息の合ったしゃべくり漫才で「M-1グランプリ」では2018・19・20年と3年連続ファイナリストとなった見取り図(盛山晋太郎[写真左]・リリー[写真右])。ツッコミの盛山晋太郎とボケのリリーの小気味いい会話のやりとりは、バラエティー番組などでも存分に発揮されている。
この連載では、歯に衣着せぬ発言を恐れない2人に、“男がかっこいいと思う男とは?”というお題のもと、自由気ままに語ってもらう。更に、イラストも描いてかるたを作る!
――今回は「し」でお願いします。
リリー し、意外に難しいな。進化を続けるやつ。
盛 山 漫才でもそうやな。常に挑戦する姿勢、進化。やっぱゼニガメかわいいけど、カメックスになったら、もの凄いかっこええもん。
リリー うん。
――ポケモンですね。
盛 山 あ、またギャロップ林さん言いかけた…。
――どうぞ(笑)。
盛 山 あの人は退化してるけどって言いかけた。
――退化してるんですか?
盛 山 頭皮が退化してる。
リリー 後退してる。あ、霜降り明星。
盛 山 霜降り明星めっちゃかっこいいんちゃいます?
リリー うん。
盛 山 あの若さでM-1チャンピオンはもちろん、あんまりみんなに言われてないですけど、コンビのYouTubeチャンネル100万登録いったんですよ。100万超えてる芸人さんって、ちらほらいらっしゃいますけど、お笑いに重心をおいてコンビでチャンネルやって、YouTuberでなくお笑い芸人が基本で100万いったの初めてなんですよね。
――凄いですね
盛 山 なんで、あんまり騒がれてないんかなって。100万いくまで、今はわからないですけど案件しないコラボも誰ともしてない、ただただ霜降り明星だけで100万いって、こんな凄いことないですよ。
――毎日ぐらい更新されてませんでした?
盛 山 そうです、ほぼ毎日ですよ。昔からスタンスも変わってないし、十分スターですよ。僕一緒に住んでたんですけどね、せいやと。
――それは何年前とかですか?
盛 山 4〜5年前ですかね。
リリー あ、でもそんな最近か。
――そんな経ってないくらいの感覚ですけど。
盛 山 掃除機のかけ方も米の炊き方も洗濯の仕方も知らなかった坊やなんですけどね。
リリー (笑)。
盛 山 M-1のチャンピオンになる方法だけは知ってみたいですわ。
――かっこいいですね。
盛 山 “屍を超えていけ”。骸を踏んづけてでも登っていくという、それはかっこいいことですし、僕らで言ったらM-1もそうよな。予選で敗退した屍を超えてってチャンピオン目指す。どんな競技でもそうなんですけど。
リリー うん。たしかにな。その屍の変わりに俺らは舞台に立つし。
盛 山 もちろん僕らもいっぱい屍になってきましたしね。
リリー うん。
――ライバルがいるということはそうですね。
リリー 志村けんさん。最期までずっと芸人だった。
盛 山 最後までお姉ちゃんが好きでって、ホント、僕らの憧れですよ。
リリー うん。志村けんさんかっこいい。
盛 山 だって、今はもうお姉ちゃんと遊ぶいうたら叩かれる時代ですけど、志村さんは国民が“志村けんさんだから”っていう流れあったじゃないですか。そう思わせるぐらい、お姉ちゃんと遊んで、お笑いもし続ける、ずっとコントもやり続けてる。かっこいいです。
リリー 凄いよな、志村さん。
――たしかに結婚もしないで、なんか貫いてますよね。
盛 山 いつまでも僕らも異性を意識したいですよね。
――異性?
盛 山 モテなくなったらたぶん終わりよな。
リリー うん。頑張れる。
盛 山 芸人なんてもんは、最初はそういうルーツじゃないですか。モテたい金持ちなりたい、社会でどうしようもないのが、最後の手段で選んでたのが芸人やったんすけど、今はちゃうもんね。
リリー そうやな。
――なりたい人はいっぱいいますからね、芸人さんに。
リリー だって金儲けしたいんだったら、ちゃうもんな、ホンマに。
盛 山 効率、金儲けとしては効率悪すぎるもんな。ビジネスとかね。
リリー ほんまにそうやな、やりたいからやっとるだけやから。
盛 山 だから、そういう意味で、し、幸せですわ、僕らは…。
――……あれ。はい。
盛 山 覚えました、会話のテクニック。会話の流れで「し」から始まる言葉を言うテクニック。
――(笑)。