自分の趣味を肯定してくれる人

13歳年下の彼を射止めたKさんは、なかなかやりおる戦力外女子のひとりです。

Kさんの彼は、元部下だった男性。

こう書くと、年増のお色気部長が若い男を……的な絵が浮かびますが、当の本人は屋台の焼きトウモロコシのようにサバサバした快活な女性です。いい意味で、ウエットな女っぽさゼロ。

なら、彼はKさんのどんなところに惹かれたと思うか、彼女に聞いてみました。

いわく「あー、私、ガンプラとか捨てないからじゃね?」とのこと。

ガンプラとは、『機動戦士ガンダム』のプラモデルのことです。

Kさんの彼はプラモ集めが趣味で、コレクションをたんまり持っている。職場でもよく話をしていたし、Kさんもアニメが嫌いじゃないので、おもしろく聞いていたそうです。

そんなとき「夫が大事にしていたフィギュアを勝手に売った妻」の話題がネットを賑わせました。この妻の言い分は「いい年して気持ち悪いし、もういらないと思った」というものだったと思います。

これにKさんが「夫が大切にしているものを勝手に売るとか、ありえないね」と吐き捨てると、彼が「Kさんは売らないんですか?」と反応。

「売るわけないじゃん。活力になる趣味やコレクションがあるっていいことだよ」と答えると、丸かった彼の瞳がじわじわハート型に変わっていったそう。

もともと、女性に対して「自分の趣味を否定する存在」という偏見を持っていた彼は、Kさんの内面を知るほど、好きになっていったのです。

▲趣味に関して考えかたが違うとケンカにも… イメージ:PIXTA

「うちは上司と部下の距離が近いし、私も女オンナしてないから、話しやすかったのかも。それまでも残業帰りにご飯したりしてたけど、だんだん回数が増えてった」と、Kさん。

ふたりの関係を決定づけたのは、職場のチームで計画していた旅行が流れて「じゃあ、ふたりで行こうか」という話になったこと。Kさんの彼は、近々転職が決まっていた彼女と離れがたく、真剣な交際を申し込んだとか。それから1年ほどして、彼らは結婚しました。

Kさんの彼は、結婚前よりスパークしてガンプラを楽しみ、彼女はそれを見守っています。「私も働いてるから、自分のお金で好きなもの買ったらいいじゃんって思えるし、こっちも好きにやってるよ」と、Kさん。その笑顔はものすごく幸せそう。

ボーイッシュでさっぱりした彼女ゆえ、年下男子も性差を意識せず接せられたのだと思います。そして、近づいてみるとその思いやりが女性らしい魅力となって立ちのぼり、彼を陥落させたのでは。

女っぽすぎな女性には、ちょっと引いてしまう――。そんな奥手な年下男子も、戦力外女子には狙い目です。