バイクで1,000カ所以上の「道の駅」を回りながら、ご当地ソフトクリームを探求する平賀由希子さん。ライダーなら誰もが憧れる北海道ツーリングで、道内各地の道の駅グルメと観光スポット巡りを満喫。今回は紋別~網走までの旅をお届けします。

編集部注:この取材は、緊急事態宣言前に新型コロナウイルスの感染拡大防止に注意しながら行いました。

朝はコーヒーを飲みながらルートチェック

キャンプ場の朝は早い。日の出とともに起きる人も多い気がします。私もキャンプでは早寝早起きがすっかり身について、5時までには目が覚めることが多かったかな。この旅では「暗くなったら寝る、明るくなったら起きる」そんな生活が続きました。ソロキャンパーの人は、皆さんテントに入るのが早かったように思います。

▲紋別の朝日です

起きたら外に椅子を用意して、コーヒーを飲みながらのんびりするのが最高に贅沢な時間です。空気が澄んでいて清々しいし、朝焼けや日の出を見たり、早朝のひと時をゆっくり楽しみます。日記を書いたり、ルートを確認するのも、この時間です。夜はどうしても睡魔に勝てずでして……。お盆過ぎの北海道は、日中暑くても朝晩はだいぶ涼しかったので、寝袋に入らないでいると、夜中や明け方に寒くて目が覚めることもありました。

この朝のコーヒーのお供は「道の駅おこっぺ」で買った「おこっぺ発酵バターケーキ」。バターの風味がしっかりとしていて、ふわっとした食感でコーヒーによく合います。朝ご飯代わりにもなって一石二鳥という感じ。コーヒーを飲みながら、次の道の駅までの所要時間を調べて、開店時間までに到着するようにキャンプ場を出発することにします。

まだまだキャンプ初心者の私は、テントの撤収や、パッキングに1時間以上かかるので、出発時間から逆算して片付けを開始。それでも予定時刻には出発できないのですが(汗)。7時頃になるとだいぶ日が高くなるので、天気が良い日はこの作業だけで汗だくに。紋別のキャンプ場には日陰がなかったので、暑くて汗だくになりながらの撤収作業でした。

「携帯電話不通区間」の看板に大緊張

この日、ひとつ目の道の駅は「道の駅まるせっぷ」。紋別から南に行ったところにある道の駅です。

今はバイクでもナビを使って走る人が多いのですが、私はまだまだアナログ派。メインで使っているのは地図なんです。地図を見ると、最短なのは道道を通るルート。ただ、過去に県道だから安心と思って行ったら、とんでもなく荒れた道で大変な目にあったことが何度かありまして。

そこでGoogle mapで路面を確認します。Google mapによると、対面通行の広い車線で、路面も大丈夫そう。「便利な世の中になったし、ありがたいな〜」と、安心していたのはここまででした。恐るべし、北海道の大自然! この道道、山の中を通る道だったんですが、しばらく走ると「この先携帯電話不通区間」の看板が出てきました。周囲には店も民家もありません。事故やトラブルに遭ったら大変と、いつも以上に神経を尖らせて運転します。

特に、鹿なんて飛び出してこようものなら、大怪我の可能性もあります。バイクは生身の体をさらしているので、ぶつかったらひとたまりもありません。途中、唯一あった施設『旧上藻別駅逓所』に公衆電話が用意されていましたが、電話があるのはそこ1か所だけ。通った時間が早かったからなのかもしれませんが、交通量もほとんどなく、かなり心細かったです。

そんなドキドキの峠越えを経て「道の駅まるせっぷ」に到着。ここは山間にある道の駅です。実は以前にも訪れていたので、ここではスタンプだけ押して、すぐに出発してしまいましたが、木工品が特産品で、木を使ったかわいい製品がたくさんおいてあります。