています。これは最も優れている脂で、薬になっているほどです。

▲魚の脂は動脈硬化を防ぐ効果が確認されている イメージ:PIXTA

単純に脂の量が多い少ないということもありますが、良質な脂を摂るのか、体に悪い脂を摂るのかだけを考えても、どちらがいいかは言うまでもありません。

しかも、マクドナルドの場合、コーラなどとセットにするケースが多いようですから、総カロリーはもっと上がるはずです。

朝ごはんは、これまで述べてきたように睡眠のリズムにも影響を与えるなど、いろいろなものをリセットする意味合いもあります。食べることによって血糖値を上げるのも大切な効果ですし、きちんと噛むことは肉体的にも精神的にもいいので、朝ごはんを食べるのならば、焼き魚定食を選ぶのが賢明です

「毎朝、吉野家には行けないよ」と言うのであれば、まえの晩、仕事帰りにコンビニで「鮭にぎり」を買って帰ってきて、出かける前に自宅で食べてもいいでしょう。もちろん、自宅で作って食べる余裕があれば、外食やコンビニ飯はおすすめしませんが。

焼き魚定食以外では、納豆定食や玉子かけご飯定食など、わかりやすい“日本食”が朝食に合うと思います。