“最強”と囁かれる朝食でパワーチャージ!

正直、数年前までは夜鳴きそばを食することは稀だった。博多に関わらず、地元のグルメに舌鼓を打つことを優先するので、たいがいお腹いっぱいになっており、夜鳴きそばの提供時間内である23時までにホテルに戻ってきていなかったからだ。

しかし、今日はもう食べるしかない。なにがいいって、部屋着のまま、大浴場へも夜鳴きそばを提供するレストランエリアにもブラッと移動できること。「館内はパジャマ、スリッパでの移動はご遠慮ください」というホテルが少なくないなかで、これは贅沢な話である。チェックインしたあとは、もうくつろぎ以外はなにもない。それがドーミーインを選ぶ最大の理由なのかもしれない。

▲個人的に隠れMVPに挙げたいのがこのパジャマ。とにかく快適なのである

いつもだったらコンビニにデザートを買いに行きたくなるところだが、この日は部屋の冷蔵庫にしっかり冷えたフルーツが用意されていた。おそらく、これは上位ブランドのみのサービス。ここで大事なのは「しっかり冷えた」という部分。そう、チェックインの前から冷蔵庫のスイッチがONになっているのだ。

ビジネスホテルでは基本、冷蔵庫の電源は切られていて「使う時にONにしてください」というケースが多い。それはそれでエコでいいのだが、疲れ果てて帰ってきて、うっかり電源を入れないでペットボトルを突っこんで寝てしまい、翌朝、ぬるーくなったペットボトルに絶望したことは1度や2度ではない。そういう失敗をする可能性がここではゼロ。本当にありがたい。

マクラもベッドも心地よい。夜泣きそばでお腹も満たされ、爆睡して迎えた翌朝。ドーミーインのお楽しみである朝食が待っている。僕は『レストランHATAGO』という全国展開のレストランを利用する感覚で、全幅の信頼を寄せているが、PREMIUMブランドではメニューにもさらなるお得感がある。このホテルではそれが「もつ鍋」ということになる。朝食バイキングに並んでいるので、つまりは朝からもつ鍋食べ放題!

じつは博多駅前にオープンしたアパホテル博多駅東では、地元の有名もつ鍋店『楽天地』がテナントに入っていて、朝食はまさにもつ鍋食べ放題。さっそく泊まって味わってきたが、めちゃくちゃ満足感もあるし、有名店で味をわかっている安心感もあるので、いろんな意味でハズレなしだった。

▲朝からいくらでも食べられるので、夜までお腹が空かないのが唯一の弱点だ(笑)

そういう部分ではアパのほうが優れているのだが、あくまでももつ鍋がメインディッシュ。その点、ドーミーインはさまざまなメニューがあるなかにもつ鍋“も”ある。といいつつ、3杯もおかわりしてしまったのだが、この出張中、時間の関係で街でもつ鍋を食べることが難しそうなので、どうしても欲張ってしまう。

朝食バイキングのメニューとしては及第点以上。リピートする理由には十分すぎるクオリティーだった(この日、仕事の都合で昼食が15時ぐらいになってしまったのだが、腹持ちがいい? もつ鍋をおかわりしたおかげで空腹状態にならなかった!)。

チェックアウトする前に朝風呂を堪能。自宅でも出かける前にひとっ風呂するタイプなので、これもまたありがたい。大浴場の営業時間が長いからこそできることだ。

最近、さらに営業時間が伸びて、今では10時まで入れるようになったことも追記しておきたい。博多まで来て、20時以降ホテルから一歩も外に出ない、という今までだったら考えられないような一夜だったが、おかげで満喫することができた。

そして、チェックアウト。ちょっと恥ずかしかったが「じつは今夜、もうひとつのほうのドーミーインに泊まるんですが、行き方を教えていただけますか?」とフロントで尋ねた。徒歩圏内とは聞いていたが、さすがに初めて移動するのは不安がある。

普通に考えたら「なぜ博多に滞在し続けるのに、わざわざ徒歩圏内のホテルに移動するんだ?」という話になるので、この話を出すのが恥ずかしかったのだが、フロントの女性は丁寧に教えてくれて地図まで渡してくれた。

いくら方向音痴の自分でもこれで大丈夫だな、と思って外に出ようとすると、フロントの奥からベテランの男性の方が出てきて「お客様、じつは近道があるのでお教えします」と声をかけてくれた。

実際に道を見ながらのほうがわかりやすい、ということでエントランスの外へと誘ってくれ「あの道ですよ」と目視しながら案内してくれた。とても血の通ったサービスだな、と感銘を覚えたのだが、じつはそれが真の目的ではなかった。

「先ほどから雨が降ってきています。どうぞ、こちらをお持ちください」

そう言って、ビニール傘を差しだしてくれたのだ。ギリギリまでホテルライフを楽しんでいたので、空模様までは確認していなかった。ありがたいけれど、あとで返しに来なくちゃいけないから、それは面倒だな……と思ったけれども、今日から泊まるのもドーミーインだから、そこで返却すればいいと気がついて、ありがたくお借りした。

チェックアウトを済ませた“あと”にここまで心配りをしてもらえると、そりゃ、やっぱり「また泊まろう」という気持ちになる。そんな気持ちに逆らうようにして僕はもう一軒のドーミーインへと歩み始めた。

≫≫≫ 後編へ続く

▲天然温泉 袖湊の湯 ドーミーインPREMIUM 博多・キャナルシティ前

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