今後はモニュメントも作ってみたい
――それぞれに思い出があると思いますが、そのなかでもジミーさんがお気に入りの作品はありますか?
ジミー (自身の画集を見ながら)これかな、グッチのために描き下ろした「ファッション」って作品なんですけど、初めて絵に立体を取り入れた作品なんです。真ん中に馬がいるんですけど、この色をもう一回再現しようと思っても絶対できない。基本的にどの作品も値段がつくなら売ってくれていいですよ、って言ってるんですけど、これだけはナンボつけられても売りたくないな~。
――売りたくない作品がある、というのがジミーさんが芸術家たるゆえんだな、と今話を伺っていて感じました。個人的にはbloodthirsty butchersというバンドの「未完成」というアルバムのジャケットになっている絵がとても好きです。
ジミー あった!! ありましたね、あれもう誰かに売ってもうてるわ。とっといたら良かった(笑)。
――(笑)。今回の個展では、親交の深い放送作家の高須光聖さん監修で、パフォーマンスアートに挑戦されたり、ジミーさんが在廊される「ジミーの部屋」という展示もあったり、さまざまな人が楽しめる仕掛けがたくさんありますね。
ジミー 高須さんとは古い付き合いなので、いろいろ相談して作りました。パフォーマンスアートのVTRと、実際にそれで出来上がった作品が展示されます。VTRは会場に来た人しか楽しめないので、実際に見ていただきたいですね。ジミーの部屋は、よしもとから「何してもいい」って言われてるので…パンダみたいにずっと寝といたろうかな(笑)。でも、描かなきゃいけない絵もあるんで、絵も描くと思います(笑)。
――1年かけて全国9会場を周る、これまでの集大成のような個展ですが、今後新たに挑戦してみたいことはありますか?
ジミー 最近はブルーマングループみたいな、ああいうパフォーマンスをやりながら作品を作るのを、ニューヨークのオフ・ブロードウェイでやってみたいなと思ってます。ああいうのをやるなら、ヨーロッパよりもアメリカな気がしていて。絵も楽しいですが、モニュメントも作ってみたいですね。
〇「キャンバスをはみ出せ」岡本太郎からの手紙【Crunch-book-intervieW-前編】
〇ジミー大西 画業30年記念作品展『POP OUT』公式サイト