バイクで1000カ所以上の「道の駅」を回りながら、ご当地ソフトクリームを探求する平賀由希子さん。ライダーなら誰もが憧れる北海道ツーリングで、道内各地の道の駅グルメと観光スポット巡りを満喫。今回は網走~摩周湖までの旅をお届けします。

編集部注:この取材は、緊急事態宣言前に新型コロナウイルスの感染拡大防止に注意しながら行いました。

絶景を期待して日の出スポット「能取岬」へ

まだ外が暗いうちに起床しました。能取岬(のとろみさき)が日の出スポットということで、今朝は日の出を見に行こうという計画です。

日の出時刻が4時50分だったので、岬に4時30分に着けばいいかなと思っていたのですが、走っている途中で日の出の方角が真っ赤になり始めました。それこそ、燃えるような赤色という表現がぴったり。あまりのきれいな空に心奪われましたが「大変! 日が昇っちゃう!!」と、急に焦りが募ります。

暗闇の森の中を抜けると、一気に視界が開けて、海と草原と朝焼けが目の前に広がってきました。駐車場にバイクを停め、急いで海岸へ。写真を撮るのに良さそうなポイントを見つけて、遊歩道から草むらに入ると、いきなり虫の大群が襲ってきました。

蚊なんでしょうが、やたら大きい。もうそれからは、日の出どころじゃなくなってしまいました。写真を撮ろうとすると刺されるし(こやつらジーンズの上からも平気で刺してくるんです)、追い払うのに必死です。すごくきれいな日の出だったのに、落ち着いて見ることができませんでした(泣)。

▲能取岬からの日の出です

ホテルへ戻って、ひと休みしてからチェックアウト。

ベタな観光地ですが(笑)、博物館網走監獄へ行ってみることにしました。入館にはマスク着用必須。見学している人はそんなに多くありません。敷地内がかなり広くて、全部見て回るのに1時間以上かかりました。なかなかの疲労感です。実際に刑務所として使われていた建物を移築しているので、物々しい雰囲気です。

女満別へ向かう途中で、コンクールで世界一になったことがあるという、ジェラテリアの『Rimo』に立ち寄りました。アイス好きとしては、“世界一”の称号を聞いたら、絶対に食べなくてはいけません。

ここのジェラート、世界一の冠は伊達ではありませんでした。食材の組み合わせが気になった、栗チップブルーベリーとハスカップコーンを選んだのですが、栗のチップブルーベリーが本当においしい!

▲”世界一”も納得の美味しいジェラートでした

栗のジェラートにチョコチップって相性抜群だし、ほのかにラム酒ぽさも感じて(入ってなかったらすみません)、まさに大人のジェラート! ハスカップとトウモロコシという組み合わせも面白いですね。次はオーソドックスなジェラートも食べてみたいな。網走に来ることがれば絶対にまた食べたいジェラートです。

「ぐるっとパノラマ美幌峠」絶品の熊笹ソフト

「道の駅メルヘンの丘女めまんべつ」に到着。

この道の駅のそばに、絶好の写真ポイントがあるんです。駅名にもなっている、メルヘンの丘がそれ。

丘の上に7本のカラマツの木が並んでいて、周りはじゃがいもや麦の畑になっています。曇天だったのでいまひとつでしたが、晴れていたらきっといい景色なんだろうな。小さいですが駐車スペースもあって、目の前にバイクを停めることができました。

この日は他に誰もおらず、貸し切り状態。普段はかなりの人気スポットなので、ゆっくりと写真を撮ることができてラッキーでした。

▲メルヘンの丘。晴れていればもっといい写真になったはず

続いて向かったのが美幌峠です。この峠に道の駅があり、屈斜路湖を一望できる絶景ポイントになっています。

ですが、途中の交通情報で霧注意の表示が。案の定、標高が上がるにつれて霧が出てきました。霧が濃くなると前がほとんど見えません。スピードを落として走行します。センターラインを見失わないように、なおかつ対向車に気をつけて走ります。

「道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠」に着いたときには、霧で真っ白になってしまいました。まったく何も見えず、気温も低くなって少し寒いくらい。

ジャケットは3シーズン用のしっかりとしたものを着ていたので、走っていて凍えるほどではありませんが、少し肌寒さを感じました。夏用のメッシュジャケットを着てこなくて大正解です。暑いのは我慢できても、寒いのは耐えられませんから。

▲霧で周りが全く見えません

本当なら、展望台から屈斜路湖を見る予定でしたが、これでは行っても何も見えないと判断し、すぐに道の駅へ。もうひとつの目的、ここに来たら必ず食べようと思っていた「熊笹ソフトクリーム」を買いに行きました。

これまでにも熊笹ソフトクリームは何度か食べたことがありますが、お茶のような味がするものが多いんです。でも、ここの熊笹ソフトは全然味が違います。わかりやすく言うと、新潟の笹団子の味。なるほど、これが熊笹の味か~と妙に納得です。熊笹ソフトでは、ここが1番かも!

▲今まで食べてきた中ではナンバーワンの熊笹ソフト

食べ始めて、最初はおいしい〜なんて思っていたのですが、気温の低さと相まってだんだんと体が冷えてきました。ほとんど人のいない駐車場で、ガタガタ震えながら完食。あとで食べるおやつ用に、名物の「峠の揚げいも」を購入して、急いで山を下ります。少し下ると霧もなくなり、ちらっと屈斜路湖の姿が見えました。気温も上がって快適。

このあとは、屈斜路湖沿いに川湯温泉を通って、そこから摩周湖へ向かう予定です。