「低GI食」が肥満を予防する

夕ごはんについても簡単に述べておきましょう。

夜は塩分の制限は緩めでいいので、多少濃い目の食事でも問題ありませんが、一方でカロリーの吸収率が良くなっています。夜になればなるほど吸収がいいので、10食べると10栄養になって身体に貯蓄してしまい、肥満の原因になることだけは肝に銘じておいてください。

また「牛乳は夜に飲みなさい」と言われるのは、夜はカルシウムの吸収が良くなるからです。不足しがちなカルシウムは夜に摂取したほうが効果的でしょう。牛乳でなくても、小魚でも干しエビでもいい。論理さえ知っていれば、どう変えてもいいわけです。

ただ、夕ごはんにおいて大切なのは「低GI食」を中心にするということ。では、GIについて学んでいきましょう。

「GI」とは「Glycemic Index(グリセミック・インデックス)」の略で、食品ごとの食後の血糖値の上昇度を示す指標のことです。

食品はそれぞれ身体に吸収される率が違うので、血糖値がなかなか上がっていかない食品は「吸収率が悪い=身体にはいい」という「低GI食」という考えを、1981年にデヴィッド・ジェンキンズ博士が提唱したものです。

GI値の計算式は、ブドウ糖と比較して、いかにゆっくり吸収されるかどうかを見ていきます。

  • GI値=食べ物による血糖値上昇曲線の面積÷ブドウ糖による血糖値上昇曲線の面積

2003年にWHOから「過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを、低GI食品が低減させる可能性がある」というレポートが出されたことから研究が進行し、食品メーカーは食物繊維が多く、エネルギー密度が少ないGI値の低い食品を求めていました。

低GI食品は、現代人につきものの肥満やメタボリック・シンドロームの予防や改善の観点からも注目されています。

GI値の基準は、炭水化物50gを摂った時に上昇する血糖値の度合いをGI値100とし、GI値が55以下を低GI食、56~69を中GI食、70以上を高GI食と定義しています。

最近「ご飯(お米)が太るからダメだ」と言われているのは、ご飯が高GI食だからです。食べるとすぐに血糖値が一気に上がるので、ご飯を控えなさいと言われるわけです。しかし、本当にそうでしょうか。

▲ご飯は高GI食であるが… イメージ:PIXTA

私は、朝にごはんをしっかり食べることを提案しています。

朝ごはんを抜いた子どもは勉強ができない、イライラする、喧嘩っ早いと言われるのは、脳にエネルギーを与えていないからエネルギー不足なわけで、朝はきちんとエネルギーを摂る必要があるのです。

以前は、朝はチョコレートや甘いジュースなど糖分だけでいいという極端な意見もありました。しかし「噛む」ことの重要性が明らかになってきて、栄養のバランスも重要だということがだんだん分かってきました。

一日を元気に活動するためには、一日分の脂も炭水化物も、そしてタンパク質も必要で、飴1個だけではダメだというのが定説になっています。食事はバランス良く取らないといけません。