永山瑛太、リリー・フランキー、ZEEBRAとの交流

――10代後半に一度留学されているとお聞きしたのですが、この業界に入られたきっかけは、なんだったんでしょうか?

BABI パリに住んでいた頃は、同じ学校のなかに画家を目指す子、写真家を目指してる子が周りにいたので、自然と表現の仕事をやりたいなと思えていたんですが、いざ日本に戻ってきたら、当時は自分の周りにはそういう子が少なかったのもあって、自分から行動をすることはなくて。でも、絵は好きだからずっと描いてたんですけど、ある時に共通の友人を介して永山瑛太さんとお会いしたんです。

――いきなりビッグネームが!

BABI その友人が、私のことを“この子、絵がすごく上手なんだよ”って紹介してくれて。瑛太さんが“そうなんだ、見せて”と言ってくださったんですけど、私が全力で拒否しちゃって。

――え、なんでですか?

BABI その頃は、その時々の自分の喜怒哀楽を絵にしているだけだったから、自分を覗かれるみたいで“恥ずかしい”と言ったんです。そしたら瑛太さんが“表現って、恥ずかしいと思っていることを全力でやるのが表現なんだよ”と言ってくださって。それが自分の価値観を変えた言葉でした。それで瑛太さんに見せたらすごく褒めてくださって、ちょっと真剣に絵を仕事にしてみよう、って思いました。そこからいろいろとつながって、リリー(フランキー)さんとも面識ができて。

 

――リリーさん、初めてお会いしたときって、どんな感じだったんですか?

BABI 自己紹介したら、リリーさんのあの感じで「そんなに可愛いんだから絵なんか書いてる暇ないよ、絵は暇な人が描くものだから」って冗談っぽく(笑)。でも、絵を見せたときに面白いと思ってくださったのか、リリーさんが京都のお寺の屏風におでんくんを描く際に「一緒にやってくれない?」と誘っていただいて。それだけでもうれしかったし幸せだったんですけど、すごく大きい屏風だったんで、描き切るのに時間がかかるんです。半年くらいかかったのかな、その間ずっとリリーさんと他愛もない話をしてたら、急に「俺らがここで話してること、面白いからラジオで流そうよ」って言ってくださって。

――すごい展開ですね!

BABI リリーさんにラジオのオファーがずっと来てたらしいんですけど、“一緒にやりたい人がいないから”と断ってたらしくて、そこで“この子と一緒にやれるならラジオをやりたい”と私のことを紹介してくださいました。

――つながっていきますね。

BABI そこからラジオの仕事はつながってるし、自分にとって大きな出来事でしたけど、単純にあの屏風の前でリリーさんとお話しできたことがすごく楽しかったし、良い思い出です。

――いろいろな場面で、BABIさんのもとには重要な人物が現れて、人生を変える言葉を授けてくれるんですね。人に恵まれてるんだなと思うし、それはBABIさんの魅力が大きいんだろうなって。

BABI そうですね。でもその分、いろいろと嫌なことを言ってくる人もいますけどね。「金持ちの娘だから道楽でやってるんだろ」とか「リリーさんの力を使って」とか。でも、好きな人に言われたら耳に入るけど、なんでもない人に言われても“そうですよね~、いいでしょ”みたいな感じ(笑)。賛否両論があっていいと思うし、それこそ私の絵をみて「この絵嫌い」って言われるのも良いんです。なんとも思わない、が一番悲しいです。自分の絵の足りないところは自分が一番わかっているので。

――ZEEBRAさんとの交流も深いですよね。

BABI ジブさんもすごく私にとって大事な方です。もともと私がHIPHOP好きで、会って、初めてお会いしてすぐに気に入っていただいて。私が絵の仕事をしたいというのも理解してくれて、“俺はミュージシャンだからすぐに仕事とか紹介できないけど、一緒にやれる仕事があったら誘うね”って言ってくれて、その通りYouTubeだったり、今やってるWREPってラジオの番組に誘ってくれて。

――とても義理堅く、BABIさんの能力をすぐに見抜いたんですね。

BABI ありがたいです。あと、初めてお会いしたときに、なんて上品な人なんだろうって思って。御本人は日本のヒップホップシーンに対する責任があって、それこそいかつい人たちをフックアップして“わ-っ”とやってるんですけど、抜けきらない品の良さがあるんですよね。