今年画業を始めて30年を迎えるジミー大西。そんな彼が世界を放浪中に描いた作品、初期作や未発表作を含めた100点以上の作品を展示する、集大成ともいえる全国巡回展「POP OUT」が現在開催中(東京会場は、銀座三越で2022年4月27日~5月9日まで)だ。
テレビ番組で描いた絵が思わぬ好評価をもらい、岡本太郎から直々に手紙をもらうなどの後押しもあり、画業に専念することになったジミー大西。しかし、芸人を引退してまで始めた画家の道を一旦は閉ざしてしまう、そこにはどんな気持ちがあったのか。そして、ふたたび画業を始めるきっかけとなった、師匠・明石家さんまの言葉とは?
画業を再開した明石家さんまの言葉
――そういえばジミーさん、一度画業を辞められていましたよね? それは何か理由があったんですか?
ジミー大西(以下、ジミー) いろいろな所で話しているんですが、あるとき渋谷を歩いてたら、焼き鳥屋のバイトの募集の張り紙が貼ってあって、時給1200円って書いてあったんです。「1200円か、結構ええなあ」と思って、そこでちょっと気になって、自分の画業としての時給を出してみたんです、そしたら時給380円って出て。「アホらし、辞めよ辞めよ」って(笑)
――(笑)。それはショックですね……。
ジミー それで、すぐ吉本に「画家やめます」って言ったら「あ、そう、わかりました」って軽く返されて(笑)。「どうぞどうぞ」みたいな感じで。そこから本当に5年は描いてなかったですね。
――また描き始めたのは何かきっかけがあったんですか?
ジミー 5年経ったあるとき、さんまさんに「最近は絵、描いてないんか?」って聞かれて、正直に時給の話をして「割に合わないんです」って答えたら、「アホ、俺らみたいな人を喜ばせる仕事はな、時給換算したらアカンねん」「別に好きにしたらええけど、お前が絵を描いて喜ばれるなら、描いたほうがエエんと違うか?」って言いはって。確かに僕、絵の依頼はずっと途切れずにあるんです。タレントとしての依頼は途切れたことがあったけど(笑)。だから、また描いてみようと思いました。
――やはり、さんまさんは人生の要所要所で出てきますね。
ジミー はい。あと、正直言うと、タレントとしてロケに出るのがそろそろしんどくなってきた、っていう邪な考えもありました(笑)。