ヨーグルトは“毒”になり得る
納豆や漬物は、発酵食品という点でも非常に優れた食品です。
発酵食品というと、まず「ヨーグルト」を思い浮かべる人が多く、特に女性は盛んに摂取しているようです。
しかし、ヨーグルトというのは乳製品で、実は脂肪そのもの。「脂の塊」といっても過言ではないでしょう。
さらにいうと、異種タンパク質――人間とは違う種類の生き物のタンパク質――ですから、人間には毒となる可能性も否めません。
ただし、ヨーグルトにもいいところはたくさんあります。それは、善玉菌として腸内環境を整えてくれる「ビフィズス菌」という発酵した菌が含まれているところですね。
漬物も発酵食品、納豆も発酵食品。
これらは腸内細菌に直接作用して、腸内細菌をコントロールします。これが意味するところは「腸管免疫を変える」ということなので、身体の免疫を変えられることにつながります。
これまで触れてきた食物繊維は、腸内細菌の栄養となります。
さらに、繊維質を食べることは腸内の掃除をすること、つまりは腸内細菌を調節するという意味もあります。
腸内細菌に栄養を与えるために食物繊維を摂って、そこにもう少し刺激を与えるために違う菌を植え付けるという意味で納豆や漬物がいいわけです。
お酒もいいですね。日本酒は発酵食品の代表格ですし、ビールもワインもそうです。そのほかには味噌、醤油などもおすすめです。
そう考えると、お味噌汁にシイタケとワカメを入れることがどれだけ身体にいいか、お分かりいただけたと思います。しかも、これだけで一日に必要な20gの食物繊維を摂ることは容易ではないでしょうか。
ところで、日本人に大腸がんが増えた原因として、西洋的な食事の摂取が挙げられています。肉やバターなど、肉食系が悪いと言われていますが、因果関係を実証する確実なデータはありません。
大腸がんの原因を探るヒントとなるのは、アメリカで大腸がんが増えた時期です。それは、高速道路の開発が進み、流通が発達した時期に一致します。この頃、テレビや洗濯機が一気に普及しますが、忘れてはならないのは冷蔵庫の存在でしょう。食品の保存方法が大きく変わったからです。
どうやら、肉類は保存方法によっては発がん性が問題になるようです。魚も、中国で作られている燻製の魚の一部には、発がん性があることがわかっています。
※本記事は、今津嘉宏:著『115歳が見えてくる“ちょい足し"健康法』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。