おじさんはうまく立ち回らなくて良い!

――リリーさんもZEEBRAさんも、BABIさんの天性の魅力というか、年上年下関係なく、別け隔てなく接している交流の賜物だと思いますね。

BABI 私、人の話を聞くのが好きなんですよね。みんな自分の話をしたがるけど、私は自分の話より人の話を聞くほうが好きなんです。話を聞きながら分析するのも好きで、例えばリリーさんだったら“この人なんでこんなキモいこと言ってるのに、キモく聞こえないんだろう”とか(笑)。

――(笑)。でも、自分の話をしないで、人の話を聴きたいっていうのは、興味深いですね。

BABI 本当、人が好きすぎて、自分が描く絵も人しか描かないんです。あと、例えば私がアンジェリーナ・ジョリーだったら、自分の話を死ぬほどしたいですよ。でも、そうじゃない私ごときが、みたいな気持ちは常にあるかもしれないです。人の話をたくさん聞いてきたので、自分を客観視できてない人たちをたくさん目の当たりにしてきたので(笑)。

――なるほど。そんなBABIさんにお聞きしたいんですが、このニュースクランチを読んでいる層で、一番多いのが30代~50代の男性なんですね。それぐらいの人が、年下、特に異性の部下とのコミュニケーションに困ってる方が多いと思うんですが、BABIさんからアドバイスはありますか?

BABI すごく汚い言葉遣いになるかもしれないですけど、絶対にジジイのほうが幸せなんですよ。

――(笑)え、そうですか?

BABI そうですよ! 例えば、キャバクラに行って「カッコいいですね」とかおだてられて、喜んで帰る、あわよくば通って“イイ関係”にもなれる。女性として生きていて、そこを比較すると、例えばホストクラブになるわけですけど、でもホストクラブって私より若くて可愛い女性も来る。50歳で女性のホストクラブは、50歳で男性のキャバクラよりも楽しくないはずなんです。

――なるほど……(笑)。

BABI だから、うまくやろうとしなくていいと思うんです。どうせ年をとったら若者からは嫌われるんです。そりゃ嫌なこととかセクハラとかはしちゃダメだけど、うまく立ち回ろうとせずに、おだてられたら素直にうれしがる。それくらいが可愛らしいなって思いますけどね。

――たしかに、うまく立ち回ろうとしすぎても、可愛げがないですよね。これまでお話しを聞いて、BABIさんってあまり苦手な人がいないんじゃないかなと思ったんですけど、こういう人は苦手とかありますか?

BABI 少し語弊があるかもしれないですけど、自分が女性でありながら、女性に対しては基本的にフラットかもしれないですね。過剰に好きになったり嫌いになったりもしたことがない。女子校だったから特に思うのかもしれないですけど、言ってることがさっきとぜんぜん違うじゃん、とか、昨日は仲良かったのに今日は仲悪い、とか、全部“女の子だしな~”って思ってますね。それこそ大人になってからも、私がしゃべってることを録音されて、それを私のいないところで勝手に流されたりとかもあったので。だから、助けてって言われたらもちろん助けるけど、自分から女性に助けを求めたことはないかも……。

――すごく俯瞰で見られていて、その話は新鮮でした。世の男性に聞かせたいなって。

BABI そうそう、基本的に女性の都合を優先する、約束をドタキャンされても仕方ない、それくらいの気持ちで女性の方とは付き合っていってほしいなって、フラットな立場から思いますね、そうすると大概うまくいきますよ。