アメリカ大統領選の争点ともなった新型コロナウイルス。中西部に位置するミネソタ州はコロナが始まって以来、陽性者数は低めで安定していたのだが、寒くなってきた10月末から記録を更新中で、アメリカ全土の中でも陽性者数の多さが目立つまでになってしまった。
ニュースからは伝わってこないアメリカの実情。どのような新型コロナウイルス感染拡大防止対策が取られたか、また人々の意識はどのように変化したかなど、現地在住者の目線からレポートしてもらった。
学校に行っても仲良しの子と会えない娘のストレス
私の住むアメリカ中西部のミネソタ州では、3月中旬からのロックダウンを経て、ある程度は普段の生活を取り戻しつつある。とはいえ、現在の状態は回復したというよりは慣れてきたというのが正しいかもしれない。
州内の学校は、3月中旬から6月上旬の学期末までオンライン授業、そしてそのまま夏休みへと突入した。夫の仕事も完全オンラインとなり、家族一緒に過ごす濃密な6ヶ月となった。
コロナが始まった春先は、きっとコロナもインフルエンザと同じのように季節性で、夏になれば太陽光も強いし湿度も高くなり、コロナが収束するのではないかと期待を抱いていたが、楽観的観測は外れてしまった。
9月からは新学期が始まり、学校の対面授業がいよいよ開始するかと胸を高まらせたが、コロナ禍での新学期はオンライン授業とハイブリット式授業と呼ばれる2種類からの選択となった。「ハイブリット式授業」とは週に2〜3日学校へ通い、残りの日数はオンライン授業というスタイルだ。
しかし、陽性者率の高い地域は全学年完全オンラインや、自主学習ができる高校生はオンラインなどさまざまである。私の娘が通う学校では、開校に際して水飲み場が撤去され、代わりにボトルに給水するタイプの給水機や検温機が設置された。
また空気中のインフルエンザや風邪、コロナウイルスなどの病原菌を除去する空気清浄機が各教室に設置され、1クラスの人数を減らし、机は6フィート(180cm)離し、廊下には6フィートおきにテープが貼られ、廊下は一方通行にするなど、できるだけ生徒同士が同じ場所で溜まらないよう工夫を施してある。
今まで昼食は、カフェテリアでとっていたのだが、教室でとるようになり、休憩時間は他のクラスとは一緒にならないように運動場へ移動、遊ぶ区域までクラスごとに区切られているという徹底ぶりだ。
小学1年生の娘は、昨年同じクラスだった仲良しの子と別のクラスになって、会えるのは休憩時間だけなのに話せない、近寄れないとストレスを溜めている。
11月中旬には第3波が押し寄せ、陽性者数が再び急激に伸びてきた。それに伴い濃厚接触者への14日間の自粛などから、教師やスタッフが次々と自粛に追い込まれ、学校での陽性者は出ないものの人員不足が顕著化してきている。
また自主的にオンラインに変える学童も増え、小学校では感謝祭の休暇の延長と12月からの完全オンライン授業が発表された。
娘はまだ小さいので、オンライン授業となると課題を読んだり提出物のスキャンやアップロードをしたりなど、何かとサポートが必要で、私はほぼ付きっきりになる。家族全員が家にいる夏休み以上の家事に、オンライン授業のサポートをしていると、専業主婦の私であっても負担が大きい。
共働きをしている夫婦は、どのようにしているのか、他の家庭を見てみたいものだ。