バイクで1000カ所以上の「道の駅」を回りながら、ご当地ソフトクリームを探求する平賀由希子さん。ライダーなら誰もが憧れる北海道ツーリングで、道内各地の道の駅グルメと観光スポット巡りを満喫。今回は網走~摩周湖までの旅をお届けします。
絶景を期待して日の出スポット「能取岬」へ
まだ外が暗いうちに起床しました。能取岬(のとろみさき)が日の出スポットということで、今朝は日の出を見に行こうという計画です。
日の出時刻が4時50分だったので、岬に4時30分に着けばいいかなと思っていたのですが、走っている途中で日の出の方角が真っ赤になり始めました。それこそ、燃えるような赤色という表現がぴったり。あまりのきれいな空に心奪われましたが「大変! 日が昇っちゃう!!」と、急に焦りが募ります。
暗闇の森の中を抜けると、一気に視界が開けて、海と草原と朝焼けが目の前に広がってきました。駐車場にバイクを停め、急いで海岸へ。写真を撮るのに良さそうなポイントを見つけて、遊歩道から草むらに入ると、いきなり虫の大群が襲ってきました。
蚊なんでしょうが、やたら大きい。もうそれからは、日の出どころじゃなくなってしまいました。写真を撮ろうとすると刺されるし(こやつらジーンズの上からも平気で刺してくるんです)、追い払うのに必死です。すごくきれいな日の出だったのに、落ち着いて見ることができませんでした(泣)。
ホテルへ戻って、ひと休みしてからチェックアウト。
ベタな観光地ですが(笑)、博物館網走監獄へ行ってみることにしました。入館にはマスク着用必須。見学している人はそんなに多くありません。敷地内がかなり広くて、全部見て回るのに1時間以上かかりました。なかなかの疲労感です。実際に刑務所として使われていた建物を移築しているので、物々しい雰囲気です。
女満別へ向かう途中で、コンクールで世界一になったことがあるという、ジェラテリアの『Rimo』に立ち寄りました。アイス好きとしては、“世界一”の称号を聞いたら、絶対に食べなくてはいけません。
ここのジェラート、世界一の冠は伊達ではありませんでした。食材の組み合わせが気になった、栗チップブルーベリーとハスカップコーンを選んだのですが、栗のチップブルーベリーが本当においしい!
栗のジェラートにチョコチップって相性抜群だし、ほのかにラム酒ぽさも感じて(入ってなかったらすみません)、まさに大人のジェラート! ハスカップとトウモロコシという組み合わせも面白いですね。次はオーソドックスなジェラートも食べてみたいな。網走に来ることがれば絶対にまた食べたいジェラートです。
「ぐるっとパノラマ美幌峠」絶品の熊笹ソフト
「道の駅メルヘンの丘女めまんべつ」に到着。
この道の駅のそばに、絶好の写真ポイントがあるんです。駅名にもなっている、メルヘンの丘がそれ。
丘の上に7本のカラマツの木が並んでいて、周りはじゃがいもや麦の畑になっています。曇天だったのでいまひとつでしたが、晴れていたらきっといい景色なんだろうな。小さいですが駐車スペースもあって、目の前にバイクを停めることができました。
この日は他に誰もおらず、貸し切り状態。普段はかなりの人気スポットなので、ゆっくりと写真を撮ることができてラッキーでした。
続いて向かったのが美幌峠です。この峠に道の駅があり、屈斜路湖を一望できる絶景ポイントになっています。
ですが、途中の交通情報で霧注意の表示が。案の定、標高が上がるにつれて霧が出てきました。霧が濃くなると前がほとんど見えません。スピードを落として走行します。センターラインを見失わないように、なおかつ対向車に気をつけて走ります。
「道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠」に着いたときには、霧で真っ白になってしまいました。まったく何も見えず、気温も低くなって少し寒いくらい。
ジャケットは3シーズン用のしっかりとしたものを着ていたので、走っていて凍えるほどではありませんが、少し肌寒さを感じました。夏用のメッシュジャケットを着てこなくて大正解です。暑いのは我慢できても、寒いのは耐えられませんから。
本当なら、展望台から屈斜路湖を見る予定でしたが、これでは行っても何も見えないと判断し、すぐに道の駅へ。もうひとつの目的、ここに来たら必ず食べようと思っていた「熊笹ソフトクリーム」を買いに行きました。
これまでにも熊笹ソフトクリームは何度か食べたことがありますが、お茶のような味がするものが多いんです。でも、ここの熊笹ソフトは全然味が違います。わかりやすく言うと、新潟の笹団子の味。なるほど、これが熊笹の味か~と妙に納得です。熊笹ソフトでは、ここが1番かも!
食べ始めて、最初はおいしい〜なんて思っていたのですが、気温の低さと相まってだんだんと体が冷えてきました。ほとんど人のいない駐車場で、ガタガタ震えながら完食。あとで食べるおやつ用に、名物の「峠の揚げいも」を購入して、急いで山を下ります。少し下ると霧もなくなり、ちらっと屈斜路湖の姿が見えました。気温も上がって快適。
このあとは、屈斜路湖沿いに川湯温泉を通って、そこから摩周湖へ向かう予定です。