ビートたけしの自叙伝を映画化したNetflix映画『浅草キッド』。話題沸騰の今作に出演している若手女優・小牧那凪さんがニュースクランチに初登場。幼少期より女優を目指し、さまざまな作品に携わってきた彼女に、浅草キッドでの役柄について、またこれまでの活動歴や女優を目指すきっかけなどについて伺いました。

試写の会場から自宅まで泣いて帰りました

――まずはご自身の役どころについて教えてください。

小牧 サチという踊り子の役を演じたのですが、最初いじわるな女の人っていう説明を受けていて。そういう心構えで衣装合わせに行ったら、その場で初めてご挨拶させていただいた監督(劇団ひとり)に「単純にいじわるな役ではなくて、踊り子としてのプライドが誰よりもある人。だからこそ、あとから入ってきたタケシ(柳楽優弥・演)に対して、どうしてこういう人が入ってくるんだっていう怒りがある」というお話を伺って。「できるだけ気の強い女の人であって欲しい」というリクエストもいただいたので、そこから役を固め直しました。

――踊り子ということで、もちろん実際に踊るシーンもあるんですよね?

小牧 はい、踊ります(笑)。本番の1、2か月くらい前からダンサーの先生についていただき、当時のストリップ劇場の踊りを習いました。ランジェリーに8cmくらいのヒールで踊るんですけど、重心が崩れやすいので姿勢を保つのが大変でした。マットをヒラヒラとさせる演出もあるので、マットのことも気にしつつ、腰もキレイに入れるように。ダンス自体は、もともと大好きなので特に苦戦はしなかったんですけど、いろいろと気を使わなければいけないところが多くて、そこは難しかったなと思います。

――ストリップなので他の踊りとはかなり違いますよね。特に意識したところは?

小牧 色気を出すことですね。目線とか、女性らしく凛とした感じは残すんですけど、キレのある動きはあんまりしないで、なるべくゆっくり重たく丁寧に。見る人が「色っぽいな」って感じてくれるように意識しました。

――完成した作品を見て、どういう感想を持ちましたか?

小牧 思ったより自分の芝居ができていなくて……。試写の会場から自宅まで泣いて帰りました(笑)。

――えっ……。

小牧 少ない出演シーンだったんですけど、自分的にはこの作品をチャンスだと思っていて。なのに全然できてなくて、緊張して若干硬直してる自分が映ってしまっていたんです。それが本当に悔しくて。

――この作品で勝負したいと思っていたからこそ、悔しさも大きかった、と。

小牧 もちろん撮影中は本気でぶつかっていました。だけど、サチちゃんの心情は監督に説明していただいてある程度わかっていたのに、それを取り込んだ自分らしさで演じられていなくて。何者かになりきらないといけないって、自分に負荷をかけてしまっている自分そのものの姿が映ってしまっていたように感じたんです。

――でも、客観的に分析できていますね。

小牧 この1年でいろんな現場に出させていただいて、たくさんの役者友達が増えて。皆さんにさまざまなアドバイスや価値観を教わり、一気にお芝居のやり方や見方が変わったからかもしれません。

――目指すところが高いっていうことでもありますよね。

小牧 やっぱり1番になりたいので(笑)。事務所の中でも1番になりたいし、役者としても誇れる仕事をしたいから。