9月1日、B.O.L.Tの2ndアルバム『Attitude』がリリースされた。昨年、発表した1stアルバム『POP』は、各方面から高い評価を受けただけに、今回もかなり期待値が上がってきている。

このアルバムのリリースに合わせて、初の東名阪+横浜ツアーもスタートしたB.O.L.Tの「今」を深掘りしていくインタビュー。あえて4人同時に話を聞くのではなく、2人ずつのペアで語ってもらった。そのほうが「現在地」と「これから」が明確になると思ったからだ。今回は“あやなの”こと白浜あや&青山菜花の中1コンビが登場。この夏、13歳になる2人が感じたこと、そして心に秘めていたこととは?

あやなのが『AYAKA NATION 2021』で大抜擢された! 

コロナ禍でイベントやライブの回数が減ってしまったことで、キャリアの浅いアイドルたちは貴重な経験の場を失いがちになっているが、そんな状況下で“あやなの”こと白浜あやと青山菜花は得難い経験を積むことができた。

6月27日に横浜アリーナで開催された佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)のソロコンサート『AYAKA NATION 2021』。そのステージであやなのの2人が大抜擢されたのだ

序盤に登場した2人は、佐々木彩夏と3人でパフォーマンスを展開。その後、主役の佐々木彩夏が衣装チェンジのため先に消えると、あやなのだけが残ってステージを任せられたのだ。ソーシャルディスタンスを守るため、キャパの半分しかお客さんは入れられなかったが、それでも5000人の観衆が見つめるなかで、だだっぴろい横浜アリーナのステージにたった2人で立っていることだけで、相当な経験値になる。

終演後、バックステージで高井千帆と内藤るなは「あやなの、すごかったですよね!」と興奮気味だったが、当の2人はその横でキョトンとしていた。まさか、あの状況でまったく緊張していなかったというのか?

「逆です、逆です! あの日は最初からずーっと緊張していて、そのときもまだ緊張していたんだと思います(笑)。横浜アリーナってステージが大きいじゃないですか? 私たちはその端と端から出ていくので、ものすごく距離があって、出番の前に『バイバイ、またあとでね』って話したぐらい。その直前まで『緊張、ヤバいね!』って、お互いになんとかリラックスしようとしていました」(白浜あや)

「本当に“あやなの”という存在があってよかったなって。ふたりでいるから、こういうときもちょっと緊張がほぐれるし、あやちゃんがいてくれることのありがたさをすごく感じました」(青山菜花)

純白の衣装でかわいく踊る2人を、このステージで初めて「見つけた」ファンも少なくはなかったはず。さらにアンコールでは「いちごの妖精」と「紅茶の妖精」に扮して登場するなど、さらに観客の印象に残る出方も。

ソロコンサートでは、自らプロデュースも担当する佐々木彩夏は「後輩に出てもらうからには、単なるバックダンサーではなく、ちゃんと意味のある形でステージに立ってほしい」という信念を持っており、今回は最初と最後に「あやなのインパクト」を仕掛けてくれたようだ。

「妖精の衣装は以前、高城れにちゃんと玉井詩織さんが着たこともあると聞いて、えっ、それを私たちが着ちゃってもいいんですか?って、また緊張しました(笑)」(青山菜花)

▲新衣装がとても似合っている青山菜花

「いろいろ勉強にもなりました。B.O.L.Tの楽曲はロックが多いので元気に激しく踊るんですけど、あのときはちょっとやわらかい曲調だったから、どういう表情で踊ればいいのか、本当に難しくて……本番直前まで先生に質問して、ふたりで表現の仕方を研究していました」(白浜あや)

▲風船とともに眩しい笑顔を見せてくれた白浜あや

このひとことに、今の彼女たちに注目したくなるポイントが隠されていた。このあと、何回かB.O.L.Tのステージを見る機会があったのだが、表現力はもちろんのこと、その立ち居振る舞いも以前とは違うように感じられた。オーラというにはまだ早いかもしれないが、そこに立っているだけで内側から発せられるものが確かにある。2人はまったく自覚していないというが、それはきっと横浜アリーナという大舞台で、たった2人で大きな経験をしたことが少なからず影響しているのだと思う。