ディープなローカルネタにさすがの兼近も置いてけぼり

りんたろー。の地元だけに会場は最初から熱烈歓迎ムード。それなのに彼曰く「俺が先にステージに出てきたら、客席のみんなが『兼近まだかな?』って思ってる空気を感じるのよ、俺の地元なのに!」。実際はもちろんそんなことはないのだが、そのすねた様子に場内は大爆笑。

りんたろー。は他にも、中学生の頃、地元のスーパー『ユニー』でダブルデートしたあとにカツアゲされた話や、ファーストキスの思い出などを懐かしそうに披露、漫才の最中には「おれたちにゃ明日がある~」の歌で地元ではお馴染み『学生服のやまだ』のCMソングを歌ったり「浜松市民は“おいしょー”と言いながら街を練り歩くんだよ」と『浜松まつり』独特の掛け声に言及したり、はては80年代に流れていた懐かしのローカルCM『お弁当 どんどん』のCMを再現したりと、ディープな地元ネタを連発して終始兼近を置いてけぼりにし続けていた。

▲りんたろー。が次々に放つディープな「浜松あるあるネタ」に若干引き気味の兼近

恒例『方言男子』のコーナーもまたディープ。「パルパルって平日勝手に休んでるらー」(byりんたろー。)は、地元民でない私はさっぱり意味がわからなかったので、あとでお客さんに聞いてみたら「浜名湖にある『パルパル』っていう遊園地が、今は平日休園になってるんですよ。前から臨時休業も多いんですけど」とのこと。ずいぶん自由な遊園地のようだ。

一方、兼近は「うちっちのこと好きだら?(=俺のこと好きでしょ?)」と甘酸っぱいトーンで囁いたのだが、りんたろー。に言わせると「“うちっち”は浜松じゃなく静岡市なのよ」とのこと。同じ県でも地域によって言いかたが異なるらしい。

3本目の漫才「テナガザル」では、兼近がオチを忘れるというアクシデントが。珍しく焦った様子で「オチの言葉を忘れてしまいました……」と告白した兼近は、りんたろー。にヒントをもらってなんとか思い出そうとしていたものの、本当に頭が真っ白になってしまったようで、しまいには「助けてー!!」と絶叫。その様子を見て場内はめちゃくちゃ盛り上がっていた。こういうハプニングはライブならではの楽しみでもある。

訪問地ごとに異なる特別企画の浜松編は『コンビネーション風船運び』。ステージ後方にある風船を手を使わずに協力して運び、大きい箱に入れた場合は1ポイント、小さい箱に入れた場合は2ポイント、90秒以内に合計10ポイント取れればOKというもの。

兼近は「楽勝でしょ」と自信満々、りんたろー。もサッカーのリフティングの要領で器用に風船を蹴り上げ、それを兼近が胸で押さえ、りんたろー。が迎えに行くという段取りで、コンビネーションの良いところを見せる……かに思われたが、兼近が途中からなぜか顔で挟みにいったため、足を使ったりんたろー。が兼近を踏みつけているようなヴィジュアルになってしまい、会場がざわめいた。

▲「コンビネーション風船運び」の一コマ。りんたろー。が兼近を踏みつけているわけではない(笑)

意外に苦戦しながらもなんとか入れていったが、最後はお互い、風船を股間のビミョーな位置で挟んでしまい、思いがけず密着してしまう二人(笑)。兼近がめちゃくちゃイヤそうな表情で運んでいたのが印象的だった(もちろんこのシーンにはひときわ大きな嬌声が上がっていた)。

▲微妙な場所で風船を挟んでしまい、イヤがる兼近

そんなわけで今回は1回目でミッションコンプリートとなり、会場の中から抽選で20名にツアー限定ステッカーが贈られたのだった。

終盤、おなじみ椎名林檎『丸の内サディスティック』のカバーを披露したあとは、ラストに『I got it get it feat.Da-iCE』を熱唱して、1時間20分に及んだ浜松公演は興奮のうちに終了した。

▲まさに「熱唱」という言葉がふさわしいパフォーマンスで沸かせた

地元の友人たちとの心温まるひととき

終演後、楽屋での動画収録を終えたりんたろー。が地元の友人たちの前に姿を現わした。再会を喜び、途端に華やかな空気に包まれる室内。友人たちの子どもを見て「大きくなったなぁ」と感慨にふけるりんたろー。に向かって、旧知の1人が「りんちゃんよりも相方さんに会いたいんだけど」と言って、りんたろー。本人に兼近を呼びに行かせていた(笑)。

▲終演後、子どもたちと写真を撮る2人

地元の友達ならではの雑な扱いは、親密さの証拠なので微笑ましい。「酷いよね!」と言いながらも、うれしそうに兼近を呼びに行くりんたろー。は本当に懐が深い。このやりとりだけでも、彼がみんなに愛されている理由がわかる。

▲地元の仲間の皆さんと記念撮影。左端がりんたろー。のバイト仲間の市川さん

市川さんはというと、その様子を微笑みながら静かに見守っていて、りんたろー。と交わす言葉は少なめ。「久しぶりに会ったのに話さなくて大丈夫ですか?」と聞くと「会ってもあまり喋らないですからね」。双方の穏やかな人柄がうかがえて温かな気持ちになった。

最後は大人も子どもも混じっての撮影大会。この日はりんたろー。に凱旋の喜びを直接聞くことはできなかったのだが、彼と、彼を取り巻く人々の笑顔に全てがあらわれていたと思う。

※今回の取材は感染対策を徹底したうえで行いました。

▲あなたの街にチャラ男を呼びませんかSP