「好きな時間、好きな地域で働ける」手軽さが受け、働き方に革命をもたらしたUber Eats。配達員の時給問題や労働環境などいくつかの問題も指摘されているが、果たしてその実態は? フリーライターとの兼業配達員が、その日常をつれづれと綴る。

メディアより早く、正確な情報源

テニスの錦織圭さんと野性爆弾のくっきー!さんがコインランドリーであれこれするCMで、名前だけはなんとなくご存知の方もいると思われるUber Eats。都心では大きなロゴ入りバッグを担いだチャリンコが街中を走り回っていますから、一度くらいは目にしたこともあるのではないでしょうか。

知らない方のために一言で説明しますと「スマホを使った現代版の出前」といった感じでしょうか。

申し遅れました。私、フリーライターでUber Eatsの自転車配達員もやっておりますWと申します。

まぁ、長々と説明しても伝わりづらいかとは思いますので、単純に私が稼いでいる額をまずは発表させていただきますと、12月末から1月末までの1ヵ月で、約30万円を稼ぎました。

実働220時間、単純に時給に換算すると1363円です。

この数字を多いと取るか、少ないと取るかは人それぞれ。私の場合、収入の逆転現象も起きることもありますが、Uber Eats配達員として2年も働いていると、いろいろなことが見えてきます。

一番興味深かったのは流行のドリンクについての発見です。

2019年に「2億杯」売れたタピオカドリンク

この仕事を始めた2018年初頭、私の体感的に一番注文が多かったのが、原宿にある某有名台湾茶の専門チェーン店Gからの配達でした。

そう、あの大ブームを呼んだタピオカドリンクです。通常ランチタイムが終わると、夕食時まで配達の依頼数がガクッと落ちるのですが、Gへ行けばいくらでも注文が入ったので、当時は昼間から原宿界隈に入り浸っていたものです。

それから2、3カ月すると、テレビでタピオカブームがメディアで一斉に取り上げられ、都内にタピオカミルクティーが味わえる店が続々オープン。渋谷や新宿では1時間待ちの行列ができる人気店も誕生しました。

2018年の夏以降はタピオカを扱う店からの配達数が激増。中でもカップの周りをカラフルなリボンでラッピングする店からの配達が多く「インスタ映え」する商品がヒットするということを肌で感じながら電動自転車を必死で漕ぎ続けました。

ちなみに、私の配達バッグの中身はご覧のようになっています。中身がこぼれないよう、間仕切りなどを工夫して配置するなど、配達員各自が工夫しているんです。

「Uber Eats」のロゴが入っていない配達バッグもあります

ブームのおかげで、昼間はタピオカの店の近くへ行けば注文が入る、という状況が続きましたが、不思議なもので2019年春ごろになるとピタリと勢いが止まってしまったのです。ゴールデンウィークが終わる頃には「昼間はヒマだけど、どうせタピオカの店に行っても注文が来ないから家で寝てよう」というマインドになっていました。これでは稼げません。メディアではまだまだCMも見かけましたが、これがブームの現実との違いなんですね。