『2015ミス・ティーン・ジャパン』でグランプリを受賞! 決勝大会では、5歳から習っていたダンスを披露し、堂々とした圧巻のパフォーマンスに審査員を唸らせた俳優・モデルの坂本澪香。
その後、福岡アジアコレクションでモデルデビューを果たした彼女は、テレビや舞台に活躍の場を広げている。凛とした佇まいながら、お芝居では日常から非日常まで見事に演じ分けている。そんな彼女が芸能界に入ることになったキッカケなど、パーソナルな部分から、仕事感への向き合い方、今後の目標まで聞いてみました!
音で場面を記憶する
――お芝居ではキリッとした面を見せる一方、InstagramやTwitterなどSNSでは親しみやすい日常を発信されてますよね。坂本さんが芸能界に入るキッカケはなんだったのでしょうか。
坂本 芸能界は小さい頃からの憧れだったんですが、直接のキッカケは2015年の『ミス・ティーン・ジャパン』でグランプリをいただいたことです。そこから今の事務所にお声がけいただいたんですが、そもそも『ミス・ティーン・ジャパン』の存在を教えてくれたのは両親だったので、とても感謝しています。
――小さい頃からの夢とおっしゃってましたが、昔からお芝居に興味があったんですか?
坂本 最初は、うたのおねえさんになりたかったんです。小さい子どものために、大人が歌ったり踊ったりしている姿が、子どもながらに“すごいな、素敵だな”と思っていて。なので、子どもの頃から、何か音楽がかかったらすぐ踊ってましたね。それが着信音だろうと、なんだろうと(笑)。
――とても素敵ですね!
坂本 地元の小さい所でしたが、ダンス教室にも通っていて、地元にいた頃はオールジャンル制覇しました!
――そんな坂本さんが、この人のようになりたい、という目標の人物はいらっしゃいますか?
坂本 満島ひかりさんと石橋静河さんですね。自分と同じ、と言うととてもおこがましいんですが、お二人ともダンスをやられていて、今は女優さんとしてどんな役柄であっても、その役に憑依したように、その人自身になれてしまう。とても憧れています。
――坂本さんのお芝居も憑依型のように感じます。あと、とても立ち姿が綺麗ですよね。
坂本 いえいえ、まだまだだと思います。でもありがとうございます(笑)。
――うたのおねえさんという話が出てきたんですが、一番影響を受けた作品はありますか?
坂本 これもダンスの作品になるんですが、『ステップ・アップ』という映画は、自分にとってとても大事な作品ですね。小学生のときに初めて見たんですが、日常生活のなかで、偶然チャンスが舞い込んで、嫌いだった同士が戦って仲良くなるところ。あと、主人公が舞い上がっているときに、ほかの家族は冷静に自分たちの生活や作業をしている。こういう温度差のようなものは勉強になりました。私の日常生活でも、気持ちが落ち込んだときはもちろん、上がり過ぎたときも見るようにしています。
――へー! 上がり過ぎたときもそうなんですね。
坂本 はい、自分にとって鎮静剤みたいな感じで(笑)。私自身、わりと音で場面を記憶することが多くて、“あ、こういう場面でこの曲が流れていたな”とか、“このオーディションの前にこの曲を聞いていたな”とか。なので、そのときの感情を思い起こすには、そのときに聞いていた曲を聞いたりしますね。それをセットリストにまとめてあります。
――そういうふうに音楽と向き合うのは珍しい気がします。セットリストもすごく気になりますね。
坂本 両親が長渕剛さんのファンで、小さい頃からよく家で流れていたので、小さい頃の感情を思い出すときは、長渕剛さんの曲を聞くことが多い気がします。
――長渕さん!
坂本 K-POPも聞きます。上京するときはBIGBANGの「BLUE」という曲を聞いていたので、今でもその曲を聞くと当時のことを思い出しますね。
――地元は北海道ですもんね、今年で上京して何年目になりますか?
坂本 今年の春で6年目になりますね。
――15歳のときに親元を離れて上京して、ホームシックになってもおかしくないと思うんですが……。
坂本 いえ、そのときは上京と高校入学が重なっていたので、正直考える暇がなくて、高校の3年間も毎日ガムシャラだったので、まったくなくて。なので、高校卒業してから、ようやくお仕事とかも落ち着いて受けられるようになってから、ホームシックが襲ってきた感じですね。“うわー、もう無理だ……”ってときもあったんですけど、でも「頑張れ」って言って送り出してくれたからには、何もなしに帰れないよな、と思ってて。だから、あえてそのときは帰省も一切しなかったですね。せっかく張り詰めている感情が弱くなっちゃうかな、って。
――なるほど、この春から上京した人もたくさんいると思うんですけど、そうやってホームシックになったり、不安を抱えている人に贈りたい言葉はありますか?
坂本 1人で孤独を感じることが多いかなと思うんですけど、自分自身さえ1人じゃないって思っちゃえば本当に1人じゃなくなる、そんな開き直りが大事なのかな、と思いました。私は、せっかく我慢していることが決壊しちゃうと思って実家に帰らなかったんですけど、本当につらかったら電話しちゃってもいいと思うし、ちょっと目線を変えてみるのが大事かなって思いますね。
――実際に上京を体験している坂本さんだからこそ、説得力がありますね。
坂本 でも、それぞれの環境によって違いますよね。私はサッと帰れる距離じゃなかったっていうのが大きいです。
――北海道のどのあたりなんですか?
坂本 釧路です。わからない人には右下のほうって伝えます(笑)。釧路でも浜のほうなんで、おじいちゃんとかおばあちゃんは言葉が汚いんですよ(笑)。あと、地元にいるときはそんなことなかったんですけど、「どん臭いね」ってよく言われるようになりました。でも、あの場所に住んでたらしょうがないよなって。流れてる時間が違いますからね(笑)。